【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く3 作:タラバ554
待っていた彼が来た。
「初めまして、ベル・クラネルです」
何者にも染まってない、周りを魅了する彼が来た。
「初めまして、おじさんだ。ヘスティアファミリア団長。そして今日からは副団長」
「へ?」
「今日から宜しく、団長♪」
「えぇええええ?!」
これはおじさんとベル・クラネルが会った最初の会話だ。
◆◆◆◆◆
ヘスティアちゃんにホームへ連れてこられたベル君にケーキを出して歓迎する。ヘスティアちゃんはお茶を入れてる最中。
「何で僕がいきなり団長になるんですか!?」
「嫌? 団長」
「嫌というか……何で入ってきたばかりの僕が団長になるんです? 唐突過ぎて理解が追い付かないですよ」
「人生そんなもんだよ。ちゅー訳で、団長権限でベル君を団長に任命します」
「そんなぁ~~~~!」
「あきらメロン。どうしても辞めたいなら代わりの人間を見つけるこっちゃ」
ソファでがっくりと肩を落とすベル君。そこへ紅茶を入れたヘスティアちゃんが戻って来た。
「ベル君、おじさん君は唐突に良くわからない事をやる。まぁ半分くらい意味が分からないけど結果だけを見ると大体いい結果になるんだ」
「神様」
「まー、ある程度諦めてしまった方が楽だ。それにたとえ道中が苦労の連続でも大体おじさんがどうにかしちゃうんだよねぇ」
「どうにかですか?」
全員分のお茶を入れてヘスティアちゃんがベル君の隣に腰かける。
「……まぁベル君なら大丈夫! ボクは信じてるゼッ!」
「それ大丈夫じゃない人が言う奴じゃないですかーーー!」
若いなぁ。
◆◆◆◆◆
「へ~、ベルくんはおじいさんの言葉を切っ掛けにオラリオに来たんだ……っと、お茶切れちゃった、お代わりを入れてくるよ」
「あっ、僕が……」
「良いの、良いの。ボクが入れたいんだ。ベル君は座ってな」
キッチンへ向かうヘスティアちゃんを見送りながら追加のクッキーを出す。
「そういやベル君は入団で見た目のせいで断られてたって言ってたけど理想の自分ってあったりすんの? ガタイがデカくてごっつい感じとか、細身のマッチョとか」
「おじさん!僕のベル君をそんな風にするのは駄目だからね!」
キッチンからヘスティアちゃんの声が響く。地獄耳か。
「うーむ、先にくぎ刺されちまった」
「どいうことです?」
「おじさんのスキルにそういう奴があるのよ。意図した体形になるやつが」
分かって無くきょとんとしとる。
「そうなんですか?」
「良くわかってないっぽいな……おーいヘスティアちゃん! ちょっとこっち着て!」
「えー? 今お湯作ってる最中なんだけど」
「ベル君を悩殺しないの?」
「今いきます!!!!!!!!」
いや、はえーよ。せめて火を消せ、火を。
◆◆◆◆◆
「ふふぅ、ベル君~。どうだい、この姿のボクは?」
そう言いながらベル君にしな垂れかかるヘスティアちゃんは身長160cm程に背を伸ばしている。
「あっあの……」
自分と同程度まである身長の神(巨乳)に寄りかかれるのは少年に刺激が強かったか? いいぉヘスティアちゃんもっとやれ。
「うーん、やっぱりもっと高身長が良いのかい? おじさん、頼む!」
「あらほいさっさ~、増し増しでーす」
そう言って庇護脂肪を使えば現れるのは180cmを超え、高身長かつ更なるプロポーションを持つヘスティアちゃん。
これで興奮しないオスは早々居ない、ちなみにコレでも駄目だともう見るバイアグラって感じのプロポーションに昇華させるしかないが……リアルエロゲーになるので基本封印してる。
「~~~~~~~~~~~っ!!!!!!!!」
「おぉ、『こうかはばつぐん』だ。んじゃ、ヘスティアちゃん後はよろー」
「っは!? え? おっ、おじさん何処か行くんですか?」
「おじさん、馬に蹴られる趣味は無いから、んじゃ半日位出かけてるわ」
「よーしベル君! ボクと君の絆をもっと深めようじゃないか!」
ヘスティアちゃんにグッドサインをして見せるとにやけ顔でグッドサインを返して来た。ヘスティアちゃん、ベル君を胸に埋めるのは良いけど窒息させるなよ?
「あぁっ!ベル君?!」
◆◆◆◆◆
鈍感主人公をマシにする荒療治を施した翌日。さっそく冒険者登録にギルドへ二人して向かう。
到着するとエルフの子がベル君に話しかけて来た。なんでもオラリオに来て直ぐギルドで対応してくれた人だとか。
「初めまして、エイナ・チュール。ハーフエルフです」
まさか握手求められるとは思わなった。右手を差し出しながらソレに答える。
「初めまして、ヘスティアファミリアのおじさんです。ベル君の冒険者登録に来ました」
「承知いたしました、では此方へ」
ベル君に書類を書かせながら分からない所をちょいちょい指摘する。30分もせずに書類は完成。
「これで僕も冒険者なんですね」
「おめでと、そしてようこそ。バチバチのヤクザ商売へ」
「へっ?」
「ベル君は認識甘々だから最初が肝心、つー訳でエイナちゃん、ちょっとベル君にダンジョンの常識を叩き込んでもらえる?」
「はい、勿論」
にっこり顔のエイナちゃんに腕を引かれて連れていかれるベル君。まぁ数日は座学やろな。
◆◆◆◆◆
ヘスティアファミリアのホームでちょっと豪華な晩餐
「それでダンジョンへの許可は?」
「はい! 問題ないと太鼓判押してもらえました!」
「ついにベル君もダンジョンデビューか……長かったねぇ」
まさか1か月も座学から抜けれないとは……どうやら常識的な部分も色々教わったらしい。
まぁ田舎暮らしからオラリオに来ればその辺の知識も必要になるか。そう思いながら晩飯を食う。
「冒険者なら簡単な計算くらいは出来ないと駄目って……それに常識が無いと騙されるからって……」
「そりゃエイナちゃんが正しい」
「ベル君って基本純粋だからねぇ」
「おーっし、じゃあ明日早速行ってみるか」
「はい!!」
◆◆◆◆◆
バベルの前で
「さて、ダンジョンを前に細かくごちゃごちゃは言わん。一つだけ、『生き残れ』」
「はいっ!」
ギルドから支給されたナイフを手にゴブリンとやりあってるベル君。後方から来る増援をおじさん棒で潰しながら見守る。
何というか危なっかしい。最初の一匹目ってこんなもんだっけ?
思案しているとベル君の初戦闘が終わった。
「お疲れ様、どう? ダンジョンでの初戦闘」
「おっ、お疲れ様です。……怖かったです、死んじゃうかと思いました」
「そりゃ殺しにきてるよ。向こうも殺されたく無いんだから」
息が上がってるベル君を見ながら帰宅を促す。
「んじゃ、取り合えず帰るか」
「えっ、まだ一匹しか倒してないですよ!?」
「手が震えてる内は無理っしょ。時間置こう」
指摘されて初めて震えに気づいたベル君はホームに戻るまで無言だった。
◆◆◆◆◆
ホームに戻ってベル君をソファに座らせてココアを入れる。ちょい顔が青白い。
「どう? 冒険者やれそう?」
「何か思ってた以上に凄かったです」
「感じるものがあったならそりゃよかった。ヤクザな商売だったろ?」
「そうですね……今更ですけど……ちょっと怖いです」
ココアを手渡して隣に座る。
「こればっかりは周りが言ってもしょうがない。自分で乗り越えるしかないね」
「……はい」
膝を叩いて空気を換える。
「よし、話題変えるか。ベル君はどんな女の子が好きなの」
「えっ、ええ?!」
「ヘスティアちゃんの素と中と大、どれが好みだったよ。なんならもっと細かく調整が利くんだぜ~」
「あっいや……僕は……」
「まぁ具体例も無いと難しかろう……そんな君にコレを授けよう」
「こっこれはっ!!!!!!」
◆◆◆◆◆
やっぱ野郎でシモの話すると結束が固くなると思いました。
地球の各種属性のエロ本+オラリオの各種族のきわどい写真集は彼の性癖を大変歪めたかもしれんが……英雄色を好むって言うし平気平気。
因みに後日ヘスティアちゃんに一部エロ本をテーブルの上に並べられていたベル君は泣いて良い。
体をほぐして今日も元気だギルドに行こう! おじさんは今日もクエストを受ける。
次回、おじさんとギルド
おじさん? アレはそういう生き物なんですよ。