【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く3   作:タラバ554

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今年も最後となりました!
本作品から見てくれた方も、1から見続けてる方も、ありがとうございます!
しっかり完結させるので来年もよろしくお願いします!


108 おじさんと変身2

力と力がぶつかり合った結果、ヘスティアファミリアの庭に巨大なクレーターが……出来てはいなかった。

流石にあのままぶつかったら被害がデカイのでこの間開発が完了した結界装置を起動した。おかげで庭への被害は殆ど無し。

顔だけ装置向けても壊れてる様子は無いし、負荷は掛かったが一応許容内で無事っぽい。

装置の確認をしていたら対峙していた二人が同時にノックダウン。そしてリリちゃんの変身が解けてローブ姿のリリちゃんが姿を現す。

 

直ぐにヴェルフ君と命ちゃんが来て二人にポーションを飲ませるとふらつきながらも二人共立ち上がった。

 

「凄いですよリリ殿! ベル殿と……Lv5と張り合えるとは! 説明だけでは眉唾でしたが目の前であんなものを見せられれば疑いようがありません!」

「えっ? あ……そう、ですね」

「リリ殿?」

「その……変身して何時もの面子以外とやるのが初めてだったので……本当に出来るとは思って無くて」

 

うーん、これは普段からいじり過ぎた弊害ですね。制作陣で反省会が必要かも。

 

「ほれ、ベル。ポーションだ」

「ヴェルフ、ありがとう」

「で、どうだ? リリ助は」

「凄いよ! 変身する時が絶対隙があると思って攻めたら全く攻めきれない……なんていうか全部当たる気がしないっていうか……当たっても暖簾に腕押しみたいな」

「ソコは明確な弱点だからな。全力で対策したさ」

「それに変身してからが全く別物だった……、いや変身前も絶対Lv2の手ごたえじゃ無かったけど変身してからは絶対lv4か5位あるでしょあれ。本当にどうやったの?」

「そこはホラ……企業秘密って奴だ」

「えー、同じファミリアなのに?」

「だってお前(ベル)ソレ(ピンマイク)付けてるとアッチ(地球)に筒抜けじゃん」

「あ」

 

『その時、不思議なことが起こった』『フラグ立てるなw』『ゴルゴムの仕業か!』『ゴルゴム(おじさん)の仕業だな』

 

「おじさーん、皆からゴルゴムって言われてるよ」

「おっ、待てぇい。不思議な事コメントはマズイ。そいつはリミットワードなので避けて」

 

『リミットワード?』『なんだそりゃ』『詳しく』

 

「説明しよう! リミットワードとは使用者がそのワードを使用する事でベルトの許容範囲を超えて稼働させる為のワード! ワード使用後は変身状態から更なるパワーアップをするが一定時間が経つとシステムダウンするから時間制限&リスク付きの限界突破方法だ!」

 

『クロックアップやないかーい』『そういや彼女(アスフィ)、555を同時視聴でめっちゃ気に入ってたっけ』『555ギミック入れようとして視聴者に安価取ってリリガチ勢が死に物狂いで答えてたっけ』

 

いやそのコメント待って、ソレ(安価)おじさん知らないんだけど。何時の間に安価とか配信とかの技術を仕入れてるんだアイツ……。

まぁアイディアを採用してる時点で悪いもんじゃないと思ったから良いんだけどさ……。

 

「うーん、アスフィちゃんって知らん間に機械操作とか覚えてるよな」

「私が何ですか?」

 

声を掛けられた事に驚いて後ろを勢い良く振り返るとそこには話題の彼女が。

 

「出たなゴルゴム!」

「誰がゴルゴムですか」

 

『いかん!開発陣(三バカ)が揃ったぞ!』『オタクが加速する』『もう駄目だあ、お仕舞だあ』

 

「早くもこの配信は終了ですね」

「いや、終わりにしようとするな、主神(ヘスティアちゃん)

「そうですよヘスティア様、一部の方々(コメント)は盛り上がってますよ?」

 

◆◆◆◆◆

 

休憩を兼ねてコメント返ししながら開発に関してあーだこーだと言う……とか格好良く言うがぶっちゃけオタク話だ。

 

「いやー、リリちゃんの変身が問題無さそうで良かった」

「ま、アレでダメなら訓練が増やされますからね」

「それでも魔法の雨霰の中での変身は今でも無茶だと思いますが」

 

思い出されるのは変身の特訓。最初はヴェルフ君と戦闘しながら変身を重ねて、そこにアスフィちゃんが加わり、おじさんが加わり。

最後には全員で魔法やら魔剣やらアイテムを全力で使ってる最中での変身を成し遂げたリリちゃんだ。アレを止めるのは並大抵では無理なはず……Lv6以上なら割とどうにかなるかもしれんが。

ソレまで求めるのは辞めておこう。

 

「んで、地球側からしたら今回の配信はどうなの? ボク等からしたらリリルカ君のお披露目で楽しいんだけど」

 

配信する側として内容を心配しているヘスティア、この辺は何と言うか彼女らしい。ちょいちょい周りを気に掛ける所とか。

 

『変身ベルトが欲しいです』『地球にも仮面ライダーを!』『怪人への変身も可能ですか?』『オレは美女になりたい』『ウルトラマンかなー』『皆無茶苦茶言うww』

 

「うーん、おじさんなら出来るんじゃないの?」

「『うるとらまん』というのが分かりませんが……他のはおじさまなら出来る様な気がします」

 

『おじさんはゴルゴムだった?』『いや、この場合ショッカーでは?』『改造手術が出来るヤベーやつ』『ボ卿じゃねーか』

 

「実際リリルカ君の改造したのおじさんだしね」

「強くなる為にリリさまはおじさまにお願いしましたからね」

 

『子供を改造? 事案では?』『おまわりさん、コイツです』『でも仮面ライダーへの改造手術なら受けるだろ』『それはそう』

 

「実際強くなったよ。彼女はまだlv2なのに手加減してるとはいえlv5の攻撃を捌いたんだし……春姫君ならどう?」

「私ですか……素のリリさまなら何とか。ですが変身されたら流石に難しいかと」

「だよね、アレってレベルブーストに近いよ」

「いえ、むしろアチラの方が上位互換ではないでしょうか?」

「そうなの?」

「レベルブーストは上昇後にステータスオール0の状態と同等になります。ですが先ほどの動きを見る限りそういったモノも無さそうですから」

「なるほどねぇ……制約がある分、伸びるって感じなのかな」

 

容易していたお茶を飲みながら手持無沙汰になってた命に話しかける。

 

「命君はどうだい? 今のリリルカ君を見て」

「そうですね……Lv2の頃の私と比較しても強い。下手すると今の私(Lv3)より素で強いです」

「命ちゃんより?」

「ええ、春姫殿もlv2では大概な強さを手に入れましたがアレはそれ以上です。特殊装備抜きにしてもおじ殿の手腕はやはり恐ろしい」

「おじさんって妙な所でブレーキ壊れてるからね……普通に過ごしてる分には普通なのに」

 

ヘスティアの言葉に頷く二人。それに対してコメントが流れる。

 

『そういや本だとおじさん出てこないよな』『登場人物に乗って無いからな』『実際の所、おじさんはどれ位動けるんだ?』『サスケじゃやらなかったしな』

 

「サスケ……あー、そっち(地球)でやったアスレチック!」

「アレですか……初見だった為にあれだけ時間もかかりましたが今ならもっと早く!」

「一番手の命君だとどうしてもね」

「アレは私もPCで拝見してました。命ちゃん格好良かったよ」

「あはは、面と向かって言われると照れますね……」

 

『キタコレ』『ぬっ!』『ユリの花が咲く』『挟まりたい』『片方人妻やぞ』『狐耳人妻百合っぷる』『属性過多w』『誰か描けよ』

 

◆◆◆◆◆

 

オタク話に華を咲かせていたら何故かおじさんとリリちゃんが戦う事になっていた。何故……。

 

「まあイイか。んじゃ10分位流しながらやろっか」

「はい、お願いします」

 

カメラはベル君に変わり一応簡単な撮影方法もレクチャーしといたので撮れるはず。

おじさんは盾と武器無し。リリちゃんは魔月あり。最初はリリちゃんに合わせた速度で……おじさんストライクを単発撃ち。

撃つ度に地面が凹むがリリちゃんはきっちり避ける。う~ん、本当に避けるの上手くなったなぁ。

 

配信映像の中ではおじさんが殴り蹴り、それをリリ助が捌いている。当然避け切った攻撃は地面に当たるが当たった所が抉れてしまっている。こりゃ片付けるのに手間がかかる。

そんな映像を見てコメントは盛り上がって……無かった。

 

『なんだコレは』『腹の出たおっさんの攻撃が異常に強い件』『え? あの人本当に地球人?』

 

おじさんって最近表でドンパチやってないからな……ましてや配信だと戦闘シーン無かったからどれだけ動けるかなんて俺達(オラリオ)しか知らんのも無理はない。

 

「地球だとおじさんってどういう扱いになってるの? 因みにこっちじゃ数少ないlv5でオラリオでも数は限られてるんだけど」

 

『行動力のあるオタク』『金持ち』『ある意味唯一の男』『ハーレム野郎』『異世界ギルド社長』『マジカルマッサージ師』『ポーションの元締め』『世界一狙われてる男』『リアルボンドルド←NEW』

 

「え"っ、そんな感じなのか……ハーレムは、まあ、イシュタルの所の子とか、何なら春姫君もそうだから分かるけど」

「ヘスティア様!?」

「マジカルマッサージって? おじさんってソッチで何かしてたっけ?」

 

『表立っては無い』『一応無い』『公然の秘密的な』『会社の奴が言う位』『おっさんに触られると激ヤセするとか』『ソコの所どうなん?』

 

「あー……本人が何も言ってないならノーコメント!」

「ヘスティアさま、それは語るに落ちると言うやつでは」

「おじ殿も大変ですな」

 

『【速報】おっさん、痩せる秘密を握っている』『もう何でもありだな』『あいつ一人でいいんじゃないか』『変身しないおっさんが一番チートっていう』『本当に何者なんだおっさん』

 

 

 

コメントがそんな事になっているとは想像してもいないおじさんとリリ。

二人の攻防は段々と激しさを増し、戦闘時間が9分を超える頃にはリリはボロボロになっていた。

 

「ッハ ッハ ッハ やはりおじ様の攻撃を流しきるのは ッハ 無理があります」

「いや、十分だと思うんだけど……おじさんコレでも最近深層で頑張ってたんだけどなぁ」

 

あ、おじさんが割と落ち込んでる。リリの防御が思った以上だったのか攻めきれなかったのが悔しいらしい。

リリって打点をずらすのが上手いんだよね……さっき戦った時もナイフが当たったと思ったら逆らわずに逸らされるから手ごたえが薄いし。

そんな風に思っていたら10分をセットしていたタイマーがなった。

 

「おっと、もう10分」

「ではここからは……リリは変身させてもらいます!」

「おっけー、んじゃこっちも」

 

そう言っておじさんが何かを取り出し……え?

 

「んなー!? 何でおじ様がベルトを付けるんですか!」

「いや、だって『コレ(エネルギー変換ベルト)』を開発する為の『ソレ(変身ベルト)』だから……」

「えぇっと……おじさん、つまりソレは変身の為じゃないの?」

 

思わず声を掛けてしまったがどうやら疑問を持ってるのはソレ現場組(オラリオの面々)だけじゃないようでコメントでも大量に問いが投げかけているらしい。

ヘスティア様がグッジョブのポーズを此方に投げかけてる。

 

「うん、だっておじさん防具とか持ってねーし。装着する装備って特に無いから。むしろ弱点克服の為のベルトだし」

 

その回答にほっとしたリリに対してベルトの制作者であるアスフィさんが問題発言を返して来た。

 

「おじさん、ソレ変身機能を搭載してますよ」

「「え?」」

 

疑問を投げ返したのはリリとおじさん。目を開いて驚いているのは僕、ヘスティア様、春姫さん、命さん。

逆にヴェルフは当然といった顔で何やら箱を取り出してる。

 

「そんでもってコイツがおじさん専用の武器だ」

 

投げ渡されたモノをキャッチするおじさん……柄??

 

「そいつは変身中にだけ使える様に設定してある。おじさんならエネルギー問題は殆ど無いからな。リリの方に実装しようとしたら出力が足りなくてなー」

「だからあれほど最初からリボルケインを開発すべきだと言ったのです」

「だからありゃエネルギーがそもそも無けりゃ意味が無いんだよ!」

「そこをどうにかするのが貴方の仕事ではないですか!」

「なにを!? アレだってバランスよく仕上げるのにどれだけ苦労したと思ってるんだ!」

 

ヴェルフとアスフィさんが言い争ってるがおじさんは投げ渡された柄を色々弄ってから呆れた顔をしてる。

 

「開発リソース無いって言ってたのに何でこんなの作り上げてるかなぁ」

「あ、ソレは勿論ソレ込みの開発スケジュールだからです」

「……次やったらコレにかかった費用をソッチに回すからね?」

「安心してください! 自費です!!

 

あ、おじさんが頭抱えた。

 

 

 

唐突な告白に場が混乱したので暫し休憩を挟んだ後、リリとおじさんが再び対峙する。

 

「ではおじさん、宜しいですね?」

「おー、何か精神的に疲れはしたけど、嬉しい側面もあるから頑張る」

「何か反応が難しいですが……行きます!」

 

二人が鏡合わせの様に変身ポーズを取る。どちらも同じポーズ、同じ流れで身体からオーラが溢れる。

違いはオーラの色、リリの白いオーラに対しておじさんが纏うのは濃い緑のオーラ。

やがて二人の所作は完了を迎え、キーワードが発せられる。

 

「「変身」」

 

一瞬の輝きの後に訪れる変身した姿。リリの居た所には当然僕と戦った時の白い騎士を思わせる姿のリリ。

対するは緑と黒を基調としたとてもゴツくて、大きいシルエット。何よりもソレは初代の姿。

 

『一号だ!』『帰って来た一号じゃねーか!』『本郷!』『本郷猛!』『リアル一号かよ!』

 

コメントでも大いに盛り上がってるし、何なら僕もちょっとテンション上がってる。何せリリの改造計画を行う事前説明の際にライダー作品は紹介されて休日じゃ皆でライダー作品を消化してたから猶更だ。

 

「アスフィくん……アレって『仮面ライダー1号』?」

「そうですヘスティア様。おじさんのベルトを作る時にやはり原点を踏襲するべきだと、そうヴェルフと話して決めました」

「いやー、リリ助の装備を作るのにどうしても練習が必要で……ついでならちょっとやってみようかと」

「それでアレをおじさんに?」

「本当はあそこまでやるつもりじゃなかったんですよね。別途装備として作って渡せば良かったんですが」

「折角作るならサプライズの方が楽しいじゃないですか」

「とまあ、こういう訳でして……」

「何か、アスフィ君さ……ヘルメスに似て来たね」

 

ヘスティア様の一言で膝をつき、地に沈むアスフィ。

コチラの騒動を無視してライダー同士の戦いは進む。

 

おじさんのオーラを纏ったパンチとリリの魔月がぶつかり拮抗する。たまらずリリが距離を取るがおじさんは割と平然としている。

直ぐに高速移動を開始してかく乱を始めた。最初こそおじさんもソレを受けていたが途中からおじさんも高速移動を開始して……というか空中でも軌道を変えてるのでリリが追い付けてない。

壁が無い分リリの方が不利に働いてる。

 

リリが小柄なのも相まって頑丈そうだ。見るからにパワータイプで重心もしっかりしてる。

カメラを回しながら変身したおじさんの攻略を頭で考える。

元々がパワータイプで一撃離脱型、負傷したら再生が出来て継続戦闘能力が高い。

アタッカーとヒーラーを兼ね備えた複合タイプでエネルギーが枯渇すると一気に戦闘が維持出来なくなるのが弱点だったけど、それがベルトで……?

あれ? コレってリリの勝ち筋はどうやれば?

 

僕がそう考えているとリリが仕掛けた。

 

「その時、不思議な事が起こった!」

 

リリがそう唱えた途端、リリの左胸に刻まれたヘスティアファミリアのエンブレムと右手に持つ魔月が輝き出す。

次の瞬間にはリリの身体は僕の目でもギリギリ軌跡が見える程に加速し、おじさんの後ろを取る。

完全に入ったと思った炎を纏った斬撃は、おじさんが前を向いたまま後ろ手に構えた光の剣に阻まれた。

即座に離脱するリリ、振り向きながら剣を構え直すおじさん。二人の剣は纏う炎と光を反発させ、まるで稲光を思わせる音をたてながら離れた。

そこからは完全に光と音の乱舞だった。リリがかき回し、あらゆる方向から炎の軌跡を残しながら斬りつける。

その悉くをおじさんは受け止め、切り返す。おじさんが振るう光の剣は独特の駆動音を鳴り響かせながらじわじわとリリを追い詰める。

やがてエネルギー切れを起こしたリリは変身が解けてしまったが、おじさんは剣を構えたまま。

 

決着がついて直ぐに二人にポーションを差し入れしたが、なんとおじさん肉がごっそり減ってた。

 

「いや、このライトセイバー燃費悪すぎるって。刃物もおじさん苦手……ってか刃が無いしさぁ」

「ん-、ダメっすかね?」

「いや、火力面で見れば強いけどもうちょっと燃費を良くしてくれないと完全に決戦装備だよこれ」

「要改善か」

「データだけ取れたのでヨシとしましょう」

「つーかはよライドマシン完成させようぜ」

「「ソレはソレ、コレはコレ」」

「お前ら……」

 

何時も通りだから、まあ良いのかな?




正式稼働となった仮面ライダーリリルカ・アーデ

サプライズされるおじさん

次回、おじさんと粛清
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