【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く3   作:タラバ554

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12 おじさんと戦争

おじさんが精霊ちゃんを連れ帰って数日、未だ精霊ちゃんは起きない。

幸福脂肪を使った感じでは体に異常は無し……となると体以外の所が問題か?

取り合えず精霊ちゃんが眠り続ける以上、その間の体のケアはおじさんの仕事になる。といっても基本はスキル使って調子を見て、足りない栄養素をおじさんの体から都合すりゃ良い。

その結果おじさん一人が爆食い。見慣れてるヘスティアちゃんとベル君が引く程には食べている。

 

「おじさん……君そんなに食べて平気なのかい?」

「ん? まぁ二人分だからしゃーないて」

「いや、明らかに二人分じゃないんですが……」

「しかしなぁベル君、あの子の体って燃費悪いのか一日でエネルギーごっそり減るのよ」

「そうなんですか?」

「おじさんの世界で言えば成人女性の5~6人分を寝てるだけで消費してるね」

「それは……凄いですね」

「5~6人分って彼女大丈夫なのかい?」

「その為におじさんがこうやって食べて、彼女に提供してる訳よ」

 

そう言って食事を再開する。精霊ちゃんを連れ帰ってから食事してるだけで一日が過ぎていく。

まぁそれもあと一週間程だと思う、消費エネルギーが段々となだらかになり始めているのだ。

 

「って訳でもう暫くはおじさん食事する毎日なので、ダンジョンへは付いていけないかな」

「それなら大丈夫です、今は僕もPTを組んで3人でダンジョンに潜ってるんですよ」

「へぇ、おじさん居ない間にメンバー増えたんだ?」

「はい、ヴェルフって鍛冶師なんですよ」

 

楽しそうにメンバーの事を話すベル君を見ながら時折相槌をうつ。そうしていると二人が出勤とダンジョンに行く時間が迫って来た。

一度食事を止めて二人を見送る。

その後は一度精霊ちゃんを診て、スキルで栄養を送ったらまた食事。

只管食べて寝てスキルで調整してを繰り返して、夜は精霊ちゃんの居る部屋で寝起き。

そんな日々が暫く続いていた中、ソレは唐突に起きた。

 

◆◆◆◆◆

 

「ベル君が戻ってこない?」

「あぁ、この時間には普段戻ってきてるはずなのに」

 

時刻は既に夜に差し掛かる時間。辺りも暗くなり始め次期に夜だ。

確か中層の浅い階層で活動してるって言ってたから一応日帰りの範囲……。安全マージンの大切さは教え込んだし今までトラブル無く戻ってきてたベル君が唐突に変更するとも考えにくい。

 

「こりゃ何かあったな」

「おじさん、どうしよう……ベル君が」

「待て待て、先ずはギルドで確認してみよう。……正直留守にはしたくないから本当にトラブルなのかを見極めたい」

「……うん、そうだね」

 

ヘスティアちゃんも察して精霊ちゃんを見る。流石に寝たきりの子を置いて行くのは気が引けるのだろう、正直おじさんはソレは嫌だ。

ベル君と精霊ちゃんを秤に掛けると多分精霊ちゃんを選ぶぞおじさんは。

とは言え、ソコまで切迫してない今ならベル君を助けたいのも事実。ホームにしっかりと鍵を掛けてからヘスティアちゃんと共にギルドへ向かう。

 

◆◆◆◆◆

 

ギルドで確認してみたがやはり戻って来た記録は無かった。捜索依頼は一応出して、一度戻って対策を立てようとした所、ホーム前に集まっている複数のファミリア。

どうもヘスティアちゃんと親交のある神らしいのでホームに招いて居間へ通す。

 

話を聞けばどうやらタケミカヅチファミリアのメンバーがベル君達にMPKをしたらしい……。

何とも反応に困る。頭をかいているとヘスティアちゃんが決定を下した。

彼らと協力してベル君を助けに行くっぽい。

 

「おじさん……君は力を貸してくれるかい?」

「う……う~ん」

 

正直困った。力を貸してやりたいが精霊ちゃんを置いて行くのは個人的にアウト。

だがベル君は助けたい……おんぶに抱っこで行くしかねぇか。

 

「OK、彼女を背負って付いて行くよ」

「ありがとう! 心強いよ!」

 

そうしている所に別の神がホームに入って来た……何やコイツ。不法侵入やんけ。

 

入って来た神はヘルメス。どうも捜索依頼を受けてきたらしい。

色々と話をしたがベル君捜索の一助になると話が纏まった。準備をしようと席を立ったらヘファイストさんに呼び止められた。

 

「おじさん、貴方の盾を貸して」

「へ? この間メンテナンスしたばっかりですよ?」

「違うわ。ウチの子を助ける為にも私も力を貸すわ。貴方の盾をレベルアップさせましょ」

「お願いします」

「えぇ、直ぐに終わらせてくるわ」

 

◆◆◆◆◆

 

準備は夜明け前に整った。

おじさんは背中に精霊ちゃん。おじさん棒にレベルアップした丸盾。ついでに預かった特大剣。

最終的にそこそこの人数でダンジョンに潜る事に。

ヘスティアちゃんと相談して10階層までテレポーテーションで移動する事も考えたが、万が一を考えて地道に徒歩での移動となった。おじさんは精霊ちゃん背負ってるからいつも通りの動きが出来ないので機動力はソコソコでしかない。

しかし助っ人の中にlvが高いのが居るので道中の敵は全部お任せ。おじさんはほぼ何もしない。

バックアタックされた時はミニストライクかゲンコツワンパンで潰す。

普段通りの動きが出来ないのは予想以上にストレスかも……。

 

何だかんだで中層へ辿り着いた。MPKしたとされる現場へ。

 

当然ベル君達は居ない。状況を整理して話してみるとどうやら下へ進んだと見ていい。

結局18階層まで進む事が決定した。

 

◆◆◆◆◆

 

特に問題無く辿り着いた17階層、しかしここで問題が一つ。階層主がリポップしている……。

デカイ、硬い、通行の邪魔。精霊ちゃんを安全に運べないって事でおじさんがヤル事に。

 

「あの……おじさん」

「何? アスフィちゃん」

「ちゃん……あっいえ、どうやってゴライアスを討伐するつもりです? 貴方は基本近接戦闘と聞いていますがその人を背負った状態では……」

「どうって……こうやって。

 

火よ、来たれ──

猛よ 猛よ 猛よ 炎の渦よ 紅蓮の壁よ 業火の咆哮よ 突風の力を借り 世界を閉ざせ 燃える空 燃える大地 燃える海 燃える泉 燃える山 燃える命 全てを焦土と変え 怒りと嘆きの号砲を 我が愛せし英雄の命の代償を──

代行者の名において命じる 与えられし我が名は火精霊 炎の化身 炎の王──

【ファイアーストーム】」

 

降り注ぐ特大の火球群。一発一発が地面を壁を、そしてゴライアスを削り取っていく。

うむ、やっぱり精霊ちゃんが居ればおじさんの【精霊魔法】は発動する。とは言えマインドごっそり減るわぁ。

全身がズタボロになって死に体のゴライアスに近寄りバレットストライクを決める、

断末魔を上げる事も出来ずに塵になったゴライアスを後目に皆に向き直る。ヘスティアちゃん以外、皆目が点になってるがそんな事気にしている暇はこっちには無い。

 

「よし、んじゃ進もうか」

 

「……なぁヘスティア」

「何だいヘルメス」

「マジであの子って何?」

「ボクの眷属第一号でウチの副団長だよ」

「アレを押さえてベル君が団長やってるの……?」




ベル君の救助に行くことになったおじさん、精霊ちゃんを置いて行く事も出来ないので背負っていく事に

次回、おじさんと戦争2

おじさん「自重は投げ捨てた」
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