【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く3 作:タラバ554
「という訳でアニメを作ろうと思う」
ダンジョンから帰って来てヘスティアちゃんにステータス更新をして貰いながらおじさんは自分のアイディアを話していた。
広告的な意味合いで作ってみるのはどうだろう?
「唐突過ぎて訳は分からないけど……アニメを作るのかい? ボクもアニメは好きだけどアレってどうやって作ってるんだい?」
「ん? 向こうに居た時に調べなかったの?」
「パソコンだっけ……あのタイピングってのが難しくてちょっと……、イシュタルはちょいちょい触ってたみたいだけど。こっちに戻ってきてもノートパソコンは触ってるみたいだし」
イシュタルちゃん、まさかの現代機器に順応していたでござる。ちょっとびっくりしつつ話を戻す。
「アニメは基本手書きだよ。絵は人が書いて、声は別で撮って編集。ほら、ヘスティアちゃんが最近はまってるジブリ作品なんかは特に枚数がべらぼうに多いのよ」
向こうでメイドインアビスを最終的に1期+映画+2期と見たヘスティアちゃんがは面白いけれどメンタルがベコベコになったのでジブリを勧めたらすごく癒された様で、そこからはジブリ漬けの毎日……それでも火垂るの墓だけはおじさんの方で封印してるが。
ヘスティアちゃんが気に入ったのは『耳をすませば』。どうやらファンタジーよりも現代っぽい物が好きみたい。クレヨンしんちゃんとか意外と気に入るかもしれん。
「へー、200枚位?」
「200て……それだとアニメは10秒も出来ないよ」
「……えっ、ちょっと待って。あれって人が描いてるんだよね? 1秒につき何枚の絵が描かれてるんだい?」
おじさんも正確には知らんが1秒を24フレームに割って1フレームにつき1枚だから……24枚? 映画が24でテレビ枠とかの普通のアニメだと半分? 18枚?
何かそれ位だった記憶があるかな。
「1秒20枚として……アニメは1話25分位だから……ええっと1分50秒だから秒数に直すと……」
「1話が25分*60秒で1500秒、仮に1秒20枚なら1500*20で30000枚だね」
「三万枚!? ……アニメ一話につき三万枚の絵……」
「大雑把だからもう少し少ないだろうけど……それでも平均2万枚位なのかな?」
「1話2万……12話で24万枚……ボク芸術タイプの神じゃないけどさ……多分芸術を司る神ならそれだけでランクアップさせるんじゃないの?」
「現代の娯楽系とか、地味な仕事って多分こっちの神からしたら狂気の沙汰かもね」
地味な仕事って恐ろしく動きが無い上に内容も単純、それを延々と年単位でやり続けるからなぁ。おじさんも昔は……懐かしいぜ。
「それにしてもアニメを作るか……まさかおじさんが描くのかい?」
「いやぁ……おじさんも多少絵心はあるけどアニメは無理無理、畑が違うっていうか。まぁソレは兎も角、何でこんな話をしてるかって言うと、ベル君とヘスティアちゃんを主役におじさんの世界でアニメを作ろうかなって」
「えぇ!? ボクとベル君が主役のアニメ!?」
異世界ものが流行ってる今なら多分流行ると思う。後、儲ける為じゃないから採算度外視で作らせれば良いし。
で、その為にもやっぱ本人にも許可貰っておこうかなって。
「勿論ボクはOKさ! ベル君の説得はボクに任せてくれ! むしろOKさせる!」
おー、ノリ気。んじゃアニメ制作の方向で進めておくわ。まずは作家雇って書いてもらって……それを元にアニメにすっか。
作家の知りあいなんて居ないからなぁ……いっそ集団で雇って全員で書かせるか。これも設けは度外視してやれば良いや。
予算がどれ位必要か分からんな。取りあえず税理士に相談してから人集めてみるかな、失敗前提で人育てりゃ良いし……あぁ、今世ではやってなかったけど久々に渡米して宝くじ買ってくるかぁ。資金調達と……向こうの映画スタジオに連絡とか取れないかな。
テレポートあると飛行機乗るの苦痛なんだよな。取りあえずイシュタルちゃんの治療ついでにチケット取るか。
◆◆◆◆◆
アニメを作ると決めてから既に1か月。
その間に例の計画の候補地を探しながら地図作製、平行してイシュタルちゃんの治療を行いながら、アニメ化も進めていた。
イシュタルちゃんはおかげで多少ぎこちなくだが喋るようになった。PC使っての筆談(という名のチャット)が出来るようになってからは治療が大分進んだと思う。
向こう側に行く度にヘスティアちゃんと共に余計な知識を仕入れるのだけはやめて欲しいが……。
それと! 遂に精霊ちゃんが目を覚ました! と言っても何故かおじさん世界に居る時だけ。
こちら側に来ると又、眠り続けてる。会話出来ないかと思ったがどうも声が出せないらしい。
失語症とかじゃなくて単純に体が変わったから、新しい体の動かし方に手間取っているっぽい。
そして肝心のアニメづくり。
問題は色々とあったが……全部金で解決した。世の中大体の事は金で解決出来るは真理だと思う。
小説書きを素人から玄人まで適当に集めて書いてもらい、上がって来たものをブラシュアップ。おじさん自身はブラシュアップなんてやり方を知らんからソコも雇って出来上がりを待つ。
基本的なエピソードはベル君本人に聞いたのでソコを面白おかしく脚色して貰って全体のバランスを整える、そして仕上がったものが此方の本。
「やーっとシナリオが出来たよ」
「おお! これがおじさんが作った本かい?」
「おじさんが雇った人が書いた本ね。日本語だけどヘスティアちゃんなら読めるっしょ」
そう言って渡す。
「えーっと、『ダンジョンに出会いを求める少年と女神の間違い』って何だいこのタイトル!?」
「取り合えず仮のタイトルだから、問題は中身よ中身。今日の夕食後にでも感想聞かせてよ」
「コレがボクとベル君のアニメになるんだろう? 仕事の後にでもしっかり読んでおくよ!」
そう言ってからサンプル品を抱えて仕事に出かけたヘスティアちゃん。感想は問題無しの一言。ヘスティアちゃんとベル君がイチャイチャする描写をちょいちょい挟んでるのがお気に召したらしい。
一応R18版も作ってあるとか言ったらどんな顔するかな……。
それは兎も角、本人のOKも出たのでアニメ化を進める。
因みにアニメ会社には予算を割り振るが取りあえず商用ではない事と権利は全ておじさん所有。予算が足りない場合は追加を出す旨を伝えて基本予算上限なしで作ってもらう事に。
『PR用』と説明して頑張って作ってもらっている。
まぁPR用アニメとして1クール分作る馬鹿が今まで居なかったので大変驚かれたが……ええねん。おじさんの目的は別にアニメで儲ける事じゃないから。
さて、アニメ化がスタートしたのでそろそろ場所の選定を完了させたいのだが……フェルズと一緒にやっても未だに決まらない。いい加減『理想の場所を見つける』からある程度の条件で見つけた上で『理想の地形に作り替える』にシフトしないと駄目かも。
アニメの労力を知ったヘスティアちゃん
そして計画を実行に移すおじさん
おじさんの異世界攻略RTAが始まる
次回、おじさんと土木
土木と言えば……?