【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く3   作:タラバ554

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7 おじさんとお酒

おじさんはlv4になっても今まで通りの階層を攻略していた。同時に一つ前から取り掛かりたいと思っていた事に手を出し始めた。

その為に買って来た「ソーマの酒」 これを今からホームで色々と調べ尽くす。

 

「おじさん、昼間から酒かい?」

「ヘスティアちゃん、これは飲む用じゃないよ」

「そうなのかい?」

「前からどうにか作りたいと思ってたものがあってね。ソレの参考用に買って来たんだ」

「お酒でも造るのかい?」

「いいや、作るのは靴下」

「……靴下?」

「冒険者ってさ……足元蒸れるのよ……」

「???」

 

神には縁の無い事だが冒険者で水虫に掛かっているものは割といる。そしておじさんは幸いかかってないが今後かからないとも言い切れない。

 

「なので! 今後の為にも今の内から対策するアイテムの開発を行います!」

「そんなに気合入れるものかい?」

「……ベル君が水虫になって戦闘中に集中力を欠いたら?」

「!?」

「それが原因でモンスターにやられたら?」

「!??!?」

「そんな事にならないよう対策アイテムは?」

「必要だ! 今すぐ開発するんだおじさん!」

「と言っても実はひな形はあるんだよね」

 

そう言って五足靴下を出す。これは日本で買って来た量産品、コイツに手を加える予定だ。

 

「というかコレとソーマの酒がどうやったら結びつくんだい?」

「うん、前から思ってた事あってさ、マジックアイテムってあるじゃん」

「魔剣とか?」

「魔剣が代表格かな……早い話が品物に魔法を付与して発動させるだろ。ソレを靴下(コレ)で出来ないかと思って」

「余計に分からない、酒と靴下だぜ? どう結びつくのさ」

「この酒ってさ、魅了(チャーム)効果があるんだよ」

「は?」

「と言っても本来の魅了と違って依存性のある麻薬みたいな効果でね。正直質が悪い」

「ちょっと待った、でもソレを作ってるのは神ソーマだろう? 神は力を封じてるからそんな事出来るはずが……」

「そう、人と変わらない身の神が独力である種のマジックアイテムを創作してるんだ。逆に言えば仕組みさえ分かればおじさんでもマジックアイテムを再現する事が出来る。そんでもってそのサンプルは此処にある。更に更にソレを丸裸にする方法をおじさんは自分の世界から持ってきましたよっと」

 

そう言ってトラベラーで取り出す各種分析の為の機械の数々。

 

「それじゃあ、ちょっと気合入れてやってみるか」

 

◆◆◆◆◆

 

それから暫くは酒の成分分析を中心の生活をした。時に試飲したり手を加えて魅了の効果を整えたり。

過去の『体験したことの無い記憶』が大いに役立ち酒に関しては大いに成果が出るものの、魅了効果の発生に関しては思わしくない。

味に関しては正直上回るのはそんなに難しくないが魅了効果の発生は今の所再現出来てない。神だから? しかし神と人で違うのって何だ?

一番分かりやすいのは神の力(アルカナム)奇跡を起こせる力だけど使えば天界に強制送還だから使ってないはず……いや、もしかして無意識に使ってる?

もしそうだとしたら再現は出来なくなるけど……その場合は【神秘】アビリティが無いと作れないって話に……待て待て他に何か無いか。

いかん、行き詰まってる。いったん休憩しよう。居間でお茶でも入れるべ。

頭を空っぽにして考えたが……。

 

「う~~~ん、分からん!!!」

「何だいおじさん、珍しく行き詰ってるじゃないか」

「ちょーっとね。って言うかヘスティアちゃんこそ、この時間に居るの珍しいじゃない」

「何言ってるんだい。昨日ベル君と話したじゃないか、今日サポーター君を連れてくるって」

「? 言ってたっけ、そんな事」

「熱中すると周りが見えなくなるのは君の悪い癖だよおじさん」

 

◆◆◆◆◆

 

「リリルカ・アーデです。初めまして」

 

ベル君、ヘスティアちゃん、そしてサポーターちゃんの三人が話してるのを横目にとりあえず紅茶でもとお湯を沸かす。

お茶とお茶請けを皿に盛って居間へ向かうと何か三人で乳繰り合ってた。

 

「ベル君さっそくハーレム作ったの?」

「ちっ、違いますよ!」

「おじさんもファミリアにお金は入れるけどハーレムの維持費は流石に……」

「だから違いますって!」

「っと、そうだ! エイナさんとギルドに行って会わないと!!」

 

そう言って走り出すベル君。

 

「あ~あ、行っちゃった。……取り合えずお茶飲む?」

「貰うよ」

「いただきます」

 

◆◆◆◆◆

 

「んじゃ、自己紹介しとこうか。ヘスティアファミリアの副団長、おじさんだ。宜しく」

「えっと……それはお名前でしょうか?」

「名前だよ。おじさんって名前」

「……個性的なお名前で」

「別に変な名前と言ってくれて良いんだよ? 実際変だし」

 

紅茶をちびちびと飲みながら何と言っていいか思案しているリリちゃん。横で優雅に紅茶を口にしているヘスティアちゃん。

警戒心が解けてないので世間話をしているとリリちゃんがソーマファミリアである事が発覚。

 

「折角ソーマファミリアの子が居るんだから試してもらっても良いかい?」

 

そう言っておじさんの作ったお酒を紅茶にちょいと混ぜる、警戒しながらも口を付けるとスルスルと飲んでいき全部飲み切った。

 

「おいしい……」

「おー、良い感じ?」

「はい、リリが今まで飲んだお酒より……各段に」

「おじさん! ボクにも!」

「はいはい、どーぞ」

「んふふーん……へぇ、凄く良いじゃないか。果実の香りに甘い舌ざわり……これ売り物になるんじゃないのかい?」

「そりゃソーマの上位互換だから売ろうと思えば売れるでしょ」

「ソーマ!??!」

 

椅子から立ち上がったリリちゃんが驚いた表情でおじさんの手元の酒瓶を見てる。

 

「残念だけどコレはソーマじゃないよ。ソーマを解析して作ったおじさんのお酒」

「ソーマ様のお酒を……解析?」

「しっかりと寝かせる前の若い酒だからこんなもんだけど、熟成させりゃもうワンランク上の酒になると思うな」

 

そう言いながら今度はカップにそのままのお酒を注ぐ。注がれたお酒を恐る恐るリリちゃんが飲むと震えるように声を絞り出した。

 

「言われてみれば……ソーマ様のお酒の味がします……でも、こんな……」

「魅了効果が無いのがそんなに変?」

「魅了?」

 

呆然としているリリちゃんにソーマを解析した結果を伝える。酒に魅了の効果があると伝えると愕然としたが何やら納得していた。

何を驚いているかは今一分からんが折角なのでおじさんが実験で作った酒を幾つか振る舞い味の品評会をしてみた。

どうせ作るなら旨い物を作りたい。料理酒とかに使うにしても不味いより旨い方が良い。

そうやって酒盛りをして気づけば夜になっていた。ベル君が帰って来た時には二人して酔いつぶれていたが二人共ベル君に介抱されていたので本望じゃないだろうか。

因みにベル君には下半身が元気になるお酒をちょっと飲ませてから二人の居る部屋へ放り込んでおいた。

あの年の子なら間違いなくハッスルするだろう。頑張れヘスティアちゃん、リリちゃん。

 

◆◆◆◆◆

 

そこからまた暫くおじさんはお酒の解析に熱中した。だがどれだけ調べても一向に成果が出ない。

本格的に行き詰まっていたら何かベル君がlv2になったらしい。

……こりゃロキちゃんのスタイル戻しに行かないとなぁ。折角だし日本でカメラ仕入れてくるか。




水虫対策のマジックアイテム開発に手を出したおじさん。だがその道のりは遠く手がかりが無い五里霧中。
おじさんはマジックアイテムを作る事が出来るのか。

次回、おじさんと撮影会

需要と供給……あると思います。
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