【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く3   作:タラバ554

96 / 119
96 おじさんとリリ2

折角魔剣の話をしてるから以前から疑問に思ってた事を聞いてみる。

 

「そもそもの疑問なんだけどさ、魔剣ってどうやって魔法使ってんの?」

「素材を組み合わせて」

「いや、そうじゃなくて」

 

魔法の発現に対して魔力の供給ってどうやってるのかって話。

 

「例えば、オラリオの街頭だと魔石使って光を得てる、魔石を使って劣化したら変えるとまた光が灯る。魔剣ってそういうエネルギーは何処から供給してるのかなーって」

「……俺の課題でもあるから考えた事はあるが結局使用回数の変更位が関の山だったな」

 

回数の変更とは?

 

「そうだな、魔剣を作った時に何となく『この位は使えるな』って感覚がある。それを意図的に減らして、その分を威力に上乗せするんだ。逆もまた然り。使う素材を変更しても内包する魔力が多少増えるだけで根本的な解決には至らなかった」

「つまり威力と使用回数を天秤にかけて振り分けが出来る訳かぁ。あれ?」

「要するに供給無しで使い続けて……人で言えばマインドダウンで餓死するのが魔剣という事ですか?」

「魔剣は魔剣、そーいうもんだ。俺だって外から魔力を持ってこれる様になれば解決するとは思ったがソレが今の所上手くいかないんだよ」

 

ヴェルフ君が頭をかきながら溜息を吐く。

 

「俺の目標は『壊れない魔剣』。こいつを作り上げる為に今も鍛冶を続けてるって訳だ」

「ならば魔剣を外付けのハードウェアと考えるのはどうでしょう?」

「うーん、それをするにしたって魔力を外から持ってくる機構が無けりゃな」

「そうなると魔力を通す事で発動するという機構が一つ目の課題ですね」

「……おじさん、さっきからどうしたんだ?」

 

じっと黙って考え事してたらヴェルフ君に声かけられた。

 

「いやー、何かさっきから引っ掛かってるんだけど……思い出せなくてもやもやしてんの」

「結構時間も経ってるし一休みしますか?」

 

ちらりと時計を見る彼に促されて時計を見ればもう深夜2時。こりゃ頭も回らんわ。

 

「んじゃ、今夜は寝て。明日改めてディスカッションすっかー」

「はい」

「うっす」

 

◆◆◆◆◆

 

色々と話し合った結果、おじさんはリリちゃんの肉体の底上げ、ヴェルフ君は必要な魔法が付与された武器の開発、アスフィちゃんは魔力の供給機構の作成。

何はともあれ進みださないと分からん事もあるだろうという事でやってみる事に。

 

その日の内に三人でオラリオに戻り早速作業に取り掛かる。

 

「んじゃ、リリちゃんの肉体改造のステップ1をやってくぞー」

「よ、よろしくお願いします」

「実際にやるのはマッサージだし……合間にアニメでも見る?」

「あ、じゃあお願いします」

「へーい。因みにヘスティアちゃんが薦めて来た奴流すね」

 

そう言ってからメイドインアビスを流す。彼女也のブラックジョーク……だよな?

 

「一応目標というかプランとしちゃ『勇者』を指針としてるってのは説明したよね」

「はい、実際に先達が居るのだからソレを指針にすると」

「うん、それに伴ってリリちゃんはアレを目標に今後鍛錬を積んでもらう予定だから頑張ってね」

「はい!」

 

施術後、改めて説明を。

 

「さて、施術結果だけど今回はステータスに乗らない部分の改善ね」

「ステータスに乗らない?」

「もっと根本的な所を弄ってるからね、建物で言えば土地の整備だとか土台の設置みたいな……だからこそその上に乗るもの、つまりステータスの部分が大きく変わって来る。今は最初だからほんの少しの変化だけど徐々に変化を増やしていって今後のリリちゃん用の奴を使いこなせるようになってもらうから」

 

施術台の上で手をぐーぱーしてるリリちゃん。一応コレも資料として撮影了承済みなので後で纏めよう。

取りあえず隣の部屋で積み木を立てる所からスタートしますか。

 

「あの……流石にリリもそれ位は余裕「おっと」なん……へ?」

 

一歩を踏み出した瞬間壁に激突しそうになるリリちゃんをダイレクトキャッチ。

 

「あっ、あの……コレは?」

「何って……リリちゃんが動いたんでしょうよ」

「そうではなくて! 何で一歩動いただけで壁に激突しそうになるんですか!?」

「……施術したから?」

 

絶句してる所悪いけどそれに慣れてもらうからね? 初期段階だから1週間もあれば慣れるか?

 

 

 

生傷が絶えない状態のリリちゃんが自分の身体を制御できるようになり始めるのに1週間。問題が無くなるまでにトータル2週間。

やっぱり掛かるなぁ。

 

「んじゃ、さっそくダンジョン行くか」

「「「はい!」」」

 

メンバーはおじさん、命ちゃん、春姫ちゃん、リリちゃんの4人。潜る先はダンジョンの3階層。

特に強い敵も居ないしリリちゃんの試運転と春姫ちゃんの動きを見るなら丁度いい。

最初に春姫ちゃんの動きを見てたけど……ゲームと同じ動きしてるやん……命ちゃんナニコレ?

 

「それが春姫殿がゲームを持ってきて、『コレと同じ動きをしたいです』と言って。折角なのでソレを参考に動きを指摘していたらああなりまして」

 

エフェクトこそ無いけどやってる事がモンハンの太刀やんけ。いや、武器は刀、大太刀か? 兎に角モンハンの太刀と殆ど同じ動きだけども……えぇ、ソコから繋げていくの? 君の視点でどないなっとんねん。

いや……えぐぅ、何で目玉だけ綺麗に斬りつけられるの? 練習台の機械カエルじゃないんだからさ。

舞いの様に戦うけどやってる事は部位を一つ一つ丁寧に斬ってるし。

 

「おじさま! どうでしょう!」

「お、おう……良いと思うよ」

「やりました~命ちゃん」

「はい! 春姫殿!」

「おじさん……本当にアレってLv1でしょうか?」

「ステータス上は」

「リリの方がLv1なのでは……」

「いや、君も大概やからな?」

「へ?」

 

そうして春姫ちゃんとリリちゃんが交代して狩りをスタート。狩りをスタートした瞬間、命ちゃん、春姫ちゃんの視界からリリちゃんの姿が消える。

この2週間でリリちゃんが手に入れたのは瞬間的な出力。この子緩急の使い方が異様に上手い。

 

「え?」

「ふぇ?」

 

次々と倒れていくゴブリン。まだ良きがあるゴブリンに近づいて見て見れば急所にキッチリ一撃を入れて場合によっては手足も壊してある。

無音のままゴブリンが現れては倒れていく様は奇妙で肝心のリリが見えない二人は辺りを見回すばかり。

そんな光景が10分もした頃に岩陰からひょっこりとリリちゃんが戻って来る。

 

「はーーー、どうでしょうか? リリ也に上手くやったと思うのですが」

「うん、上手上手。特に人型だからかな、手足の処理も一瞬だったし良かったよ」

「頑張りました!」

「「いやいやいや」」

 

リリちゃん、彼女の観察眼は何か思ってたのとは別方向に働き始めた。

普段は全体を俯瞰するように見ている敵の視線や移動。それが対戦闘になると如何に効率よく倒して見つからないかという方向へ。

そんな彼女に戯れでメタルギアソリッドやらせたらスニークキルする事に目覚めた。

司令塔という役目を担いながら状況に応じて暗殺者に変わり遊撃する。今はスペック的に下層じゃないと通用しないけど、このまま強化したらLv相応の所でも問題なく行えるようになるはず。

 

多分強いと思います。

 

 

 

そんな試運転から帰って来た後、経過報告でアスフィちゃんが効率は悪いが魔力を流す機構を作り上げた。かなり無茶な注文だったのに良く出来たもんだ。

 

「良く作れたね」

「普段なら資金面で使わない様な素材も使いましたからね……ただ効率が悪すぎるので魔力を流す部分の素材を色々と試さないと」

 

ここから鍛冶師として金属の扱いには得意なヴェルフ君も交えて色々と検討していたが……武器の話になると議論が加速した。

 

「だから武器なら(リボルケイン)でしょう!」

「何言ってる! 初期なら(サタンサーベル)だろ!」

「いいえ!作るのならこだわらないと! ならばこそ最終兵装である杖でなければクリエイターとは言えません!」

「それはRXだろーが! 今はコンセプト的にBlackだから絶対剣だ!」

 

二人のブラックが持つ武器は何が良いかという話が終わらないのでおじさんはうんざりしてた。

 

「いっその事色んなパターンの武器作ったら?どうせおじさんのトラベラーと同等の機能は持たせるつもりなんでしょ?」

「ソレはソレ!コレはコレです!」

 

ヴェルフ君も頷いてる。う~ん、職人だからか?




まじカル★サイレントキリング リリルカ・アーデ 爆誕

マジ狩り★舞姫 春姫 爆誕

次回、おじさんとヒッポロ系ニャポーン
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。