【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く3   作:タラバ554

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81 おじさんと旅行11

鹿島神社に到着した。道中色々とあったが……(主に自分の神殿があるかの確認)どうにか無事到着した。

 

「でだ……こっちでの自分の神社ってどんな感じ」

「不思議だな……私は此方では顕現してないし……ましてや残り香すらないのに、此処が自分の社で信仰されてるのが分かる。……すまん、なんとも言えん」

 

そう言って涙を拭くタケミカヅチ。感極まったらしい。

他の神々も思う所があるのか全体的にしんみりというか、感動してるっぽい……。それに合わせて眷属も静かにしてる。

何かもっと派手に喜ぶと思ったけど……何か想像してたのと大分違うな。

 

「もっと喜ぶかと思った」

「いや、喜んでるぞ? 何というか……不思議な気分でな」

「そう? 喜んでるならいいや」

 

神社内をゆっくり歩きながらのんびりする。社務所で関係者に会いタケミカヅチを紹介。

本気で緊張してるのが分かる。まぁ日本じゃ有名だしね、タケミカヅチさん。

 

「そ、そうなのか?」

「神社でこんな事言うのもどうかと思うけどさ、この国って無神論者が殆どだし神とか信じてる方が珍しいけどアニメ・ゲーム・小説とかでタケミカヅチさんの名前って割と出るから知ってる人は結構居るよ」

「うーん、何か素直に喜べんな……」

 

VIP待遇で案内されてる、いやまぁこの世界のじゃないけどホンモノが居れば当たり前の反応だろうけどさ……。

 

「だからって恩恵授けるのは駄目です」

「そっ、そこを何とか!」

「何ともなりません」

「だが私の氏子で!」

「例えそうだとしてもこの世界の武甕槌大神の氏子であってタケミカヅチさんの氏子じゃありません」

「うぐぐ」

 

感極まって恩恵授けようとするんじゃねぇ! 無神論者の日本でコレって……ガネーシャさんとかどうなるねん。

インド系は駄目かもしれんな。後、他の神も囃し立てるんじゃねぇ! 二度とこっちに連れてくるの止めるぞ!?

ムキムキマッチョの男神が泣くのを止めろぉ! つーか神社関係者もおじさんに縋りつくの止めろ!

 

興奮してドタバタしてたので神社の一部を借りてお茶を飲んで落ち着く事に。

冷静を取り戻したタケミカヅチさんはさっきまでの言動を恥じて小さくなってるがその動きに興奮してる命ちゃんはもう駄目かもしれん。

恋で盲目になってる命ちゃんから目を逸らしつつ宮司さんに話を振る。

 

「そーいや此処って武甕槌大神を祭ってる以外に何かやってるんです?」

「ええ、ありがたい事に幾つか祭儀を取り扱わせて貰っています。他にも御祈祷等も幾つか」

「あー、そういや元陛下に何か言われてたけど正直緊張でぼんやりとした覚えてないけど……剣がどうとか言われてたな」

「聞いております。『古事記』神武東征の段に書かれている韴霊剣(ふつのみたまのつるぎ)ですね。少々お待ちを」

 

そう言って席を外した宮司さんが暫くして巫女さんを連れて戻って来た。巫女さんの持つ台に乗せられた直剣。

何でも本物は"お遷し"したらしいが信仰の対象として長大な神剣「直刀」を作り「二代目の韴霊剣」として奉納しているんだとか。

それをタケミカヅチさんが手に取り眺める。そしてヘファイストスさんやそのファミリアも興味津々。

 

「確かに私の剣ではない。だがコレは韴霊剣だ。人が作り、想い、信仰が作り上げた韴霊剣。二代目の韴霊剣と言って差支えは無いだろう」

 

そう言ってから直剣をヘファイストスさんへ渡すタケミカヅチさん。眼をキラキラさせながらまじまじと見るヘファイストスさん。

 

「~~~~~っ! 凄いわね! 私達の世界だとまずお目にかかれないわ! 技術がどうのとか、材料がどうのって話じゃなくて信仰を長年受けて完成された剣……戦う剣じゃなく象徴としての剣だけど、これは間違いなく神器に至るモノね」

 

別世界そして異国のとは言え鍛冶の神のお墨付きだ。当然ながら宮司さんも含めて関係者は誇らしげな感情が隠しきれてない。

こんな感じで色々な説明を受けては本人(?)から感想を返されたり、裏話的な事を教わったりで終始ニコニコな顔で鹿島神社の見学は終わった。

 

 

 

ワールドテレポートのリキャストもあったのでその日は近くで宿を取ってもらい一泊。翌日に帰る事に。

その日の夜に神々だけで集まりこのような会話が行われていた。

 

「何といえば良いかな……随分昔に出て行った息子の立派な姿を見た? 生き別れの兄弟を見つけた。そんな謎の感動だったな」

「良いな~タケは。ボクの神殿も何処かにあるのかな?」

「ふむ……私も少し興味があるな。私の場合は神殿などがあるのか?」

「私は自分の神殿より工場の方が見たいけど」

 

等と此方の世界での自分の神殿に関して思いを馳せる神々。

 

「ヘファイストスは工房=工場=神殿みたいなものじゃないか!」

「お前ら身内で言うのは勝手だがおじに無茶は言うなよ」

 

あきれ顔で他の面々に言い放つイシュタルだがソレに食いつくヘスティア。

 

「何でだよ! 良いじゃないか! ボクの眷属だぞ!」

「その前にワタシの夫だ」

「うぐっ……」

 

ソレを言われると強く言えないヘスティア。それを見て苦笑する周りの面々。

 

「いやしかし凄い経験をしたな」

「ああ、正に未知の連続だ」

 

タケミカヅチとミアハが口を揃え今回の旅行を振り返る。すると思い出したようにヘファイストスがヘスティアへ告げる。

 

「ロキ辺りが向こうで発狂してるんじゃないの? ヘスティアってば時々ロキにメールで動画送ってたでしょ」

「ん? あ~ロキの奴がパソコンの前で地団太踏んでるのは最高に気持ちが良かったよ!」

「アンタ程々にしておきなさいよ? ただでさえベル・クラネルの事で他の神のやっかみ買ってるんだから」

「はん! 言わせておけば良いのさ! 何かあればボクのファミリアはアラハビカに行く予定だしね」

「アンタね……」

 

 

 

翌日、無事にアラハビカに戻った後。タケミカヅチさんから相談というか……今回の件の礼がしたいと言われた。

礼と言われても旅行に誘ったのは主にヘスティアちゃんなのでソッチへどうぞと言ったがそれはそれで礼をするらしい。

困ってイシュタルちゃん、ヘスティアちゃんと相談したら武術を教えてもらう流れになった。併せてスキルの検証も手伝ってくれるらしい。

ラッキーと思って色々試した所、まぁ出るわ出るわ。おじさんのスキルの詳細。

何か自分が思ってた以上にスキルの幅ってえげつないのね……後、タケミカヅチさん。脳筋とか思ってすいませんでした。反省しときます。




旅行から帰って来たアラハビカ一行

神に謎の感動を齎した建御雷神を祭る神社

次回、おじさんとスキル

壊れ性能のスキルがまた壊れる
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