転生したら600族に変身できる魔人になった件   作:W297

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9話 VS牙狼族!

 

「…さーて、やりますかね」

 

 俺はゴブリン達を前にしてそう気合を入れる。

 

 ちなみにリムルとは別行動。

 

 …リムルの奴、洞窟で回復薬の原料である「ヒポクテ草」を大量に食いまくったらしく、体の中で回復薬を調合していたらしい。

 

 …いや、そんなことできるのかよ、アイツ。

 

「リアス様、我々は何をしたらよいでしょうか…?」

 

 ゴブリン達は俺にそう聞いてくる。

 

「…そうだな。

 

 まずは牙狼族の攻撃に備えるために柵を作るか」

 

 俺はそう言いながら続けていく。

 

「お前ら、ある程度の大きさがある木材はあるか?」

 

「…いや、無いですね…。

 

 よければ家を壊して調達しましょうか?」

 

 ゴブリンの言葉に俺は首を横に振る。

 

「あー…、それはよしてくれ。

 

 お前らの中で力のあるやつは俺についてこい。

 

 それ以外の奴はこの村の中で使える武器を集めておいてくれ」

 

「了解しました!」

 

 俺は何人かのゴブリンを連れて村を出て木の根本に行く。

 

「…にしてもリアス様、木を切るには高くて届きませんよ?」

 

「大丈夫だ。…危ないから少し離れてろよ、…『月歩』!」

 

 …俺はそう言いながら地面を蹴って空中で態勢を取る。

 

「『嵐脚』!」

 

 そして俺は一気にちょうどいい大きさに木を伐り出していく。

 

「その木材を村へと運んでくれ。

 

 大きさはそのままで構わねえからっ!おらよっと!」

 

 『嵐脚』をくりだしながら俺はゴブリン達にそう指示して行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リアス、どんな感じだー?」

 

 柵をある程度作り終えると、リムルが俺に向けて声をかけてきた。

 

「ああ、とりあえず柵は出来た。

 

 こんな感じでいいだろ?」

 

「そうだな、時間も無いし上出来だ。

 

 …後はっと」

 

 リムルはそう言うと『粘糸』を出して、柵を補強していく。

 

「…さて、迎え撃つ準備は出来たかな」

 

 リムルはそう言いながら、柵の外を見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…およそ100匹、来たみたいだな」

 

 日が沈んで辺りが暗くなり月明かりだけが照らす中、牙狼族の足音が俺の耳に聞こえてきた。

 

 それから間もなくして牙狼族も現れる。

 

 突撃してくる牙狼族に対して、リムルが忠告していく。

 

「そこで止まれ。

 

 一度しか言わないからよく聞け。

 

 このまま引き返すなら何もしない。

 

 さっさと立ち去るがいい」

 

 リムルがそう言うと、牙狼族のボスはまったく気にしない。

 

「人間の村によくある柵か。スライムと人間風情が生意気な!

 

 お前たち、行けっ!」

 

 …一応俺、魔人なんだけどなー…。

 

 まあ、初見だと分かりにくいか。

 

 そして牙狼族のボスがそういうと他の奴らが一気に攻撃してくる。

 

 …だが、牙狼族たちはその前で見えない何かに当たって傷を負う。

 

「(リムルの奴、いい罠張ってくれてるぜ…)、放て!」

 

 俺がそう合図を送ると、ゴブリン達から追い打ちをかけるように矢が飛んでいき、牙狼族を襲っていく。

 

 リムルは『粘糸』で柵の補強をするとともに、『鋼糸』をその前のエリアに張り巡らせていた。

 

 いくらが牙狼族がゴブリン達より強かろうが、矢と『鋼糸』を避けながら柵に突撃するのは難しいだろう。

 

 仮にやっと柵にたどりついても、こん棒を構えたゴブリン達が控えている。

 

 …一応武器も見せてもらい、どれも大分ボロボロであったので木製ではあるが武器も新調させてもらった。

 

 使えるようにしておいて正解である。

 

 …まああいつらでも止められない事態が起きた場合は俺たちの出番である。

 

 見た限りはあいつらでなんとかなりそうだけど。

 

 そんな中、牙狼族のボスがしびれを切らしたのか突撃してくる。

 

 …流石はこの群れのボスと言った所か。

 

 仲間の血で濡れた糸を躱し、そしてすべてを食いちぎって突進してくる。

 

「調子に乗るなスライム如きが!

 

 ひねり潰してくれる!」

 

 そう言いながらボスは一気にリムルに襲い掛かる。

 

「リムル様っ…!」

 

 ゴブリン達がそう言うが、俺は確信していた。

 

「…あいつなら大丈夫だ」

 

 俺がそう呟いた直後、ボスの体は空中で止まる。

 

「…甘いな。

 

 『粘糸』だ、残念だったな」

 

 リムルがそう言った後、『水刃』を放ちボスの頭を地面に落とす。

 

 ゴブリン達からは歓声が上がり、牙狼族からは戸惑いが見られた。

 

「聞け、牙狼族よ!

 

 お前らのボスは死んだ!

 

 選ぶがいい、服従か死か!」

 

 …ん、リムルちょい待て。

 

 俺はリムルに話しかける。

 

「おい、リムル。狼ってプライド高そうだけど、「服従するくらいなら死を!」的な感じで攻めてこないか?」

 

「あっ」

 

「考えてなかったのか…」

 

 俺は大きくため息をつく。

 

 ぶっちゃけ逃げ出してもらうのがベスト。これ以上アイツらにも血は流させたくないし。

 

 それに数だとこっちが圧倒的に負けてる。俺やリムルがいるとはいえカバーできないところはあるだろう。

 

 …だが、牙狼族は動く気配がない。

 

 ボスがやられたから決められなくなってるんだろうか。

 

 そう思っているとリムルが牙狼族を捕食していた。

 

 そしてリムルは牙狼族へと擬態する。

 

 …うん、なかなかの再現度だ全く。

 

 俺がその再現度に感心しているとリムルが牙狼族に向けて話していく。

 

「…ククク仕方がないな、今回だけは見逃してやろう。

 

 我に従えぬと言うならば、この場より立ち去ることを許そう!

 

 さあ行けっ!」

 

 リムルがそういうと牙狼族は一気に平伏する。

 

「我ら一同、あなた様に従います!」

 

 …あら、案外すんなり。

 

 いや、リムルこっち見るんじゃねえ。

 

 狼の顔で「…え?」って顔をするな。

 

 …とにかく、こうしてゴブリン村の戦いは終わりを迎えた。

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