もうキャラ崩壊が酷いですこれ
なんだこれ…(困惑)
ほんとうに読んでいただいてる方には感謝しかない
ある日、三門市内の焼肉店に2人の男が来店した。
ボーダー本部所属の隊員、二宮匡貴と東春秋である。
2人は元チームメイトであり。戦術面での師弟関係でもある。関係は良好で、別のチームになった今でも師弟として交流を続けている。
そんな2人であるが、今日は珍しく二宮からの誘いで焼き肉に来ていた。
普段食事に行く際、ほとんどの場合は東が誘う側なのだが今回は逆だった。
何かあったのだろうかと何となく察した東は、網の上に並べられたタンをひっくり返しながら口を開いた。
「お前から誘ってくるのは珍しいな。何かあったか?」
「実は…相談がありまして」
二宮の言葉に東の眉がピクリと動くが、そこまで驚きはない。むしろ予想通りだった。
二宮は良くも悪くも我が道を行く、という性格だ。二宮をあまり知らない人間からすれば、二宮が誰かに相談したり頭を下げることは有り得ないと思うだろう。
しかし、実際はそうではない。二宮は必要であれば誰かに頭を下げる事のできる性格である。
実際、二宮は自分より年下の出水を師事していたこともあるし、東には何度も相談を持ち掛けている。
二宮の性格を大体把握している東からすれば、二宮が相談を持ち掛けてきたことに驚く要素はない。
とはいえ、二宮が自分から何かを相談してくるのは確かに珍しい。何か重大な事が起きたのだろう、と東は予想した。
「相談か、珍しいな。チームについてか?」
「まあ……そうですね」
東の質問に対し、二宮は少し言い辛そうに答えた。その反応に東は僅かに目を細める。
二宮は何事もズバッと言い切るタイプの人間だ。そんな二宮が言い辛そうにしているということは、余程大変なことが起きたのだろう。
そう予想した東は、二宮の取り皿に焼けた肉を置いた。
「まあ、言い辛いならゆっくりでいいそ。肉でも食いながら話してくれ」
「ありがとうございます」
二宮は取り皿に置かれた肉(厚切り塩タン)を箸で掴み、レモン汁につけて一口で頬張る。
一応食欲はあることを確認した東は安心し、網の上に新たな肉を乗せて焼き始めた。
「…その、この話は誰にも言わないでほしいんですけど…」
「ああ、わかった。誰にも言わない」
「実は…」
東は身構える。
二宮がここまで言い辛そうにするなど、かなり重大な案件に違いない。
例えば「チームメイトの誰かが辞めたがっている」「チームを解散しようと思っている」などだ。
どんなに難しい相談が来たとしても、東は元隊長として…そして師匠として、真摯に対応する覚悟を決めた。
そんな東の耳に届いた言葉は、想像を遥かに超越するあまりにもヤバいものだった。
「氷見が……妊娠したみたいで…」
「…なんだと?」
東は思い切り目を見開いた。
あまりの驚きに思考が付いてこないが、東は何とか冷静さを保とうとする。
(妊娠?今そう言ったのか…?いや、まさかな…聞き間違いだろう…)
自分の耳に入ってきた言葉を聞き間違いと思っている時点で、既に冷静ではない。
東は眉間を指で摘まみ、目を瞑る。
(今のは聞き間違いだ。……絶対そうだ)
東は現実逃避を始め、先ほどの言葉を聞きな違いだと決めつける。
数回深呼吸をした後、震える声を絞り出す。
「あー、すまん。ちょっとよく聞こえなくてな。悪いんだがもう一回言ってくれるか?」
「氷見が妊娠したみたいなんです」
「あー…そうかそうか…。成程…氷見が…」
東は二宮の言葉を数秒間かけてゆっくりと飲み込み、手に持っていたトングを机に置いた。
再び眉間を指で摘まみ、心の中で頭を抱えた。
(聞き間違いじゃなかった………)
本当は気付いていた。聞き間違いではないと。1回目に聞いた時から気付いていた。
しかし、聞き間違いだと信じたかった。聞き間違いであってほしかったが、その願いは届かない。
現実逃避も虚しく、無情な現実が東の目の前に突き付けられた。
ーーーこんなのなんて答えればいいんだ……!と、東は心の中で叫ぶ。
戦闘員の中で最年長とはいえ、東もまだ23歳。昨年大学を卒業したばかりの大学院生であり、勿論結婚などしていない。
そんな東にとって、16歳の少女が妊娠したという相談はあまりにも重すぎるものだった。
とはいえ、年上として何もせず無責任に相談を放り出すことはできない。
そう考えた東は、取り敢えず思いついた質問を投げかける。
「えーと…父親は?」
「俺は信じたくないんですが……京佳だそうです……」
「なん…だと?」
本日2回目の現実逃避ポイントが早くもやってきてしまった。
東は冷や汗を額に滲ませる。
(京佳……!?京佳って…烏丸か?い、いや、そんなわけはない……聞き間違いだろう。もしくは同名の別人だ…そうであってくれ…)
東は再び現実逃避を始めた。あの烏丸京佳がそんなことをするなど信じたくなかったからだ。
「あー、京佳ってのは…烏丸か?」
「はい…」
東は震える声で問いかけるも、帰ってきた答えは無常。
東は心の中でのみならず、現実でも頭を抱えた。
「噓だろ…あの京佳が……」
東は今までに感じたことがないほどのショックを受ける。東はあまりのショックに頭を抱えたまま動かなくなった。
もはや二宮よりもショックを受けているように見える。
しかし、東がここまでショックを受けるのも無理はない。
何故なら、京佳は元東隊。つまり、東と京佳は元チームメイトだった。
京佳は東の元部下であるため、東は京佳の性格を熟知している。
東が知っている彼はノリが良く、心優しい家族思いの少年だ。時折見せる子供らしさも相まって、東は京佳を弟のように可愛がっていた。
そんな彼が女子を妊娠させるなど、そんなことをするはずがない。何かの間違いではないかと東は予想した。
「その話、誰から聞いたんだ?」
「作戦室で犬飼と氷見と京佳が話しているのが聞こえたんです。犬飼は氷見が妊娠したと言っていて、京佳はそれを認めていました…」
「なるほど。つまり、話しているのを聞いただけで本人から直接聞いたわけじゃないんだな?」
「はい、そうです」
そこまで聞いた東は顎に指を添えて脳みそを高速で回転させる。
よく考えると、京佳と氷見の性格上2人がそういうことをする可能性は限りなく0に近い。
烏丸兄弟と目も合わせられない氷見がそういうことをできるはずがないし、そもそも氷見は京介派閥だったはずだ。
そして京佳が軽率に女性に手を出すような男じゃないのは誰もが知っている。
以上の点を踏まえ、情報を整理する。
二宮が直接報告された訳ではないとなると、1つの可能性が浮かび上がる。
それは、犬飼ら3人の会話はただのノリによる冗談だったという可能性だ。
犬飼と京佳はどちらもノリがいいし、氷見は烏丸兄弟を前にするとパニックになってしまう。
氷見が本当に懐妊したと考えるよりも、京佳を前にパニックになった氷見を犬飼が揶揄い、京佳がそれに乗っかったと考える方が自然だ。
いや、それしか考えられない。
先程までの現実逃避とは違い、しっかりと考えて出した結論に東は確信を持つ。
しかし、これはあくまでも東の推理に過ぎない。本当に懐妊した可能性も微粒子レベルで存在している。
まずは当事者に真偽の確認を取るべきだ。そう考えた東は長考の末ようやく口を開いた。
「とりあえず…まずは本人に話を聞いた方がいいんじゃないか?」
「確かに…その通りですね。まずは話を聞くべきでした」
東は「本当に妊娠したのか、まず確認すべき」という意味で言うが、二宮は全く違う意味でその言葉を嚙み砕く。
二宮は「なぜ妊娠したのか、その辺を含めた詳しい話を聞くべき」という風に解釈してしまっていた。
日本語は難しい。改めてそれを感じますね。
「聞くときは慎重にな。真偽が分かったら連絡してくれ」
「…?わかりました(真偽?何のだ?)」
二宮は東の発言に僅かな違和感を覚えるも、勘違いしていることに気付く気配はない。
なぜなら、二宮の中では氷見が妊娠していることは確定事項になっているからだ。
作戦室から聞えてきた犬飼と京佳の発言を、完全に信じ切ってしまっている。
ピュアというべきか天然というべきか。流石は二宮、相変わらずである。
「さあ、とりあえず食うか」
「はい。頂きます」
東と二宮は焼き肉を再開する。
互いの微妙な食い違いに気付かぬまま、焼肉は終了した。
ーーー
「なんか会議だって。なんだろーね?」
「さあ…ランク戦はオフシーズンですし…何かあったんですかね?」
「ん〜どうだろ。辻ちゃんと鳩原は来てないしねー」
二宮隊の作戦室。
普段作戦を立て際に使う大きなデスクに腰掛ける人影が2人。
二宮隊銃手・犬飼澄晴と二宮隊オペレーター・氷見亜季が鎮座していた。
本日、二宮に「会議だ」と言われて呼び出された2人は疑問を頭に浮かべながら静かに隊長の到着を待つ。
数分後、作戦室の扉が開き、堂々と二宮が入室来てきた。
二宮は氷見らが座るデスクの一角に座り、おもむろに口を開く。
「…氷見、何か俺に言うことがあるんじゃないか?」
「え??」
二宮に名指しされた氷見は首を傾げる。
言わなければいけないこと?自分は何かやらかしただろうか?と。
氷見が首を傾げる中、隣に座る犬飼は何となく察していた。
(あー…このメンツ…もしかして…?)
もしや、先日起きた二宮隊作戦室での珍な出来事。
氷見と京佳、犬飼が行ったコント。その事を言っているのではないか…と。
あの時3人は、おふざけで妊娠やら何やら騒いでいたため、それが二宮に聞かれてしまい、本当に氷見が妊娠したと思っているのではないか。
その予想は完璧に的中していたが、犬飼は「まさか二宮さんがそんなことを信じるわけないよな〜」と楽観視していた。
しかし、犬飼は甘く見ていた。
二宮という男の真面目さと……天然さを。
「俺には言えないことなのか?」
二宮が質問を重ねてくる。
氷見は必死に頭を回転させ、思い当たる節を探した。
数秒の思案の後、氷見は1つの解を導き出す。
「あ、もしかして…冷蔵庫にあったジンジャーエール、二宮さんのでした?」
「違う」
氷見が必死で捻り出した答えは不正解だった。
二宮の迫真の答えに対して氷見は勘違いし、全く見当違いの言葉を吐く。
「あ、二宮さんのじゃないんですね…よかった」
「いや、それは俺のだがそうじゃなくて………お前飲んだのか?」
「すみません。名前書いてなかったので…」
「そうか。なら仕方ない」
(…いいのかよ)
犬飼は心の中で小さくツッコミを入れた。
実際、作戦室にある冷蔵庫のルールとして「自分のものには名前を書く。誰でも自由に飲食できるものは無記名」というルールがあるため、今回の件に関しては名前を書いていなかった二宮が悪い。二宮の対応も当然と言えるだろう。
「…いや、そうじゃなくてだ。他に何かないのか?」
目の前で行われるコントのようなやり取りに、犬飼は腹を抱えて机に突っ伏した。必死で笑いをこらえ、ぷるぷると震える。
そんな犬飼を見た二宮は怪訝そうに声をかけた。
「…犬飼?どうした?」
「す、すみま…せん…。くっ…ちょっと腹が…痛くて…ぐっ…」
「そうか。大丈夫か?」
「ぐっ…大丈夫…です…!」
さすがに苦しい言い訳だったが、二宮はアッサリとそれを信じた。その事実が犬飼の腹筋をさらに苦しめる。吹き出しそうになるのを必死に堪え、目の前で行われるコントに耳を傾けた。
「氷見、言いにくいのは分かるが…報告する義務があるんじゃないか?」
「えっ……と…すみません、心当たりがないです」
「そうか…」
二宮は「シラを切るつもりか」と鋭い目線で訴える。
氷見から言う気がないのなら、こちらから問い詰めるまでだ。そう考えた二宮は、鋭く言葉を放った。
「烏丸の件だ」
「え!?烏丸くん!?」
氷見が声を荒らげ驚愕する。
妊娠の件がバレていたからーーではない。氷見が密かに抱いている気持ちがバレてしまったと思ったからだ。
つまり、氷見はこう思った。なぜ二宮さんが自分が密かに抱いている烏丸京介への恋心を知っているのかーーと。
とはいえ氷見が烏丸京介を好いているという事実は、彼女と関わったことのあるほぼ全ての人間が知っているため、全くもって"密か"ではないのだが。
ちなみに二宮は鈍感なので知らない。
そんな氷見の反応を見た二宮は確信する。
やはり、妊娠の件は本当なのだ…と。
一方、犬飼も驚愕していた。
まさか本当に妊娠の件を信じたのかと。
「言いづらいのはわかるが、そういうことは報告するべきだ」
「な、なんでですか!私の勝手です!」
「……そうかもしれないが、親御さんはどう思う?」
「どう思うって……きっと応援してくれます!」
「そうだとしても…隊長である俺にひと言くらいあってもいいんじゃないか?俺はそこまで信用がないのか?」
「なんでですか!確かに二宮さんのことは尊敬してますし信頼してます!けど……乙女のプライベートを全部話すのは違います!」
「それはもう、プライベートとかそういう話を超えた重大な報告だろう」
「な、何を言ってるんですか!?二宮さんは私の何なんですか?」
「?…隊長だが」
2人のすれ違いは続く。
一方その頃犬飼は……笑いを堪えることに必死だった。
もはや椅子に座ることすら出来ず、地面に蹲って必死に声を出さないよう腹筋に力を入れる。
そんな時、犬飼の中で天使が囁いた。
『そろそろ誤解を解いてあげようよ!見てられないよ!』ーーと。
しかし、同時に悪魔も囁く。
『こんな状況止めるなんて勿体ねぇ。面白いからこのままにしとこうぜ』ーーと。
犬飼は腹筋を擦りながら、どうするべきか考える。
目の前で行われるコントを止めるべきか否か。
数秒の思案の後、犬飼はーーー悪魔に魂を売った。
「おい、犬飼。お前は知っていたんだろう?なぜ俺に報告……お前どうした?大丈夫か?」
そんな時、もう1人の悪魔(二宮)が犬飼に声をかけた。
しかし、犬飼は笑いを堪えることに必死で返事ができない。今口を開いてしまえば間違いなく吹き出してしまうだろう。
犬飼は腹筋に全力で力を込めながら、右手の親指を立てて大丈夫であることを伝えた。
「…?大丈夫ならいいが…無理はするなよ」
なんでこれで誤魔化せるんだよ!と犬飼は心の中で叫んだ。
もう限界だ、我慢できない…犬飼の口から笑い声が溢れそうになった瞬間ーー。
「え、なにこれ…どういう状況ですか?」
作戦室の扉が開き、隊員である辻が姿を現した。
作戦室の光景を目にした辻は本気で困惑する。
二宮と氷見が座って口論しているのはいい。だがなぜ犬飼は床に蹲ってプルプルと震えているのだろうか。意味がわからない。
「辻、聞いてくれ」
辻の姿を認識した二宮が口を開き、冗談など一切感じられない真剣な眼差しで言葉を続ける。
「氷見が…妊娠したことを隠してるんだ」
「え?」
「は?」
作戦室内が静寂に包まれる。
辻だけではなく氷見ですら呆気に取られる中、静寂を切り裂いたのはこの男。
「ぶっ…!あはははは!もう無理!あははははは!」
犬飼が大声で笑い出し、作戦室は困惑の嵐で包まれた。
そんな中、辻は状況が呑み込めず本気で戸惑った。
ーーー何だこの状況は…と。
ーーー
「つまり、妊娠云々はただのノリで、そんな事実はないということか?」
「はい…そうです」
先程のカオスから一変、落ち着きを取り戻した作戦室。
二宮ら4人は椅子に座り、冷静に状況を整理していた。
事の顛末を全て聞いた二宮は、右手を顔に当てて大きくため息をついた。
誰も信じないような冗談を信じてしまったのはまだ良いとして、二宮は確認もせず勝手に決めつけて行動をしていたのだ。
それはプライドの高い二宮にとっては許し難い行動であり、普段の二宮であれば有り得ない行動だ。二宮は自分が冷静さを完全に失っていたことに今更気づき、心の中で小さく呟く。
俺はこんなにアホだったのかーーーと。
「…勘違いをしていた。すまん、氷見」
「い、いえ。大丈夫です…」
氷見は二宮の謝罪を受け入れる。
それと同時に「二宮さん、あんなの信じちゃうんだ…」と困惑を顕にし、作戦室でふざけるのは金輪際やめようと心に誓った。
「犬飼、お前は気づいてたのか?なぜ言わない?」
「…いや、面白すぎて…」
「お前な…」
再び大きなため息。
事態は紆余曲折あったものの、何とか収束した。誤解も解け、一件落着といえる。氷見の恋心が二宮にバレてしまったが、まあ誤差と言えるだろう。
しかし、事の顛末を全て聞いた辻は無表情のまま心の中で呟いた。
ーーこの隊、みんな馬鹿なのか?
書いて欲しいキャラがいれば感想で教えてください。
ちなみにアホになります(確定)
※規約違反らしいので後日アンケートします
書いて欲しいキャラ募集
-
橘高羽矢
-
藤丸のの
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帯島ユカリ
-
仁礼光
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月見蓮
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結束夏凛
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草壁早紀
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その他