【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く3   作:タラバ554

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18 おじさんとウォーゲーム2

ウォーゲームが始まった。メンバーはベル君、リリルカ君、ヴェルフ君、命君、それにおじさんの5名。

正午になり開始の銅鑼が鳴らされる。……頼んだぜ、皆。

 

◆◆◆◆◆

 

ウォーゲームが開始されたのを確認してからおじさんは城から1キロ程離れた場所で準備をしていた。

 

「あの……おじさん」

「何ベル君」

「作戦はアレで良いんですよね?」

「おー、命ちゃんがヴェルフ君の魔剣で大暴れって奴っしょ? 良いよ?」

「それでおじさんは何を……」

「コレ? 迫撃砲って言う奴。まあ1発目で壁ぶっ壊したら2発目以降は中身は変えるけど」

 

そうこう言ってる間に準備が整った。何度も練習したのでほぼ当たるでしょ。

1発目、いきまーす。

 

◆◆◆◆◆

 

神々が見ている鏡に映るおじさん、そして轟く音と爆発。

 

「ヘスティア! これは違法行為だ!」

「……君は何を言ってるんだい?」

 

席から立ち上がったアポロンが唾を飛ばしながら声を荒げる。汚いなぁ……。

 

「あの男は君のファミリアじゃ無い! ギルドに登録されていない人間を使うなど今回の協定に違反している!!」

「それなら問題ないよ。おじさんはウチのファミリア所属だ。ギルドに問い合わせても良い」

 

そう言うと周りの神々がざわめき出す。

 

『おい、アレって超反射だろ?』『ヘスティアファミリアに入ったのか?』『ギルドに問い合わせても情報開示されて無かった奴だろ』『ウチの奴、アイツに助けてもらった事あったぞ』『ヘスティアの所に行けばスキル使ってもらえるか?』

 

「ぐっぬぬぬ、一体どうやって超反射を引き込んだのかはこの際良いだろう……。だがソレでも所詮5人! この人数差をひっくり返せるはずがない!!」

 

◆◆◆◆◆

 

「お~、着弾綺麗に決まったな」

「凄い……こんなに離れてるのに」

「よし、次はコレ」

「……何か凄く赤いですね」

「ふふふ、こいつは痺れるぜぇ~?」

 

シュポン! とちょっと間の抜ける様な音と共に飛び出す赤く塗られた弾は山なりの起動を描き城の上空へと到達。

それに合わせておじさんは取り出したスイッチを起動させると弾が破裂して中から真っ赤な煙が姿を現した。

 

「おじさん、アレって?」

「あれかい? とうがらしパウダー……その名もペッパーXだ」

 

◆◆◆◆◆

 

上空から降り注ぐ赤い煙、それを吸い込んだ途端アポロンファミリアの団員は全員が激痛に襲われる。

体の中からくる激しい痛み。溢れ出る汗と涙。辛さから咳こむがそうする事で更なる激痛が発生する。激痛の無限ループになってしまった外周に居たメンバーは持ち場から一歩も動く事無く倒れ伏していく。

 

「それじゃコレ、リリちゃんにも持たせた防毒マスク。野外だから辿り着く頃には風で流されてると思うけど屋内に入るまでは付けときな」

「ありがとうございます」

「いやっしっかしえげつないな」

「あんなモノを使われたらマトモに呼吸もできないでしょうね」

「言うて屋外だから冒険者ならワンチャン立ち上がる可能性は在るんだよね、普通の唐辛子パウダーと比べて35倍位の辛さとはいえ、所詮唐辛子だし。追撃も必要だしさっさと行こう」

 

◆◆◆◆◆

 

「あっ、ありえない……何なんだアレは! 超反射があんな武器を使うなんて聞いたことが無いぞ!」

「下調べが足りないんじゃないか? アポロン。おじさんは元々ああいう感じだぜ」

「ヘッ、ヘスティア! 私をハメたな?!」

「はぁ!? 馬鹿言うんじゃない! 戦争を仕掛けてきたのはそっちじゃないか! ただでさえ胃が痛いのに厄介ごとを持ち込んで!」

 

ギャーギャー言い合うアポロンとヘスティアを見ながら結末の見えているロキは今回の賭け事で稼いだあぶく銭をどうするかを思案していた。

 

「(色んな酒を買うのもアリやな。ガレスの奴がおじさんと取引してるとも言ってたしウチも一枚かませて貰おうっと)」

 

◆◆◆◆◆

 

城へ到着したおじさん達は変身していたリリちゃんから情報を受け取って敵団長の居る塔へ向かう。その際命ちゃんは倒れ伏しているメンバーを魔剣を使ってキッチリ〆てもらう。

場内にちらほら居る敵はヴェルフ君、ベル君が基本対応。ソレをすり抜けておじさんに近寄って来た敵には缶詰爆弾を投げつける。

 

缶詰が飛んで来た敵は手持ちの武器でソレを叩き斬る。

その瞬間、途轍もない異臭が発生する。

そう、シュールストレミングである。

 

内容物をモロに浴びた冒険者は阿鼻叫喚し、周囲に居た人間は敵味方含めて一斉に鼻を掴んで壁際まで逃げる。

戦闘すら一時中断する始末。……実はコレが世界一平和になる交渉方法なのでは?

おじさん? 防毒マスクを脱いでないもの。

 

「おっ、おじさん……ソレって」

「缶詰爆弾。あと10個位あるけど……投げる?」

 

敵も味方も一斉に首を横に振っている。

うん、道を塞がなければおじさんもこんなモノは使わんのよ。




魔法が無くてもBC兵器を使えばいいじゃない!

現代のBC兵器(笑)が火を噴く!

次回、おじさんとウォーゲーム3

味覚破壊爆弾
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