【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く3   作:タラバ554

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66 おじさんと政府

イシュタルちゃんとの結婚式の後、直ぐにダンジョンへ……とはならなかった。

披露されたアラハビカに対する問い合わせや都市への訪問、人が来る事でのトラブル等々。やるべき事は多くあった。

そんな中でもおじさんしか対応できない事が降ってわいた。それは日本政府からのコンタクト。おじさんの会社に対してメールが届き事の真偽を確認したいとの事だった。

『ダンジョンに出会いを求める少年と女神の間違い』も順調に売り上げを伸ばして既に6巻が発売、アニメも人気が出て2期の作成が決まり1期のyoutubeでの再生回数のトータルが10億回を超えている。

BDでの販売希望の声が多かったのでグッズでも付けて売ろうかと思ってる位だ。

所でヘスティアちゃんよりリリちゃんの方が人気出たのは何でだろうか? 可哀そうで興奮する紳士が多いのか純粋にヴィジュアルなのか……。

 

閑話休題。

 

兎も角、政府からのメール。これを無視する訳にはいかないと思うのでおじさん一人で会いに行く事に。

 

「私は付いて行かなくても良いのか?」

「イシュタルちゃんは専業主婦で私人だし、良いんじゃね?」

「そうか?」

 

只管会社のスケジュール調整を繰り返して2週間後にやっと調整が出来た。そして行ってみれば何やら会議室に通されズラリと並ぶおじさんs' こんなに居るとか何も聞かされて無いんじゃが……。

モニョっとしながらも話を聞いてみるとあの配信はどういう事なのか。本当に異世界なのか。土地の利権がとか何やかん、おじさんの会社の活動が不適切だとか……もう何か好き放題に質問が飛び交う。

本当に日本か此処は。

 

「えーっと、一先ずちゃんと質問纏めてくれません? かなりのスケジュール調整してから此処に来てるんですけど」

 

非難轟々、若造が~だとか此方の方が~とか、ちょいちょい日本語以外の言葉も飛んでくる。コレはちょっと……イラっとするな。

 

「あのですね、私は別に強制的に此処に呼び出された訳ではなく、善意で来てます。そして無理に此処へ来る必要もありません。私の時間を無駄にするのであれば直ぐに帰りますが? 仕事立て込んでるんですよ」

 

流石に不味いと思ったのか会議は一時中断。その間おじさんは昼食を近くのファーストフード店に入って食べる事に。

適当に注文して飯を食いながらノートPCで書類仕事を進めているとちょいちょい写真を撮られる。

何でこんなおっさんを撮ってるのか不思議に思ってたら何か女の子に話しかけられた。

 

「あの、異世界ギルドの社長さんですか?」

「……はぁ、そうですけど」

 

こっちの世界で女性に話しかけられるイベントなんか職場以外では初なのでちょっとビビる。そして答えた瞬間にキャーキャー言われちょっと飲み物吹き出しそうになったぜ。

 

「あの! 異世界って本当にあるんですか!?」

「ありますよ。ウチの社員は大体向こうで働いてるし」

 

めっちゃキャイキャイしてんなぁ何て考えてたら黒スーツの人達がすげー勢いで走って来た。何でも異世界の件を正式に認めるのは避けてくれだとか、女の子や周囲の人にも色々話して口止めしてる……ソレさっきの会議の終わり際にでも言ってくれりゃ良いのに……。

ゲンナリしながら会話してた女の子にごめんねーと謝ってから食べかけのモノを抱えて黒服達について行く。

 

結局会議が再開したのは午後16時を回ってから。今度は流石に色々と取りまとめて来たようで質問はスムーズだった。

と言っても質問内容に関しては非常に簡単で淡々と答えるだけ。

 

「貴方は異世界に行っていますか?」

「はい」

「どの様に移動していますか?」

「企業秘密です」

「……では異世界からの品を此方へ輸入等していますか?」

「いいえ」

「逆に輸出は行っていますか?」

「はい」

「あの配信は向こうの世界の映像でしょうか?」

「あの映像とは何ですか?」

「貴方が映っていた配信です」

「一応社長業として幾つか配信しているんですがどれでしょう?」

「えっ……ちょっとお待ち下さい」

 

とまあ、こんな感じでちょいちょい質問が止まりつつぼけーっと答えていく。めんどくせーと思いながら政府が何を引き出したいのか考える。

政府として欲しいもの……移動手段と向こうの資源かな?

他には地球に無いモノ、モンスターのサンプルとか未知のマテリアルとかも欲しがりそう。そう考えると一攫千金の山だしなぁ異世界の品物って。

移動手段がおじさん依存だから社員全員に向こうのモノは持ち込みを禁止を言い渡してるけどさ。

 

淡々と質問に答えるのも飽きたのでぶっちゃけて聞く事に。

 

「あの、結局何が聞きたいのか核心を話してくれませんか? じゃないと延々とこーいう無意味な事に答える時間が続いて帰りたくなるんですが」

「申し訳ありませんが帰宅は許可出来ません」

「は?」

「此方の回答に全て答えて頂くまで帰宅は許可出来ません」

 

こいつは何を言ってるんじゃ? イラっと来たが落ち着け、まだ武力行使には早い。

 

「えーっと、その帰宅の許可云々は誰の指示ですか? 政府の呼び出しには善意で答えたんですが」

「貴方が何をおっしゃってるか分かりませんが我々は政府とは関係ありません、質問を再開します」

 

ほー、政府とは関係無いとおっしゃる……つまりここで手を出しても日本政府には迷惑は掛からないと……なるほどなるほど。

質問に答えるのを止めて座っていた椅子に浅くかけ直し机に近づいて相手との距離を詰める。

距離にして1メートル程、遮蔽物は無し。手を伸ばせば届く距離。

何度質問しても答えずニヤニヤしてたおじさんにしびれを切らしたのか罵声を浴びせて来たが気にせずニヤニヤを続ける。どうとでもなると思えば目の前の男の威嚇が非常に滑稽に見えてくる。

そんな精神的余裕を持って男を見ていたが遂に我慢が限界を迎えたのか急に日本語では無い言語を話ながらおじさんを殴って来た。

一応殴られてから反撃(デコピン)を行う。目の前の男はデコピンを食らって吹き飛び壁にぶつかり気絶してしまった。

散らばった書類をかき集め、念のため男の懐を漁って服も含めてモノを全部回収。鍵で扉は閉じられているがドアノブを捻ってねじ切った後に蹴破る。

 

わらわらと人が集まって来たがもう全部無視してサクッと帰る。呼び止められたり組みつかれたが全部無視。

そしてその日の夜に質問の様子を録画した映像をyoutubeにUPした。当然モザイク加工は一切なしで。




政府からのメールで向かったおじさん

そこで行われた会議は……会議と呼べるものでは無かった

次回、おじさんと政府2

Q.どうやって録画したの?
A.テレポートの対象をおじさんにして穴から撮影
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