【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く3   作:タラバ554

35 / 119
35 おじさんと下層

カウンセリングに連れて行ったり地図の作成を行ったりの1週間を過ごし、次回予約を先延ばしにして手あたり次第にキャンプ道具を買い漁る。

正直今までダンジョン内で野営とかしてないからその辺りは素人なんだよね。キャンプ雑誌も仕入れたから空き時間で読んでおこう。

ついでにテントの設営練習をホーム庭でやってたらリリちゃんに色々と突っ込まれたが、簡単に言ってしまえば便利な道具はこちらにも融通して欲しいとの事だ。

そりゃ利便性はあるだろうけど……ダンジョンで同じこと出来るかは未知数だから今回の遠征で試してからねと断っておいた。

そうやって色々と試していたらあっという間に一週間も過ぎており、遠征前夜。ヘスティアちゃんが友神を集めて酒盛りしたいつーから向こうの酒を適当に見繕って渡してやった。

 

「ヘスティアちゃん、その服着ていくの?」

 

着替えを終えて出てきたヘスティアちゃんはユニクロで買った服、下着、靴。全身向こう側のコーディネート。

一言で言うと18歳高校生の私服って感じがする。

 

「おじさんの世界の服って着心地良いからさぁ、割と癖になるよね。靴も履きやすいし」

「まぁこっちのって基本荒いからな……」

 

そう言って大きなリュックサックに各種お酒を詰めたヘスティアちゃんが出ていく。クーラーボックスに氷も突っ込んどいたからそれなりに楽しめるだろう。

 

◆◆◆◆◆

 

遠征出発当日、おじさんはイシュタルファミリアのアイシャちゃんに絡まれてた。

 

「で? おじさん、ウチの主神様とはどこまでいったんだい?」

「だから、病人に手を出す訳にもいかんから何もしてないって言ったじゃん」

「はー……頑固さはアンタもリトルルーキー並か。じゃあ春姫の方はどうなんだい? あれだけ宣言してたんだ、何度か抱いたんだろ?」

 

肩を組んでくるアイシャちゃん。そんなもん春姫ちゃんを見れば分かるでしょ。

そうやって指を指せば真っ赤になって命ちゃんに隠れる春姫ちゃん。その反応で盛大に溜息を吐くアイシャちゃん。

 

「なるほど、そっちにも手を出して無いんだねアンタ」

「待て待て。(あの子はベル君に好意を寄せてるはずだろ……普段の言動的にも)」

「……やっぱアンタ、リトルルーキーと似てるわ」

 

おいマテ。残念そうな顔でこっち見るな。というか春姫ちゃんはマジでベル君枠だろ!

 

◆◆◆◆◆

 

それなりの日数を費やして到着した25階層。特に大きなケガや損失も無く順調、後はミッションの品物を集めるだけ。

 

「んで、集めるのを改めて確認しようか」

「ブルークラブの甲殻10を中心に資源やドロップアイテムが数点、レアドロップが出た場合はソレでも対応可能です」

 

書かれたリストを見せてもらい確認する。……このリストって以前おじさんが納品してたリストに似てるな……、やり方は分かるから良いが地上に戻ったら一度調べた方が良さそうだ。

 

「うん、大体のは分かった。けど何処に何の敵が出るかってのはおじさん今一把握してないからその辺の案内はアイシャちゃんよろしく」

「はあ……アイシャで良いって言ってるだろ、主神様にもそう言われてるんだからさ」

「はいはい」

 

そうやって軽口交じりに下層を進み指定のドロップアイテムを集めながら資源回収を行う。資源に関してはおじさんが知らないモノが結構あって逆に勉強になる。今まで結構無駄にしてたんだな。

戻ったら一度資源に関しても資料に目を通そうと考えながらアイシャと話してると前方から嫌な感じがする。アイシャもそれを感じ取り周りに声をかける。

 

「全員、構えな」

 

一言で全員に緊張が走り警戒態勢へ。暫く前方を見ていると負傷したエルフ冒険者が出てきた……おじさんが感じたのはコレじゃない。

段々と近づいているのは間違いないので右手を構える。出てきたのは……何だあれ、外見はモスヒュージに近いけど子の階層には居ないし。

敵の正体はよくわからんが見敵必殺。瞬間ストライク(脚)を使って敵の懐へ飛び込む。

 

狙いは胴体、速度も十分! パイルバンカーを胴へ叩き込もうとしたら……左手で防がれた!?

インパクト直前、モンスターがまさかのバックスウェーかまして左手を差し込んできやがった。

結果、敵の左腕は肘から先を失う事になったが……クソが、決めるつもりだったのに。やっぱ鈍ってるかも。

おじさんに続いてベル君も前に出る。俊敏を生かして連続攻撃してるが……ランクアップのズレが大きい様で結構避けられてる。それに回避もやたらと距離取るし。

調節には丁度いいかと観戦してたら敵が両手をクロスさせて身構えた。体から何やら突起を出している。そしてソレを見た負傷したエルフが叫ぶ。

 

「そいつをくらうな!」

 

直ぐにストライク(脚)で離れるが一発当たった。モンスターはソレを見たのか引いて行った。

 

「結局これは何……」

「千草!」

 

振り返ればタケミカヅチファミリアの千草ちゃんが負傷して肩から……ツタが出てる。負傷エルフも同様。

被弾した足を見れば何も出てこないおじさんの傷。傷に入り込んでるモノを抜くとそれは種子だった。

なるほど、こいつが発芽してるのか。おじさんこの手の奴は幸運脂肪が防ぐから気にしないんだよね……。

通りあえずはメンバーの回復せねば。




珍しくPTを組み下層へ挑むおじさん

普段とかってが違い四苦八苦しながらも足並み揃えようと頑張る

次回、おじさんと下層2

春姫はどっちなのか……それはおじさんも知らない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。