【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く3 作:タラバ554
穴を潜った先は27階層、そして目の前にはリュー・リオン。
「なるほど……こりゃ確かに春姫の……いや、それ以上にヤバいわ」
まあもっとヤバイ効果が倍ドンであるが……流石に言わん。
ベル君は既に駆け出しリューさんへ近寄っていた。唐突に話しかけられてびっくりしてら。
「移動に輸送、伝達から暗殺、テロまで何でもござれだねぇ」
「アンタ物を持ち歩く魔法も持ってたよね」
「時間かければ容量がほぼ無尽蔵のね」
「……本気の厄ネタじゃないか。この事をキチンと把握してるのかい? あの坊やは」
目の前でリューさんへと話しかけるベル君を指し心配するアイシャだが、ほぼ間違いなく気付いて無い。
ちゃんとわかってるのはヘスティアファミリアじゃヘスティアちゃんだけ。リリちゃんは気づいてるフシがあるが敢えて考えない様にしている気がする。
「ウチの主神様もとんでもないモノにほれ込んだもんだねぇ」
「そういやイシュタルちゃんと手紙でやり取りしてたんだって?」
「あの日から暫くしてね……フリュネがオッタルにやられてから、ヘルメスファミリアの手が入りはしたが歓楽街の細かな部分を纏めるのは私の仕事さ。
どうにかやってたら保護されてるって主神様から手紙が飛んできてね。ヘスティアファミリアのアンタに付いていけってんだから驚いたよ」
おじさんの知らん所でイシュタルちゃんも徐々に回復してんだな。
暫くベル君達が話してるのを眺めながらイシュタルファミリアの現状を聞き情報交換していたらリューさんがベル君に背を向けて歩き出した。
近付いてベル君に聞いてみたらリューさんは闇派閥を見かけて此処まで追って来たらしい。
「あー、リューさんや」
「おじさん、貴方でしたか……貴方も何か私に言いたい事が?」
「? ベル君が何を言ったかは知らんけど聞きたい事はある」
歩みを止めないリューさんの後ろを歩きながら話を続ける。
「YOUは何しにこの階層に?」
「……ここに逃げ込んだジュラを殺す為です」
「なるほど、よし、帰るぞベル君」
「おじさん!?」
ただの復讐の延長戦じゃねーか、ウチのファミリアが介入する事じゃねーよコレ。
第一ダンジョン内での事は基本的に不干渉&知らぬ存ぜぬで良いんだし。
「おじさん、それでも僕はリューさんに人殺しはして欲しくなくて」
「いや……あのさぁ」
この復讐って別に故人の為の復讐じゃなくてリューさんが助かる為の復讐だから他人が口挟む案件じゃねーのよ。ソコに踏み込むのはさすがに人としておじさんもどうかと思うよ?
しかも人殺しして欲しくないって完全にベル君のエゴだし。
「坊や、流石にアタシもこの件に関してはおじさん側だ。アイツは自分のケツを自分で拭こうとしてるんだ、それを他人がとやかく言うもんじゃないよ」
それでも諦めきれないベル君。しゃーない、一つ助け船。
「じゃあせめて立会人でもする?」
「立会人……ですか?」
「完全に自己中心的な事になるけど事の顛末を見届ける立会人の枠を名乗って付いて行くとか。まあそんなもん名乗らなくてもついて行けば良いだけなんだけどさ」
「解りました。僕、立ち会ってきます」
……追いかけて行くのは良いけどおじさんが付いて行かないって意味じゃないんだけど……。
「……追いかけるか」
「あいよ」
◆◆◆◆◆
少し離れてリューさんとベル君について行った所、彼らの前方に恐らく復讐対象であろう……なんとかって猫の人が居る。
見た感じそんなに強そうじゃないから直ぐ終わるなと思ってたら……何か悠長に話し込んでるんですけど。もしかして舐めプしてる?
手を出すのは無粋だからしないけど……なんか面倒起こりそうだから念のためにAKで狙っとこう。多分あの猫の人相手ならコレでも十分致命傷。
何時でも撃てる体勢でぼけーっと見てたけど何かヘビ出てきた。しかも二匹。
リューさん苦戦してるけどコレは援護射撃が本当に必要な奴か?
1分位見てたけど打開策が無さそう。トリガーに指を掛けようとしたら周囲で大爆発が起きた。
何かよく分からんが取りあえずトリガーを引いて猫の人を撃つ。弾は胴体を貫通こそしなかったがちゃんと胴体に傷を付け、持ってた装備品も壊せた。
……リューさんの動き止まってる? 猫の人が何か仕掛けてたのか……蛇の動きがめちゃくちゃになってるな、さっさと蛇倒さな。
素のおじさんでもちょいキツそうなのでサクっと【庇護脂肪】で
流動硬化使っておけば割とこの蛇相手でも余裕があるな。メテオストライクを決めればどうにか倒せた。
リューさん呆然としてる……もう考えるのめんどくせぇ。猫の人の後ろに回り込み、首をコキャリと1回転させる。
一息付けたと思ったら何か聞いたこと無い咆哮が聞こえて来た。
ストレスや疲れから思わずリューさんの復讐対象をコロコロしたおじさん
次回、おじさんと疾風4
厄災が襲い来る