俺たちは旅を続けている。
特に魔物に襲われたりするアクシデントはなかった。
行程は順調である。
3時間ごとに15分の休憩、14時間経過したら7時間の睡眠時間を含めた休憩を取った。
さすがに急ぎ過ぎではないか…と思いリグルとランガに聞いてみたのだが。
「大丈夫です!
我々、進化のお陰か、それ程疲れなくなっております!」
と、リグルが答え、
「我等の事は心配なさらないで下さい!
我が主のように、睡眠が不要な訳ではありませぬが、長時間は必要ありませぬ!
食事も、頻繁に必要という訳ではなく、無くても支障はありませぬゆえ!」
とランガも追随して答えた。
他の面々も全員やる気に満ちている。
…まあ余計な心配だったか。
全員、1日に12時間は走り続けてるんだが…。
まあ問題がないならこのままのペースで走っていくとしよう。
◇ ◇ ◇
二日目の終わり、就寝前の食事を摂っている時に、
「ところで、ゴブタよ。あと、どのくらいか判るか?」
リムルが案内のゴブリンであるゴブタに聞いてみた。
「は、はいぃぃ!!!恐らくですが、明日には到着出来るかと思いますぅぅ!大分山が大きく見えておりますのでッ!」
「…うん、落ち着けゴブタ」
俺はそうゴブタに話していく。
リムルに声をかけられ、緊張半分喜び半分で焦ったのだろう。
「舌を噛んだのではないか?」と心配する程、慌てて返事してきた。
そう言われてみると、今までより山が大きく見えるようになって気がする。
「気になったんだが、何をしにドワーフの王国まで行ったんだ?
たまに行商に来るんだろ?」
リグルドから聞かせてもらったが、行商のコボルト族がいるという話を聞いていた。
それなのにわざわざ、2ヶ月もかけてドワーフ王国まで出向くのも変な話である。
「はい!魔法の武器や防具はですね、ドワーフ族が高値で引き取ってくれるのです!
とはいっても、道具類で支払ってくれるのですが…、行商の者に持たせて運んでくれるので、助かっていたのです!
それに、村周辺の魔物には武具を使える者は居りませんし…」
コボルト族には物の良し悪しが判らないので、わざわざ出向いたってことか。
村にまともな武器がなかったのも、こういうなんとなく納得である。
…もっとも、ゴブリンに倒されるような者は、初心者が森で迷ったようなヒヨっ子だろうが。
「…リムル、案外ドワーフって優しいのかもな。
個人的には結構堅苦しくて「こんなもので交換できるか!」って言いそうなイメージだったけど」
「ああ。うまく行けば友好的な関係を友好的な関係結べるかもな!」
俺はリムルとドワーフ族についてそう話した。
◇ ◇ ◇
ゴブリン村から旅に出てから、丸三日が経過した。
徒歩なら2カ月かかると言うこの旅程、短縮
カナート大山脈の麓に広がる牧草地、山脈の自然の大洞窟を改造した美しい都、大自然が創造した天然の要塞「武装国家ドワルゴン」が見えてきた。
「…ようやく、着いたな」
「ああ。まずは良い職人を見つけないとな」
俺とリムルはドワルゴンの入り口となる門を見てそう話した。