この作品は現在連載している他作品が行き詰ったため書き始めた作品ですので、毎日更新する時もあれば、更新を全くしなくなる時期もあると思います。それだけはご了承ください。
大体1200~2000文字を目安に書いていく予定です。
なお、作者は転スラに関してはとあるゲームの転スラコラボから知ったにわかもいいとこですので、結構認識に違いがあったりすることが多数だと思います。
それでも良ければ、どうぞ。
ある病院の一室。
「…もう春か」
俺、
「…あ、起きてたんだ航」
そんな俺の部屋に、一人の女性が入ってくる。
「
別に毎日来なくてもいいんだぞ?お前も就活とかあるだろうに」
コイツは
俺の幼馴染であり、俺の彼女である。
「…もうすぐいなくなるって言うのに、悠長に過ごしてる時間なんてあるわけないでしょ?
少しでも傍にいさせてよ」
「…それもそうか」
俺は一颯の言葉にそう言葉少なく返す。
…俺はもうすぐ、この世を去る。
もとから俺は体が弱かった。
勉強はなんとかなったもののスポーツは全くと言っていいほどできなかった。
小さい頃から入退院を繰り返したものの、なんとか高校は卒業できた。
だが、大学に入ると持病である心臓病が悪化した。
ひとまずはオンラインで講義を受けていたものの、それも満足に受けることが出来なくなり俺は大学を辞めざるを得なくなった。
それからというもの、俺はこの病院から出たことがない。
「…ありがとな、一颯。こんな俺を好きになってくれて」
「まーね。昔からずっと一緒にいたっていうのはあるけど、一番話しやすいし。
私からも、告白受けてくれてありがとね」
一颯はそう言いながら俺の体を抱きしめてくる。
俺もそれに返すように点滴が繋がれた右腕を一颯の肩に回す。
…こんな時間がいつまでも続けばいいのに。俺達はそう思っていた。
◇ ◇ ◇
ある日俺が目を覚ますと、俺の体は白く何もない場所に浮かんでいた。
体は動かそうにも全く動かすことはできない。
「…あ、俺死んだのか…」
昔からずっと死というものを覚悟してきた俺は、その状況をすぐに受け入れた。
「せめて、俺の体が強かったらここに来るのももっと後だったのかもな」
《確認しました、身体能力強化獲得…成功しました》
俺の耳にそんな無機質な声が聞こえてきた。
「…誰だ?まあこうなったら考えるのも無駄か」
《確認しました、ユニークスキル『知識者』獲得…成功しました》
どこからか聞こえる声はそのまま続けていく。
…まー、折角だし色々言ってみるか。もう死んでるんだし。
「あー…、折角ならなんか体術とか使ってみたいな。
使えたら強くなれるだろうし…」
《確認しました、戦闘スキル『六式』獲得…成功しました》
六式、ONE PIECEに登場する武術でありマスターすれば文字通り「百人力」の戦闘力を有するという。
…というか体術で六式が来るのかよ。
じゃあこいつはどうなんだろうか?
「強いと言えば600族…だよな。俺は全然ランク上位には行けなかったけど、あいつらの強さは本物だったし」
600族。伝説や準伝説クラスのポケモン以外で最高クラスの実力を持つ強力なポケモン達だ。
一体だけでレートが破壊されたという例も数多くある。
《確認しました、ユニークスキル『変身者』獲得…成功しました》
…マジか、これも行けるのかよ。
まあ、今までやって来たことに悔いはねえ。
後は野となれ山となれ…だな。
俺はそう思いながら意識を手放した。
◇ ◇ ◇
…俺が目を再び開けると、そこは水の中だった。
「モガッ(はあっ)!?」
俺がそう驚いた声を上げると、俺の口の中から大粒の気泡が出た。
(ていうかこ、ここはまずい…!
まずは息ができる地上に行かないと…!)
俺は光を頼りに水面へと泳いでいく。
(…っていうか、体が軽い…!
俺の体じゃねえみたいだ…!)
今までの体は動かすのも一苦労だった。
その体が軽く動かせることに俺は感動していた。
「プハッ!し、死ぬかと思った、…いや、もう死んでるか…」
陸上に上がった俺は、周りを見渡す。
「俺は死んだんじゃ…、っていうかここはどこだ…?」
周りを見渡すと、そこはゴツゴツとした岩が多数ある洞窟であった。
岩の中では鉱石…だよな、うん。…が光り輝いている。
どこの洞窟だ?でも、こんな洞窟現実にあるのか…?
「…にしても広いな、この洞窟」
洞窟は大きくどこまでも広がっていた。ホントにどこなんだよ、ここ…。
「っていうかこのコート重いな…。
水吸い過ぎだろ…」
俺はいつのまにか着ていた黒いコートを近くの岩にかけ、水面で自分の顔を見る。
「…俺の耳、こんなに長かったか?」
…俺の耳は長くとがっている、俗に言うエルフ耳になっていた。
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