【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く3 作:タラバ554
「いらっしゃーい」
「お邪魔するでー!」
そう言ってアラハビカの『社長室』と書かれたプレートの部屋へ入って来たのはロキちゃん。そして続いて入って来るのはガレスと……ベート?
「なんか意外な組み合わせで来たなぁ」
「そうか? ベートは意外とウチの言う事を聞いてくれるで?」
「ッケ!」
不満そうにそっぽを向く犬……、もといベート。
ガレスは予想してたけどベートは候補にすら上がらなかった……うーん。
「ねぇロキちゃんや」
「なんや?」
「ベートってこーいうの食べて平気?」
そうやって共通語に翻訳をかけたwebページを見せる。
「んー? 玉ねぎ、ニラ、にんにく、アロエ、アボカド、シナモン、銀杏、わさび、唐辛子、山椒? 平気やろ、別に好き嫌いなんて無い……ってコレ何やこのタイトル……『犬が食べてもいい野菜・ダメな野菜』?」
「オレは犬じゃねぇぞ‼‼‼‼」
ガレスの盛大な笑い声をBGMにしながら接待用の部屋へ三人を連れて行く。
到着した場所は12畳程の和室。早速北海道で仕入れた海鮮を中心に料理を出してもらう。
「おっ、ヘスティアのアホが見せてた奴やん」
「ほほ~、実際にみると本当に美味そうじゃの~」
ヘスティアちゃん北海道でもやってたんかい……。スルーしながら三人に酒を注ぐ。
「「「乾杯~」」」
「……」
全員で最初の一杯を飲んで一息ついた所で疑問を投げかける。
「いや、ベートは何でそんなにムスーっとしてるの?」
「こやつはお前とアイズの仲の良さに嫉妬しとるんじゃ」
「違げぇよ! 黙れジジイ!」
「ホンマにベートはアイズたんの事好きやな~」
「ロキィ! 酔うのが早すぎだろぉが!」
一升瓶でロキに渡した『神殺し』は甘くフルーツの様な香りで滑らかな舌触りだが、その反面ズシンと来る飲みごたえで一部ののんべぇに人気の作品。
思いの他相性が良いらしく早速ぐいぐいと飲んでる。そしてコレが新鮮な海鮮と良く合うのだ。
「うんまっ! 何やコレ! 貝がクリーミーで、貝柱は歯ごたえ抜群……、この生の奴もわさび醤油で……かーーーっ! たまらん!」
「うむ、うむ。この日本酒と炙った魚の相性の良さよ……付け合わせも口の中をサッパリさせてくれて酒がぐいぐい進むわい!」
ガレスが飲んでるのは芋焼酎の『女神』でガツンとした辛口で胃から駆け上がって来る酒精が特徴。濃い塩味の焼きホッケとよく合うだろう。
のんべぇ二人は適当に飲ませておいてベートだ。わざわざ来たんだからせめて楽しんで貰わんと。
「んじゃー……ベートにはコレとかどうよ」
「あん?」
そう言って渡すのはおじさんがアメリカの家族経営してる蔵から買って来たクラフトバーボン。特に銘柄は無いが地味におじさんの好きな酒。
グラスに注ぐと柑橘類やバニラを思わせる香りがふわりと漂う。まずはストレートで渡し一口飲んでもらう。
「……うめぇ」
少し嵩が減った所で炭酸水を追加。炭酸水自体が珍しいのかちょっと驚いてたが口を付けたら満更でも無さそう。
それを見ていたのんべぇ二人が自分達にも飲ませろコールが始まったので追加をどんどん出す。
ソコからはもうただの宴会である。飲んで騒いで。
大分場が温まりストレスも減ったであろう所で話題を出す。
「近々おじさん闇派閥を粛清するつもりなんだけどロキファミリアも加担しない?」
瞬間、雰囲気がピリっと変わる。この辺は流石と言ったところか。
「なるほど、ソレがウチらを今回誘った本命って訳か」
「いや、コレはついでで本命は完全にヘスティアちゃんの尻拭いだけど?」
「「「「……」」」」
「ソレがウチらを今回誘った本命って訳か」
「テイク2やるんかい」
◆◆◆◆◆
話し合いが終わってイシュタルファミリアの面々も混ぜて宴会を続けた。当然イシュタルちゃんも混ざる。
当然というかイチャイチャする訳ですが……まー、ベートが寄って愚痴る愚痴る。
アイズと上手くいかないだ、中々素直になれんだ。その間のんべぇは我関せずで宴会を続行。
「おじさん前から思ってたけどさ……ベートって人付き合い下手よね」
「あ?」
「一匹狼は良いかもしれんけど他人と協調性取らんと恋愛にならんぞ? 特にアイズちゃんなんてコミュニケーション下手の代表みたいな人間なのにベートまでそんなんじゃ恋愛に発達する訳が無いやん」
「なん……だと……」
何でそんな『嘘だろ?』みたいな顔してんの? 今まで指摘してくれる人居なかったのかよ。
ヘスティアちゃんの尻拭いをするおじさん
ベートのコミュ力不足を指摘するおじさん
次回、おじさんとIT化