リムルが復活した次の日。
俺とリムルはリグルドに頼んで村の面々を集めてもらった。
俺が広場にある切株に腰を下ろすと、俺の頭の上に髭を付けたリムルが乗ってくる。
「…なんで髭付けてんの?」
「リアス君、こういうのは雰囲気が大事なのだよ」
「…つーかどこでその髭どっから持ってきたよ」
「…君のような勘のいいガキは嫌いだよ」
「いや、何も察するようなこと言ってねえだろうが」
俺とリムルがそう話していると、ザワザワと騒がしかったホブゴブリン達が静かになった。
「はい、今みんなが静かになるまで5分掛かりました」
リムルはよく学校の集会で先生が言いそうなことを言った。
…だが。
「「……?」」
ゴブリン達にはそのネタが通じていないみたいだった。
(持ちネタが通じないだと!?)
(いや、そりゃそうだろ。ここには学校すらないみたいんだからさ)
俺はリムルにそう伝えていくと、ゴブリン達がリムルの今の言葉の意味を聞いてくるので、俺は「気にしないでくれ」と話していく。
「えー、気を取り直して…。
見ての通り、俺達は大所帯になった」
「そこでなるべくトラブルを避けるため、いくつかのルールを俺とリムルで話し合って決めさせてもらった」
「「ルール?」」
俺達がそう話していくと、ゴブリン達からそう疑問の声がかかる。
「ま、最低限これは守ってくれって決めごとだな。
俺的にはルールを守ってくれるのであれば、ある程度は自由にしてもらって構わないよ」
集団生活において、ルールがないと物事は成り立たない。
ルールが一つ、どんっ!とあれば色々とやりやすいし。
俺がそう説明していくと、リムルがそのルールについて詳しく説明していく。
「じゃ、内容について説明していくぞー。
1つ、仲間内で争わない。
2つ、進化して強くなったからと言って他種族を見下さない。
3つ、人間を襲わない。
…以上だ。最低、この3つは守ってもらいたい」
リムルがそう話していくと、リグルが手を上げて聞いてくる。
「宜しいでしょうか」
「お、なんだねリグル君」
「何故人間を襲ってはならないのでしょうか?」
…うん、まあその質問来るよな。
疑問を持つのは当たり前だろう。
「リムル様とリアス様のご意思を…!」
リグルドがそう起こった表情を見せるが俺は手をヒラヒラとして「大丈夫だ」と話していく。
「いや、大丈夫だリグルド。リグルの思ったことはまさにそうだと思う。
疑問をしっかり聞くのは良いことだよ」
「ま、簡単な理由だ。俺とリアスが人間が好きだから、以上!」
「なるほど、分かりました!」
いや、軽くね!?
「リアス、詳しい説明頼む」
「あいよ。…ホラ、人間って集団で生活してるだろ?
あいつらだって無抵抗でやられるような奴らじゃねえからな。
1対1なら大丈夫かも知れねえが、もし複数人で攻められたらどうしようもない。
どれだけ強い戦士がいたとしても、数っていう大きな力の前には無力だからな。
それを避けるためだ」
「そういう訳で、こちらからの手だしは禁止だ。
仲良くする方が色々得だしな」
…まあ、俺たち二人は元人間だし。あんまり人間とは敵対したくはない。
もとより、この世界にいる元日本人に会いに行くことが俺とリムルの旅の始まりでもあるしな。
俺が説明していくと、リグルは「分かりました!」という声を返してくる。
そして、続いて手を上げたのはゴブタだ。
「他種族を見下さない…というのは?」
ゴブタの言葉には俺が返していく。
「お前たちは進化したが、調子に乗って弱い種族に偉そうにするなってことだ。
弱肉強食のこの世界とはいえ、自分たちが偉いって思わないで欲しい。
相手が強くなって仕返しされる可能性だってあるしな」
「分かりましたっす!」
…とりあえずはこんなところか。
ほかに質問が上がったりはしてないし。
質問がないことを確認したリムルはリグルドに向けて話していく。
「それとだ、リグルド。
君をゴブリン・ロードに任命する。
村をうまく治めるように」
「はっ!このリグルド、身命を賭してそのお役目、引き受けさせていただきます!」
…って丸投げかよ!?
俺はリムルに話していく。
「…リムル、いくら何でも丸投げしすぎじゃねえか?
仮にもお前、ここのトップだろ?」
「は、お前もだろ?」
…え、初耳なんですが、それ。
「え、お前がここのトップで、俺がそのサポートだと思ってたんだけど…」
「…この際、お前も巻き込んでやる。
Noとは言わせねえぜ?」
俺はリムルの言葉にため息をつく。
「…そういうことか。
ま、こんな俺に着いて来てくれるやつもいるし、投げ出すわけには行かねえしな。
…やってやるよ、もう一人のリーダー」
「ああ、これからもよろしくな、『相棒』!」
俺とリムルは初めて出会ったときのように手を突き合せた。