【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く3   作:タラバ554

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感想と評価一杯ありがとうございます。
頑張ります。


3 おじさんとギルド

「それじゃ、このクエスト受けるから受理宜しく」

「はい……受理完了しました。おじさんは今日も午後には戻りますか?」

「うん、いつも通りで」

「承知しました」

 

エイナが受付の席に座っているとそんな会話が聞こえてきた。

先日自身の担当した冒険者と共に訪れた人の声。何となく覚えていたエイナは先輩ギルド員と話しているのを見つけ先輩に質問してみることにした。

 

「先輩」

「あら、エイナじゃない。どうしたの?」

「先ほどの方なんですが……」

「先ほどって、おじさんの事?」

「おっ、おじさん?」

「ええ、おじさん。……あっ!別に私の叔父って訳じゃないわよ!? あの人『おじさん』って名前なのよ」

「えぇ!? 名前がですか!?」

「そうよ、オ・ジサンとかオジ・サンとかじゃなくて本当に『おじさん』って名前なのよ」

 

聞いてて頭が痛くなる。

 

「そんな名前の人が居るなんて……」

「私も驚いたわ~、登録用紙に『おじさん』なんて書くから偽名を疑われて丁度ギルドに居合わせた神様に協力してもらってね……そしたら本当に名前が『おじさん』なんだもの」

「はー……あぁ、いや、名前ではなくて。私の担当冒険者が登録した際に一緒にいらしたので……どんな人なのかなと……」

「へぇ、おじさんの所にもついに新人が入ったのね……それでおじさんの人柄を知りたいって事?」

「はい」

「そうね、冒険者らしくないわね」

「冒険者らしく……無い?」

「基本おちゃらけてるけど根っこは多分真面目なのよ、書類関係とかキッチリしてるし。周りとのトラブルは基本無し、後は女性に優しいわね」

「はぁ……女性に」

 

好色家って事?

 

「若いとか老いてるとか関係なしに女性に優しいのよね。後子供にも」

「何か……本当に冒険者らしくないですね」

「そうなのよね。アレでlv3ってのが信じられないわ」

「lv3!?」

 

あんなギルド長みたいな体形で!?

 

「そうよ、二つ名は『超反射(スーパーボール)』聞いたこと無い?」

「え”、そりゃ知ってますけど……あの人が?」

「見えないわよね~、武器と盾が無いと一般人なんですもの」

 

◆◆◆◆◆

 

その日の正午、先輩から何時もこの時間におじさんが報告に来ると聞いていたエイナはおじさんを待っていた。

 

「じゃあコレ、いつも通り処理お願いします」

「はい、じゃあギルド預金に入れても?」

「うっす、よろしく~」

 

そして先輩と例のおじさんのやり取りが終わるタイミングを見計らって話しかける。

 

「あの……」

「ん? あー、ベル君の」

「エイナ・チュールです。あの、おじさん氏」

「いや、おじさんで良いよ? おじさんさん、とか敬称付けると変な感じになるし」

「でっではおじさんと……」

「うん、それで?」

 

等とやり取りをしていると……

 

「エイナさ~~~~~ん」

 

「お? この声……」

「ベル君?」

 

「アイズ・ヴァレンシュタインさんの事教えてくださ~~い」

 

血まみれのベル君が居た。

 

「きゃあ~~~~~~!」

「(ケガは……無いか)」

 

◆◆◆◆◆

 

ボックス席にて

 

「何であんなに血まみれだったのベル君」

「いやぁ~……ははは」

「とりあえず報告。この間教えたろ?」

「えっとですね」

 

 

 

 

 

呆れた、死にかけて逃げかえって来たのにそれ以上に助けてくれた女の子の情報が知りたいとか……肝が据わってるのか抜けてるのか……。

頭が痛いのでエイナちゃんにアイズちゃんの基本情報を伝えてもらうことに。

それにしてもミノタウロスに襲われてアイズちゃんに救われたねぇ……状況的に何かやらかしたな。

 

「エイナちゃん、後日ロキファミリアから何か報告が上がったか確認したい。こっちは新団長が殺されかけてるから必要ならきちんと抗議を入れる」

「はい、調べておきま……新団長?」

「? ベル君から聞いてない?」

「えっと、はい」

「ベル君?」

「へ?」

「ギルドに報告してねって言って返事してたよね?」

「えっえぇっと~~~」

 

忘れてたなコイツ。

 

「ベル君は帰ったら勉強&特訓かな」

「えぇ!?」

「書類は忘れると面倒になるその理由、そして提出遅れにより発生する手間を覚えてもらう。後、せめてミノタウロスから余裕で逃げれる位にはなっとかんと」

「そんなぁ~~~……」

「それじゃエイナちゃん、今後ともベル君を宜しく」

「いえ、こちらこそ」

 

◆◆◆◆◆

 

ベル君とおじさんを見送り、自席について一息ついていると声をかけられた。

 

「エイナ」

「あ、先輩」

「どうだった? おじさんと話してみて」

 

ボックス席での会話、ベル君との問答の内容……どれをとっても……。

 

「何か凄く普通でした」

「でしょ~」

 

考え方が凄く一般人というか。

 

「あの人って本当に超反射……ジャイアントキリングの超反射なんですか?」

「見た目はそう見えないけどね、ほら、コレ今日の彼が受けたクエスト」

「24層……グリーンドラゴンのドロップアイテムの納品?!」

「あの人ソレを午前中に終わらせるのよ、しかもほぼ毎日」

「はあぁ?!?!」

 

後日、おじさんの処理しているギルドクエストの内容をまとめて頭を抱えるエイナの姿があったらしい。




ベル君の勉強を見ていたおじさんはベル君と夕食を取る事になった。

次回、おじさんと酒場

酒も料理も大事だが、良い酒場は雰囲気まで旨い。
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