「え、早川さんとですか?」
今日の任務は俺とたきなの2人で、と伝えるとたきなは驚きの声を上げた。
「そ。あ、嫌だったら俺1人で行くから大丈夫だけど」
「い、いえ!大丈夫です!よろしくお願いします!」
良かった良かったこんな真面目な子に嫌ですなんて言われたら電波塔から飛び降りちゃうところだった。
「おはようございまーす!お、たきな~大河と初任務かぁ~!」
「おう、千束。店のことよろしくなー。なんかクルミさん思ったより使い物にならなそうだから。」
と、座敷の方を親指で指しながら言うと千束も思わず苦笑いする。
仕事中は出てこないくせにゲームするときはウキウキで出てくる天才ハッカー様は今度しっかりお灸をすえるとしよう。
「よし、じゃあそろそろ行こうか。」
奥にいるミカさんにも聞こえるように声を張っていってきまーすと言って、移動車に向かう。
慌ててたきなも挨拶して追ってきた。
──────────────────
「今回の任務は危険人物、犯罪者の無力化と拘束だ。」
「え?それならファーストの千束がいないと...」
「ただし、DAからの要請ではなく俺が個人的に構築してる裏ルートからの情報だ。」
「裏ルート、ですか...?」
「まぁその辺は任務が終わったらゆっくり話すよ。
んで、話を戻すけど今回の対象はアメリカで指名手配されている男二人組。暴行を加えてから殺害する快楽殺人犯だ。
おまけにどうやって入国したのか知らんが恐らく銃を所持している。
かなり危険な任務になるが大丈夫か?」
「はい、問題ありません。」
「うん流石、頼もしいね。
相手が相手なだけに俺たちが無力化する前に感づかれると街中でドンパチを始めかねないから、見つけ次第尾行、安全な場所で一気に無力化させる作戦で行くよ。」
「了解です。ほかに注意することはありますか?」
「いや、今のところはこれで大丈夫、あとは臨機応変に指示する。」
「わかりました。」
───やりやすい。
なんだこのスムーズさは。
果たして千束と2人でここまでスムーズにミーティングが進んだことがあっただろうか...
思い返してみたけど、
行きの途中なんて早く終わったらどっか寄ろうなんて言う千束と帰りの話ばっかしていた気がする...
え、俺が甘やかしすぎなのか...?
過去の行いに不安を抱き始めながらも俺は目的地まで車を走らせた。
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「ここ...ですか?」
「クルミにも軽く調査してもらったが短期間にここを何度も出入りしている様子が確認できたそうだからおそらく間違いない。」
着いたのは何の変哲もない住宅街の近くにある廃校校舎。
近くにある別の小学校ど合併して閉校になったらしい。
「思ったより住宅街だなぁ。たきな、サプレッサーは持ってきているよな?」
「はい、あります。」
そういってDA特有のカバンに目をやる。
俺も千束と同じ非殺傷弾の装填された銃を取り出す。
「早川さんも中に入るんですか!?」
たきなが目を丸くしながら俺の銃を見る。
「そりゃあもちろん。あ、足手纏いにはならないから心配しなくていいよー」
「や、そんなつもりではっ」
そういえば、たきなが来てから俺が現場に出たことなかったか。
悪いことしちゃったなぁと頭をかく。
「よしじゃあ中に入るぞ。」
たきなに声をかけて門を開いて敷地内に入る。
そのまま校舎のなかをガラス越しに覗く。
「...見当たりませんね?」
「まぁどっかの教室にでもいるんだろ。警戒して進むぞ」
はいっと返事をして俺の先を歩いていく。
見た目以上に大きなその背中に前を任せ、たきなの背後を警戒しながらついていく。
「────、────!」
「ん、この教室か。」
「そのようですね、どうしますか?」
「油断しきっているしさっさと制圧しちゃおっか。
俺が扉を開けたら一気に無力化してくれ。そのまま拘束銃を打ち込むから。」
そう伝えて目で合図を執る。
3,2,1、
ガラガラッ!
扉を開くと驚き目を見開いた男が二人。
近くの机に置いてある銃を慌てて取ろうとするが、そこをたきなが防ぐ。
たきなの銃声をきっかけに一気に中に入り非殺傷弾を二人に打ち込んで動きを止め、そのままゆっくり拘束する。
「ふぅ、お疲れ様。一応こいつの手当だけしてあげて、俺はクリーナーに連絡するから。」
銃を取ろうとしたときにたきなに腕を打たれた男を指さす。
死ぬようなケガではないはずだが、なんかすごい痛がっているので念のためだ。
「あ、すいません、清掃お願いしますー。はい、対象は2人で、けがの具合は──」
そう言ってたきなの方を向くと、たきながこちらを向いて目を見開く。
「────早川さん後ろっ!!!」
その声に俺は慌てて振り向いた。
後編、明日更新します。