…リムルの言葉通り、リグルドをゴブリンロードに指名した。
…指名したのは良いのだが。
「立て直してこれなのか?」
「お恥ずかしい話です…」
…まず家を建ててもらったのだが、それはとても家と呼べるものではなかった。
まあ、ここに来た当初の家に比べたらマシにはなってるか…。
「俺はゼネコン勤務だったから良し悪しは分かるけど、それに関する技術は日曜大工レベルぐらいしかできないからな…。
リアス、お前はどうだ?」
「俺は一応機械系と土木系は行けるけど、建築系は齧ったもいいとこだからな…。
はっきり言って、お前と同じレベルだと思うよ」
俺達が話しているとリグルドが「申し訳ない」という表情を見せる。
「今までは、そこまで大きな建物など必要で無かったもので…」
「気にすることはないよ、リグルド。こればっかりは仕方ない」
「その通りだ。
…それと、少し君たち露出しすぎかな!?」
「ああ、それについては同感だ。
いくら何でも目のやり場に困る」
リムルはリグルドにそう伝える。
進化したことにより、ゴブリン達の体は大きくなった。
特に雌ゴブリン…、今はゴブリナ達の体が潤沢になった。
それにこれから他種族と交流をするとき、腰布だけっていうのいい印象持たれないだろうし。
…というか正直なところ、このコートとマフラーは俺の体質的に付けざるを得ないが、俺の新しい服も欲しいし。
そう思っているとリムルが俺を茶化してくる。
「おっと、リアスくーん?
女の子のああいう恰好には耐性ない感じか?」
「まあな。こんなことしてると一颯にドヤされちまうけど…」
リムルは俺の話の中で気になったところがあったみたいだ。
「…ん、一颯って誰?」
「ああ、言ってなかったか?
…死ぬ前の俺の幼馴染で俺の彼女。
高校から付き合い始めたから年数的には5年ぐらいかな」
「んだと貴様!?リア充か!
幼馴染の彼女とかうらやまけしからんぞ!」
「…あ、リムルさんは30後半にもなって童貞だったか。
これは悪いことを言っちゃったな」
俺は余裕の笑みをリムルに見せる。
「きっさま…!ただでさえ今でもイケメンだってのに前世でも彼女持ちだと!?
末永く爆発しろこの野郎ッ!」
「モガッ!?」
リムルは俺にそう言いながら俺に被さってきた。
◇ ◇ ◇
リムルの気が済んだみたいで、リムルは「…コホン」と一息ついて話していく。
「こうなると、技術者との繋がりが欲しいな…」
リムルがそう話すとリグルドに何か心当たりがあるみたいだった。
「あ!今まで何度か取引をした事のある者達が居ります。
衣服の調達もですが、器用な者達なので、家の作り方も存じておるやも…」
とりあえず、このままだとどうにもならねえ。
コンタクトを取るのが先決だろう。
「リグルド、それはどういう人達だ?」
「ドワルゴンに住む、ドワーフ族です」
(ドワーフ…!)
(あの有名な鍛冶の達人の事だよな。
お前の答えは分かってるが、どうする、リムル?)
(行くしかないだろ!)
リムルは俺にそう食い入るようにして話し、続けていく。
「そのドワルゴンとやらに行ってみる。
リグルド、準備を任せてもいいか?」
「お任せ下さい!今日の昼には、全ての用意を整えましょうぞ!」
リグルドはそう言いながら走り去っていった。
◇ ◇ ◇
リムルと色々と話をしていると、リグルドから準備が終わったという知らせが入った。
行くのは俺とリムル、後はリグルを筆頭としたお供計5組。
「リアス様は嵐牙狼族に乗らないので?」
リグルが俺にそう聞いてくる。
「ああ、俺は大丈夫だよ。
自力でお前ら並みに飛ぶことが出来るからな」
そう返した後、俺は『変身者』のスキルを発動させる。
「Burnning up、カイリュー!」
俺はドラゴンポケモンのカイリューになる。
額には二つの触覚が生えて、黄色いパーカーが俺に被さる。
そして大きな尻尾が俺の背から生えた。
「お、カイリューじゃねえか」
「そうだ、リムル。
単純なスピードならこいつが使えると思ってな」
こいつの最大スピードはマッハ2.5。おそらく嵐牙狼族のスピードにも劣らないだろう。
「よし、じゃあ行くか!」
「ああ。みんな、村のことは任せたぞ」
「はい、リムル様とリアス様もお気をつけて!」
「…それじゃあ、いってきまーす!」
「「いってらしゃーい!!」」
リムルの掛け声と共に、俺達はドワルゴンへと出発して行った。