サッパリとした男前 とりまる   作:mowさん

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こんばんは
今回ののさん回にするつもりだったのに完成したら何故か帯島回に。
なぜだ?
次回はののさんメインにしますほんとです。

あと京佳のステータスとトリガー構成乗せます
オリジナルトリガーがありますねなんでやろな


9話 弓場隊

 

 

ー烏丸京佳ー

15歳 中学生(4月から高校生) 男

A級1位 太刀川隊 万能手

好きなもの 肉 甘い物 ぬいぐるみ 家族

嫌いなもの ホラー系全般 

 

トリガーセット

メイン アステロイド(突撃銃「改」) スケルトンキー(試作) シールド バッグワーム

サブ  弧月 旋空 シールド エスクード

 

パラメーター

トリオン 8

攻撃 8

防御援護 10

機動 7

技術 9

射程 4

指揮 5

特殊戦術 2

 

total 53

 

ーーー

 

 

「こんにちは」

 

ある休日の昼。

烏丸京佳は、とある部隊の作戦室に訪れていた。

作戦室の扉をノックし、中に入る。京佳の挨拶に反応したのは、腕を組んで扉の前で仁王立ちしている眼鏡をかけた男だった。

如何にもヤンキー…というより、”漢”といった風貌の男は、ニヤリと口角を上げながら口を開いた。

 

「よく来たなァ、京佳ァ」

 

「どうも、弓場さん」

 

威圧感のある言葉だったが、京佳は気にする素振りなく答える。

ここはB級4位弓場隊作戦室。目の前にいる漢は弓場隊の隊長であり銃手ランクの2位に君臨する漢、弓場拓磨。この作戦室の長たる人物だ。

一見怖そうな見た目だが、思った以上に優しく人情に厚い。そのため、隊員からの信頼も高く、年下からも慕われている。

慣れるまでは口調や態度で物怖じしてしまう人もいるだろうが、慣れてしまえば無問題。頼れる兄貴のような存在だ。

それは京佳にとっても同じであり、京佳は弓場の事を兄のように慕っていた。

 

「お、来たな」

 

弓場と京佳の会話が聞こえたのか、オペレーター用のデスクに座ってPCと睨めっこしていた女性が顔を上げた。

茶色がかったフワフワの髪をボブカットで纏めており、オペレーター用スーツのネクタイを外して着崩しており、上着のボタンも全て外している。

容姿のレベルはかなり高いが、驚くべきはその胸部だ。

そのバストサイズは胸囲の…間違えた、脅威のIカップ。他の追随を許さない圧倒的なOPP(おっぱいパワー)で全ボーダー隊員内でトップの座に君臨している。

ちなみにスーツを着崩している理由は、ボタンが全部閉まらないからだ。ボーダー全女子が羨む悩みだろう。

そんな彼女の名は、弓場隊のOPである藤丸のの。隊長の弓場を陰で支える体育会系の姉御だ。

その豪快な性格故に学校ではあまりモテないらしいが、整った容姿と気のいい性格、圧倒的なOPによってボーダーでは男女問わず人気の女性だ。

 

「ののさん、どうも」

 

京佳が藤丸の方を向き軽く会釈をすると、藤丸はデスク上を素早く片付けて席を立った。

 

「ま、とりあえずこっち来な」

 

「はい」

 

藤丸と弓場に案内され、京佳は作戦室の奥へと通された。

作戦室の奥は応接間のような装いになっており、1人掛け用のソファが2つ、そのソファの前にはテーブルが置かれている。

京佳は何回か弓場隊作戦室に訪れたことがあるため、この部屋を見るのは初めてではない。見慣れた……とまではいかなくとも、見知った光景だ。

しかい、そんな光景に見慣れない人物の姿が見える。13~14程度の子が、ソファに座っていた。

中性的な顔立ちに短めの髪、日にこんがりと焼けた健康的な肌。容姿だけを見ると、男女どちらとも言い切れない。

初めて見る顔に、京佳は一瞬困惑する。なぜこの子は弓場隊の作戦室に堂々といるのだろうか。

京佳は疑問を浮かべるが、その疑問はすぐに解決する。

 

「帯島ァ!」

 

「はいっス!」

 

弓場が鬼気迫る表情で叫ぶと、ソファに座っていた。少年(少女?)が立ち上がる。

両手を後ろに回し、背筋をピンと伸ばした状態で大きく口を開いた。

 

「初めまして!自分、弓場隊に入隊することになった帯島ユカリっス!よろしくお願いするっス!」

 

「烏丸京佳です、よろしく」

 

帯島の元気いっぱいな挨拶に、京佳は軽く右手を上げて答えた。

弓場隊は前期終了時に2人の隊員が脱退したため、新人の募集を行っていた。中々良い人材が見つからずに困っていたらしいが、どうやら解決したようだ。

これで京佳の疑問は解けた。しかし、新たな疑問が浮上する。

目の前の子は…男女どちらだ…?と。

名前から判断すると女子だが、ユカリという名の男子がいても不思議じゃない。

声は高めだが、まだ声変りが来ていない可能性もある。

答えが出ずに、京佳は心の中で唸る。その様子を見ていた弓場が、メガネをくいっと持ち上げながら言った。

 

「ま、とりあえず座れやァ」

 

「うす」

 

京佳は言われるがまま、1人掛けのソファに腰掛ける。

帯島の隣に座った京佳の目の前、机を挟んだ先には腕を組んで仁王立ちの弓場。そして京佳の背後、何時の間にかソファの後ろに立っている藤丸。

京佳が座った後、数秒間の静寂が流れる。その沈黙を破ったのは、藤丸だった。

 

「おいこら京佳!久しぶりじゃねーか!」

 

藤丸は京佳の頭に両手を添え、まるで犬を撫でるようにわしわしと京佳の頭を撫でまわし始めた。

一方の京佳は特に抵抗せず、されるがままに撫でまわされている。嫌がることもしない、というかむしろ気持ちよさそうだ。撫でられて喜ぶ犬のような、何とも言えない表情を浮かべている。

弓場は心の中で「また始まりやがったなァ…」と悪態を吐くも、それを表には出さない。

帯島はただ1人。この場にいる人間の中で唯一、驚愕を露にした。

 

「えっ??」

 

「帯島ァ。気にすんな、いつものことだ」

 

「え、あ、はいッス」

 

困惑していた帯島に対し、弓場がフォローを入れる。

帯島は「これがいつも通り?距離近くないッスか?」と思ったが、弓場のフォローを飲み込んで何とか納得した。

 

「急に呼び出しちまってすまねェーな」

 

「いや、全然大丈夫っすよ。今日は特に予定無かったんで」

 

仁王立ちしたままの弓場が話を切り出し、藤丸に撫でられたままの京佳が答える。

京佳が弓場隊作戦室を訪れた理由。それは、弓場に呼び出されたからに他ならない。何でも、頼みがあるらしい。

弓場が年下に何かを頼むというのはかなり珍しい。滅茶苦茶レアな出来事だった。

 

「頼みがある」

 

「はい」

 

「単刀直入に言う。…帯島の師匠になってくれねェか?」

 

「いいすよ」

 

弓場が頭を下げると同時に、京佳は即答する。

あまりにも早い返事に、弓場が一瞬目を丸くした。

 

「即答じゃねーか!」

 

藤丸が京佳の肩を揉みながら言う。

その様子を見ている帯島は「貴女の方が肩凝ってるんじゃ…」と藤丸の胸部を凝視しながら思ったが、本人は京佳の肩を揉むことに満足してそうなので特に言及はしない。

ただ、座る京佳の頭部に藤丸の盛り上がった部分が触れそうになっていることに帯島は内心ハラハラしていた。

 

「まあ、断る理由も特にないんで。…あ、ひとつ聞きたいんすけど、なんで俺なんすか?」

 

肩を揉まれながら京佳が問う。その問いに答えたのは弓場だ。右手でメガネに触れながら言葉を吐く。

 

「まァ、色々理由はあるが……」

 

弓場は静かに、京佳に依頼した理由を並べる。

まず第一に、歳が近いこと。京佳は現在中学3年生、対して帯島は中学1年生だ。ボーダー内でも年齢が低い帯島にとっては比較的話しやすいだろう。

2つ目は京佳の年下に対する面倒見の良さだ。

京佳は大家族の次兄ということもあり、年下に対して兄属性特攻を持っている。帯島とも友好な関係を作れるだろうという狙いだ。

 

「なるほど、納得しました」

 

「ありがとよ。今度飯でも奢らせろや」

 

「じゃあ焼肉で」

 

「おう」

 

弓場と京佳の会話が一段落したところで、帯島が立ち上がる。

背筋をピンと伸ばし、京佳へと体を向けた。

 

「京佳センパイ!これからよろしくお願いするッス!」

 

帯島は腰を曲げ、頭を深く下げる。京佳はそれに答えるように、右手を軽く挙げた。

 

「ああ、よろしく」

 

京佳も椅子から立ち上がる。それによって、藤丸は肩もみを中断させられたが、特に気にしてはない様子だ。

たが、ある出来事が発生していたのを帯島は見ていた。京佳が立ち上がる瞬間、藤丸の盛り上がった部分に京佳の後頭部が少し触れていたのだ。先程懸念していた出来事が発生してしまい、帯島は内心ヒヤヒヤする。

しかし、当の本人達はそれを気にしていない。というか気づいてすらいない様子だった。

なんで気づかないんだろう?と帯島は疑問に思うも、口には出さない。帯島は気の使える女の子だった。

 

「訓練室借りても?」

 

「ああ!好きに使えよ!」

 

「あざす」

 

京佳の言葉に、藤丸が反応した。了承を得た京佳は帯島の瞳を見つめ、静かに言葉を紡ぐ。

 

「じゃあ、帯島。とりあえず…今どのくらいデキるのか見せてもらう」

 

「はいッス!」

 

その言葉を吐いた直後、京佳は思い出した。

 

(そういえば、帯島が男子なのか女子なのか聞いてなかったな…)

 

今更聞くのも何か失礼な気がして気が進まない為、京佳は考えるのをやめた。

ーーまあ大丈夫だろ、と。

 

ーーー

 

弓場隊の訓練室に移動した京佳達。

作戦室に作られた住宅街。黒いロングコートに身を包んだ京佳と、弓場隊の隊服に身を包んだ帯島が10m程の距離を空けて対峙する。

その脇、ポケットに両手を突っ込んだまま塀に寄りかかる弓場の姿が。弓場は2人の戦いを静かに見守る。

 

「遠慮はすんなよ。いつでもいい。全力で来い」

 

「はいッス!」

 

京佳は、右手にアサルトライフル、左手に弧月を構えて帯島に向かい合う。帯島は弧月を両手で握りしめ、目の前に立つ京佳に意識を集中させる。

 

(A級1位……そんな人が自分の師匠になってくれるなんて…)

 

帯島は京佳の左肩に視線を向け、ゴクリと喉を鳴らした。

ロングコート左肩には、A級1位部隊所属であることを示すエンブレムが施されていた。

3本の刀と、そのバックに映える三日月。紛れもない、太刀川隊のエンブレムだ。

 

(自分が勝てる相手じゃない。けど…怖気付いたらそれ以前の問題!全力で行く!)

 

帯島は弧月を握る拳に力を込め、全力で地面を踏み込む。

トリオン体による身体能力の向上により、生身では出しえない速度で京佳へと肉薄した。

帯島が振るう弧月を、京佳も同じように左手の弧月で受け止める。数秒の鍔迫り合いの後、帯島の近くに真っ白な立方体が浮かび上がった。

立方体はバラバラと分割され、更に小さな立方体となる。

 

「アステロイド!」

 

帯島が叫ぶと同時、小さくなった立方体が弾丸となり、京佳へと襲いかかった。

 

「シールド」

 

迫り来る無数の弾丸を受け止めるべく、京佳は六角形のシールドを作り出す。

弾丸はシールドによって相殺されるが、帯島の攻撃は止まらない。

京佳の剣を上へと弾き、弧月をシールドへ向けて振るう。シールドは弧月によって砕け散り、弧月の鋒が京佳の首へと向かっていく。

京佳は上体を逸らして迫り来る弧月を避け、右手に持ったアサルトライフルの引き金を引いて反撃する。

連射される弾丸をシールドで防ぎながら、帯島は再度刀を振るった。

 

「悪くない」

 

「ありがとうございます…!」

 

京佳は帯島の攻撃を軽々と弧月で受け止め、静かに口を開く。

帯島は京佳の言葉に対して返事をしつつ、攻撃の手は緩めない。弧月を振るい、アステロイドを放つ。

 

「…が、それじゃ届かないぞ」

 

「…!」

 

しかし、その全てが京佳によって受け止められる。京佳を崩すどころか、会話をする余裕を奪い取ることすら出来ない。今も尚、弧月は軽々しく受け止められ、アステロイドは全てシールドで防がれている。

帯島は、京佳の余裕そうな様子に焦りを感じていた。

 

「…ハウンド!」

 

再び、帯島が立方体を出現させる。立方体な弾丸となるが、先程までとは違って軌跡は弧を描き、京佳の周囲を囲むように射出された。

誘導弾が四方から迫るが、京佳に焦った様子は見えない。バックステップで弾丸の方位から逃れつつ、避けきれないハウンドはシールドで防ぐ。

バックステップで下がりながらも、お返しと言わんばかりにアサルトライフルを乱射した。

帯島は銃口から吐き出されるアステロイドをシールドで防きつつ京佳との距離を詰め、弧月で切りつける。しかし、その攻撃も容易く受け止められてしまった。

帯島の内心に燻る焦りは少しずつ大きくなっていた。

 

(このままじゃ攻撃は通らない…!なら…!)

 

焦った帯島が一方踏み込む。先程よりも力強く振るわれた弧月が京佳へと向かう。京佳はその攻撃を弧月で受け止めるーーのではなく、自らの弧月で攻撃を受け流した。

 

「くっ…!」

 

受け流されることは予想外だったのか、帯島が短い声を上げた。なんとか体勢を崩さないよう努めるが、一歩踏み込んだせいで踏ん張りが効かない。バランスを崩し、上体が前のめりになる。

その隙を京佳は逃さない。

 

「っ……!」

 

迎撃の体勢が整う前に、京佳の鋭い一撃が帯島を襲う。弧月が帯島の体に迫り、肩から先の右腕を切断された。

右腕が切り飛ばされたことにより、右手に持っていた弧月も手放してしまう。京佳の反撃を受け止める術が無くなってしまった帯島に、二の太刀が迫った。

 

容赦なく振るわれた弧月は帯島の胸ーートリオン供給器官ーーを貫く。帯島のトリオン体は、戦闘体の活動限界に達した。

 

『トリオン供給器官破損』

 

帯島の脳内に機械音声が流れ、トリオン体の破損が元に戻る。

勝負がつき、京佳と帯島が向き合う。先に口を開いたのは京佳だった。

 

「どうだった?」

 

「…途中、焦って安易に踏み込んじゃったッス…」

 

京佳の言葉を引き継ぎ、帯島が口を開いた。

今回の帯島の敗因、それは勝負の中盤で決着を急ぎすぎたことにある。

それを自分で理解しているのは良い事だ、と京佳は口元に笑みを浮かべた。

 

「そうだな。俺が余裕そうな態度を見せてたのはその為だ。まんまと乗せられたな」

 

「はいッス…」

 

京佳が戦闘中に口を開いたり余裕そうな態度を見せていたのは、帯島の焦りを煽ってミスを引き出すためだった。そのことを深く受け止めた帯島は俯き、唇を噛み締める。

こんな体たらくでは師匠になることを断られてしまうかもしれないーー。立ち込める不安が帯島の内部を支配していた。

その様子に気づいたのか、京佳が帯島の頭に手を置いて優しく撫で始めた。

 

「…えっ!?」

 

突然頭を撫でられたことに驚愕し、帯島は頬を仄かに染めた。慈しむような手つきで優しく頭を撫でながら、京佳は続ける。

 

「そこまで気に病む必要は無い。動き自体は悪くなかった。お前は絶対強くなるよ。これから頑張っていこうな」

 

「……はいッス!」

 

京佳の言葉を噛み締め、帯島は元気に返事をする。先程までの黒い不安は既に何処かに吹き飛んでいた。

 

「よかったじゃねェか、帯島ァ」

 

「はいッス!」

 

今まで黙ってその様子を眺めていた弓場が口を開き、帯島が元気に声を上げた。

 

「京佳ァ、ウチの帯島を頼んだぞ」

 

「まあ、俺が何かしなくても帯島は強くなりますよ」

 

京佳の返事を聞いた弓場は口元に微かな笑みを浮かべ、帯島も嬉しそうに口を緩める。

帯島は京佳の目を見つめ、先程と同じように深く頭を下げた。

 

「これからも頑張るッス!よろしくッス、師匠!」

 

「ああ」

 

師匠、という呼ばれ方にむず痒さを感じつつ、京佳は静かに頷いた。

 

「まだやれるか?」

 

「勿論ッス!」

 

帯島の返事を聞いた京佳は、再び武器を構える。帯島は真剣な眼差しで弧月を構え、京佳へと向かって行った。

 

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