【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く3   作:タラバ554

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20 おじさんと娼館

新しいファミリアのホームに引っ越して数日。何だか新団員とか募集してたけど盛大に失敗したとの報告がリリちゃんからあった。

しかも原因がヘスティアちゃんの借金だとか。

 

「いくらだったの?」

「ベル様のナイフ代で2億ヴァリスだそうです」

「へー、そうなんだ」

「ヘーではありません! あんな金額を隠しておくだなんて信じられません!」

「でも最終的にファミリアでどうにかするってなったんだ」

「えぇ、ベル様の装備ですし皆で返済しようって事になりました」

 

おじさんは最近精霊ちゃんと引きこもってるからな。しかし借金ね。

 

「じゃあコレをリリちゃんに預けるわ」

「へ?」

 

そう言って隣の部屋に置いていた大型金庫まるごと渡す。

 

「これは?」

「中に希少金属をアホ程詰め込んでる。うっぱらうなり、ヴェルフ君が使うなり好きにすると良い」

「良いんですか?」

「ファミリアで背負うって話になったんでしょ。ソレ全部売れば2億ならギリ足りない位にはなるんじゃね?」

 

少し考える素振りをしてからリリちゃんが口を開く。

 

「……いえ、これは保険にしましょう。少しヴェルフ様と話して鍛冶に使うか聞いてみます」

「ん、好きに使って良いよ」

 

◆◆◆◆◆

 

そんな話をした翌日、ベル君が朝帰りをしてきた。

玄関で正座をさせられてだが……。

 

「……ヘスティアちゃん」

「何だいおじさん」

「赤飯炊こう!」

「おじさん!?」

「あのピュアボーイが朝帰りだぞ! こりゃ赤飯だろ!」

「おじさん殿!」

「どした命ちゃん」

「煮豆も作りましょう!」

「おぉ良いな! 折角だし和食全開にしよう!」

「こりゃ今夜は旨い飯が食えるな? ベル」

「ベル様不潔です!」

「だからそんなのじゃないですってば~~~~!」

 

割と皆ノリノリである。

 

◆◆◆◆◆

 

そんな馬鹿話も一旦落ち着きダイニングに移動して話を戻す。

 

「まぁ飯は本当に用意するとして……」

「ああ、本当に用意するんですね」

 

がっくりと肩を落とすベル君を無視して話しを進める。

 

「それにしても娼館に居るかもしれない故郷の友達ねぇ」

「はい、サンジョウノ・春姫殿と言い狐人(ルナール)です。あの方が自ら娼婦をしているとは思えませんが……」

「え? 春姫さんですか? 僕昨日会ったよ?」

 

対面に居たはずの命ちゃんがテーブルを乗り越えベル君の首元を掴む。思いっきり前後に揺らしてら、ありゃ首痛めるぞ。

 

「どどっど、何処に!? 何処で会ったのですか!??!」

「たまたま! 偶々逃げ込んだ先で会ったんです! その後明け方まで話をして、抜け出し方を教えてもらって帰ってきました!!」

「そうですか……」

 

力の抜けた命ちゃんがベル君の襟首から手を離す。

 

「しかし何か理由があって娼婦してるのかね」

「あの人は元々高貴な身分の方です。正直理由が分かりません」

「じゃあ調べてみるか」

 

おじさんがそう言うとヴェルフ君が口を開いた。

 

「調べられるんですか?」

「うん。ヴェルフ君、最近会った神の中でスケベ野郎と言えば?」

「スケベで神……あっ、まさか」

 

◆◆◆◆◆

 

適当な酒場の個室を指定してヘルメスを呼び出した。

覗き、防音対策はアスフィちゃんのアイテムを借りて。

 

「つー訳で、オメーが娼館で聞き込みしてこい」

「おっ、俺がやるのかい? おじさんやヴェルフ君、ベル君がやるってのは……」

「ヘルメス。おじさんはお前の事が嫌いだ。だけど男だからそーいうエロの部分はよく分かる。お前、スケベ大好きだろ?

 おじさんからの依頼ってしとけば大手を振って娼館に入りびたり出来るんだぞ?」

「やります!」

 

ジャンピング土下座する程の事か……? ギリシャ系ってやっぱ下半身馬鹿なんだな。

それじゃあ宜しくと席を立とうとした所呼び止められた。

 

「ああ、そうだ。関係ないかも知れないが……万が一は恐ろしいから一応、伝えておくよ」

「ん?」

「つい昨日なんだがウチのファミリアからイシュタルファミリアに対してある品物を納品したんだ。

 『殺生石』ってアイテムなんだけど……」

 

「まーじー?」

 

◆◆◆◆◆

 

数日して命ちゃんが沈んでるから話聞いてみたら、例の春姫ちゃんとやらに会ったが無視されたらしい。

……そりゃ、まぁそうでしょうよ。

 

「何故です!?」

「ちょっと考えてみ? 自分が高貴な身分で娼婦に落ちた。そこに昔一緒に遊んだ友人が訪ねてきた」

「あっ……」

「正直人によるだろうけど、嫌がる人は無視くらいするよ?」

「そんな、じゃあ私はどうすれば……」

「ふう……しゃーない、おじさんが行ってくるか」

「え」

「だってウチの中で歓楽街に行って平然としてるのおじさん位じゃない? 残りの男二人はあんな感じだし」

 

◆◆◆◆◆

 

命ちゃんから聞いてた所に行ってみると……普通に居たわ。え? 場所変えたりもしてねーの?

うーん、キャバ嬢ならちょっと出勤日変えたりすると思ったが……まぁオラリオだし色々違うんだろう。

 

「そこの狐人ちゃん」

「わたくし……でしょうか?」

「一晩おじさんに買われてくんない?」




スケベおじさんの魔の手が春姫に迫る!

春姫はどうなってしまうのか?

次回、おじさんと娼婦2

春姫、啼く!
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