【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く3   作:タラバ554

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73 おじさんと旅行3

おじさん達が温泉を楽しんでいる頃、ヘスティア一行は温泉街を歩いていた。街中を歩いてみたいというヘスティアのリクエストでヘスティア、ミアハと連れ立って街中を散策している。

そして物おじしないヘスティアの性格とおっとりしたミアハの性格が嚙み合った結果、温泉街を営むご高齢の店員に気に入られ色々と商品を勧められる。

当然というかお金の心配が無い彼らは全部買っていく、そしてその美味しさに全員が感動するもんだから店員さんもどんどん紹介してあれもこれもと食べ歩く事に。

流石にお腹が膨れて来た頃に勧められたのが足湯。

服を着たままでも入れて男女も気兼ねなく喋れる。そんな謳い文句に飛びついたのはやはりヘスティア。

全員で足湯へ移動して靴を脱ぎ、足を湯舟につける。

 

「っく~~~~~~、っは~~~~~」

「あ”~~~、コレは声が出ますね~、神様~」

「あ~~、これはいけません……足だけなのに~」

「ふふふ、皆さんもやはり出てしまいますよね。んっ、ふ~~~」

「おぉ……ふ~、ほれナーザも入ってみろ」

「はっ、はい……わっ、あ~~~」

 

全員が足湯に浸かり力が抜けていく。秋口の少し冷たい風と真逆の暖かな湯舟。相反する感覚に尚の事力が抜けてしまう。

 

「あ~、コレ思ってた以上にヤバイかも……ホームに追加出来ないかな」

「いいですね~~、でもこんなのホームにあったら動けなくなっちゃいますよ、神様」

 

もうぐだぐだである。とろけきった顔で喋るヘスティアとベルを横目にリリと春姫が看板の効能を読む。

 

「疲労回復、関節痛、筋肉痛に効果があるようです」

「気持ちいいですよねぇ」

「ほう、薬師としては気になるな」

「帰りに少し汲んでいきますか?」

 

 

 

とろける二人を他所に足湯の効能に興味を示す4人。そんな6人を監視する警察の人達。

正確には異世界人を監視する警察官たち。

兎に角トラブルが起きない様にという上からの命令だが、何がトラブルになるか全く予想が付かない上、警備責任者はこの後に控えているイベントを考えると胃が痛くなる思いで指揮を執っている。

出来る限り地元住民には説明と協力を仰いだ、動かせない予約客は兎も角、空いている部屋は全て此方で抑えてトラブルの種も極力減らした。これで乗り切れると信じたい。

 

「(どうか無事に任務が終わりますように)」

 

基本無神論者である彼がつい頭の中で祈ったが、祈る対象が遊びまわってるのでなんとも言えないが……祈る本人はソレに気づく余裕が無い。

 

 

 

旅行初日の日中は特にトラブルらしいトラブルも無く、全員が無事に旅館へ到着。トラブル等が無かったか等の確認を行ってからそのまま宴会場で晩御飯へとシフト。

出てきた晩御飯は地獄鍋。たっぷりの野菜に真っ赤なスープで辛口なのだが、その反面野菜やお肉の甘味が引き立ちお箸が止まらない。やはりメンバーの殆どがペロリと平らげてお代わり要求。

折角なのでおじさんは日本酒を冷で追加注文。イシュタルちゃんとアイシャちゃんが興味深々なのでちょいとおすそ分けしたら全員がズルいとブーイング。

自分で注文しなさいと言った瞬間全員が手を上げるんかい。

そこからは酒を飲んでのどんちゃんさわぎ。職や酒が向こうよりべらぼうに美味いのもあって皆タガが外れてんなぁ……。

ふと気が付いたがヘスティアちゃんの横にノートPC? ちょっと気になって見に行けば……。

 

「おん? ロキちゃんじゃん」

『あ!? おじさんか! コレはどういう事や‼‼‼‼』

 

PCにあったのは通話用のアプリに映し出されるロキちゃん。

 

「どうもこうも……身内で旅行?」

『~~~~っ、何でウチも誘ってくれんのや‼‼‼‼』

「いや、流石にロキちゃん所の規模は……(行けなくもないが)、それに此処に居るのは基本ヘスティアちゃんと普段交流がある世話になってる神達な訳で」

『ぎぎぎぎぎ』

 

お前ははだしのゲンか、と突っ込みそうになるが自重。

 

「つーか何でヘスティアちゃんのPCと繋いでるの? 二人ってそんなに仲良かったっけ?」

『あ"あ"!? んな訳あるか! ドチビが急に繋いできて出て見ればずっとこのどんちゃん騒ぎ魅せられてるんやぞ!』

 

どうやら完全に自慢したくて繋げたらしい。視線をヘスティアちゃんに向ければテヘペロしてるし……これは確信犯ですわ。

 

「やぁロキ~」

『おどれドチビィ! 何のつもりや!』

「勿論自慢だけど? オラリオから出れない君に少しでも旅行の楽しさを味わってもらおうと思ってねぇ?」

『お前~~~~!』

「あ~はっはっは! ボク達はこっちの料理にお酒、観光と忙しくてね! あと数日はこの調子で各地を飛び回るんだ! 折角だからその様子くらいは君にお裾分けしてやろうっていうボクの親切心だぜ? 受け取ってくれよ!」

『こいつ~~~! おう! おじさん! 今すぐウチを迎えにこい!』

 

えぇ……飛び火~。

 

「いや、無茶言うなよ……旅行はちゃんとスケジュール組んでるし追加の部屋や料理の手配とかめっちゃ時間使うんだからスケジュール的にも無理だって」

『むぎいぎぎぎ~~~‼‼‼』

『ちょっとロキ~? 五月蠅いんだけど~?』

 

あ、ティオネちゃんじゃん、やっほ。

 

『へ? おじさんじゃない……っていうかコレ何? ちょっとロキ?』

『えぇい! 知らん知らん! ウチはもう飲む! 缶ビール位飲まんとやっとられん!』

「おや~ロキは缶ビールなのかい? そっかぁ、そうだよね。そっちには缶しか無いのか、そりゃ残念だ! ギンギンに冷えた瓶ビールの旨さとか、日本酒の美味しさはそっちじゃ味わえないもんねぇ~!」

 

ヘスティアちゃん、ここぞとばかりに煽るじゃん。

 

「この日本酒のお冷と暖かいお鍋のハーモニー、ちょっと体が冷えた時に飲む熱燗の体の内から温めてくる感覚。これが味わえないとは……残念だね~~~」

『むぎゃあああーーーーーーー!!!!』

「だーっはっはっは‼‼‼‼」

『ねぇ、おじさん。コレなに?』

「おじさんにも分からん」

 

結局この後ロキはガレスを巻き込んでPCの前で盛大に愚痴りながら酒盛りしていた。ガレスもガレスで味あわせろと叫んでたから戻ったらめっちゃ酒を注文されそう……取り合えず買い物リストに地酒を突っ込んでおくか。




トラブルを心配する政府

楽しむ異世界組

しれっと煽られるロキ

次回、おじさんと旅行4
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