【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く3 作:タラバ554
おじさんは今、ホテルの一室を借りてダンまち2巻の特典予約をした人達と集まってる。二名程キャンセル出たが8名も集まっただけで十分。
というか半分以下になると思ってたが意外と集まったな。内訳は男性5女性3。
「えー、皆さんお集まり頂きありがとうございます。今回の予約特典のご説明をする異世界おじさんの中の人です。宜しくお願いします」
挨拶もそこそこに全員に書類を配る。渡された書類を全員目を皿の様に広げて凝視している。
「メールで事前に通達しておりましたが、今回のオラリオツアーには命の危険が少なからず存在します。お手元に配った書類の内容に目を通してもらい、条件を飲める方だけ書類にサインを行ってください」
ざっくりと書類を読み上げてない様を説明した上でまとめると。
「書類の内容はシンプルに言えば1.ツアーで命を落としても自己責任である事。2.ツアー主催者は出来うる限り参加者の命を守る事。3.どうしても厳しい場合は強制的にツアーを終了する事。4.アバターを作成後、アバターに成れるまで3日はホテルで過ごしてもらう事、5.ツアー終了後はアバターを元に戻す事。この5点です。ここまでで質問ある方?」
無い様なので先に進む。
「今回皆さんにはツアー参加前にマッサージの施術を受けてもらいます。簡単に……いえ、はっきり申し上げますが皆さんが『今の状態』でツアーに参加するのは非常に危険なので強制的に参加して問題ない状態に変化していただきます。
尚、ツアー後は今の状態に戻れるので難しく考えなくても大丈夫です。シンプルにアバターを作るとでも思って下さい。」
何せ半数以上がぽっちゃりor肥満の人達だ。いざという時に走れないのは致命的。
なので強制的に馳せて筋肉質の姿になってもらう。疑問は絶えない様だが体験してもらった方が早い。
「では書類に記入が終わった方から施術を受けてもらいます。今回のツアーは1週間の予定です、内訳としては最初は異世界らしくモンスターとの触れ合い。その次が公式中の人達との面談、そしてオラリオの観光となっています。
宿泊に関してはオラリオで行うのも自由ですが宿泊場所に関しては指定している施設以外での宿泊はお勧めしません。
作品を読んでくださっている皆さんなら分かると思いますが、オラリオの治安は悪い所は悪いです。日本気分で歩けば余計なトラブルに巻き込まれる事間違いなしなので、皆さんにはそれぞれとある組織の職員を一人一人に付けます。何か疑問や行きたい場所に関してはその人達と行動をして下さい。
後、彼ら、彼女らはNPCでは無いので下手な事をした場合は犯罪となりますのでご注意を」
釘を刺すべき所は釘を刺した。後は実際にやりながらだな。
「では覚悟が決まった方は書類を提出してから施術に入ります。一応制限時間も設けてますのでこのタイマーが鳴るまでに決めてください」
とか言ってたら一人速攻で書いて提出してきた。確かこの人は予約番号No10の人だ。
「随分早いですが……内容読みました?」
「大丈夫です! 『ダンまち』世界なら命がけも承知です!」
「解りました、アバターの希望とかありますか?」
「ランボーみたいな感じが良いっす!」
「なるほど、いわゆる細マッチョって奴ですね」
「……あれって細マッチョになるっすか?」
「??? 私の認識だとマッチョってボディビルダーとか盛ってる時のシュワルツネッガーのイメージですが」
「あー、そういう意味だと細マッチョで」
「それでは別室に案内しますね。書類が書けた人はこちらのカゴに入れてから席で座っていてください」
そう言ってNo10と出ていくおじさん、残された7人はどうやら近い席の人と話し合いするらしい。
さて、別室でNo10がパンイチで施術台の上で横になって貰ったのでアイマスクをして貰う。そしたらサクっとおじさんの【庇護脂肪】を発動。
最初に今の状態を記録してから、オーダー通りの体に寄せていく。体の脂肪はみるみる燃焼され筋肉に変わっていく。細マッチョが希望だったので出来るだけ筋肉は圧縮して見せる筋肉ではなく実用性重視の筋肉に変えていく。
施術時間僅かに3分。ぽっこりお腹はバキバキの腹筋、体は全身が締まり、顔に乗っていた肉は全部減らしたので目鼻がスッキリしてイケメンが出て来た。
「はい、施術終わりましたよ。アイマスク外しちゃってください」
「え? あの体触られた位しかないんですけど……」
「でももう終わりましたよ? はい、こちらに立って」
そういってから全身が映る鏡の前に立たせる。
「なっ、なんじゃこりゃーーー!??!?」
おー、おー。やっぱ肉と一緒に顔のシミとかその他諸々若返らせたのが効いたか?
「お気に召さない? やっぱ肌ツルツルにしたのは余計でした?」
「えっ、いや、アバターって話じゃなかったんですっけ……」
「まーリアルでつけれるアバターっすね」
「いや、これ整形? でも……えっ、5分も経ってないのにコレって……えぇ……」
「不都合あれば直ぐに元に戻しますけど?」
「あぁいや、大丈夫っす。ちょっと混乱してるだけで……」
はい、それではさっきの部屋に戻りましょうか。
そうしてNo10の人と共に説明部屋に戻ると参加者が疑問顔になった。『アイツは誰だ?』と。
「はい、皆さん施術とはこの方の様になります。一時的に痩せた姿になっていただくことになります」
一応本人という事を示す為に喋って貰ってご本人であると納得して貰う。その瞬間、残り7名のはざわついた。
そして爆速で書類を書き始める女性3人。後に続く男性陣。
結局8名全員が参加。そして全員が細く、動ける体を手に入れた。
そこからは全員の返事と行動が凄まじく早かった。取りあえず今の体に慣れてもらう為にホテルに入ってるジムで全員体を動かして貰う事になったが、全員が疲れ知らずの自分の身体スペックに驚きながら運動している。
まぁアレだけの貯蓄エネルギーを筋肉に変えて体力が有り余ってる状態であればめちゃくちゃ動けるはずだ。体の不調も全部治しておいたし。
「さて、運動が終われば食事、その後はしっかりとした睡眠をとって貰ってコレを後2日続けます。十分にアバターに慣れたらツアーを開始するので宜しくお願いします」
そうやって〆ようとしたら質問が上がって来た。はい、そこのJカップ美人になった人、どうぞ。
「あの……このアバターってツアー終わったら戻しちゃうんですよね……このままにとかは……」
「うーん、こう言ってしまうとアレですが……皆さん元の姿とめっちゃ乖離してますよね? その状態で帰って、友人や家族が混乱しませんか? 『お前は誰だ』って」
そう言うと全員が口を噤む。
「ま、体系は戻しますが体調の不良とかは全部取り除いておくのでソコまで気落ちしないでください。後、希望があれば痩せやすい体質とか太らない体質にしますんで帰宅後に運動すれば今の体型を手に入れるのは直ぐですよ?
ついでに言えば今の内に運動に慣れておけば体型を戻しても体が運動する事に慣れてるので戻った後の運動も簡単ですし」
その瞬間、女性陣の目の色が変わり運動に対する熱が別ベクトルに変わる。頼むからオーバーワークはしない様に。
そんな感じで参加者の事前準備は一先ず完了。次はツアー本番だ。
おじさんの計画第一弾がついに動き出す。
そしてリアルでとある変化が……。
次回、おじさんとオラリオツアー
自重を止めたおじさんは何処まで行ってもおじさん