…リアスとゴブタがドワルゴンの中へと連れて行かれてからしばらくして。
俺たち留守番組は森の中で戻ってくるのを待っている。
「…まだかなー」
俺はそう呟きながら木の上で寝ころんでいた。
いい具合の高さの気があって助かった。
そんな中。
「リアス様ー!今お時間よろしいでしょうかー?」
俺を呼ぶリグルの声が下から聞こえてきた。
俺はその声を受けて木の上から飛び降りる。
「…よっと!どうした?」
「はい、リムル様が戻ってきました!
職人のドワーフも連れて!」
「…ようやくか。
連絡ありがと、すぐ向かう」
俺はリグルにそう返した。
◇ ◇ ◇
「…俺はそこにいるリムルの相棒…って言ったらいいかな。
リアス=テンペスト。これからよろしくな」
「ああ、俺はカイジン。
こっちはガルム、それからドルドにミルドだ。
リムルの旦那に誘われて世話になることになった。
これからよろしくな」
カイジンと俺はそう話しながら、握手をする。
「…で、なんだけどよ…」
カイジンがそう話す先にいたのは、嵐牙狼族である。
…まあ、何も知らなければそう言う反応にはなるだろうな。
「大丈夫、大丈夫!問題ない。
ただの犬と大して変わらんよ!
家で飼ってる狼だしな!」
リムルは安心させるために行ったのだと思うが、カイジン達は逆に4人絶句していた。
「じゃ、帰るとするか!」
リムルは一団に向けてそう話すが、俺には何か気になることがあった。
「ああ、…っていうか、何か忘れてないか?」
「ん?何か忘れ物でもしてきたか?」
リムルは俺にそう返してくる。
「…いや、気のせいか。
…帰るとしよう」
「そうだな!」
そう言いながら準備をした後、俺達はドワルゴンからゴブリン村への帰途についた。
…後で、忘れられていたゴブタが影の中から嵐牙狼族を召喚して追いついてきたのは笑い話である。
◇ ◇ ◇
夜の休憩中。
俺はいつものように木の上で眠っていた。
…そんな中。
ピカッ! ………チュドーーーーーン!!!
「な、なんだ!?」
物凄い光と轟音で目が覚めた。
「お前ら、怪我はないか?」
俺がリグルたちにそう聞くと「大丈夫です!」という声が帰ってくる。
「…ったく、なんなんだ…?」
「確か雷が落ちた方向にはリムル様が向かっていったような…」
…リムルのやつ、何かやりやがったな。
「分かった。
俺がリムルの所に行ってくるよ。
お前らはここで待機しておいてくれ」
「分かりました!」
俺はリグル達にそう言ってリムルの元へと向かう。
…で、だ。
「いやー、目の前に雷が落ちてさ!
ビックリしたよ!」
リムルはそんな軽い声色で俺に話してくる。
その場所を見ると、リムルの前方を中心に、半径20mぐらいの範囲が高熱でガラス状のようになっていた。
「…それならよかった」
「ああ!リグル達にも大丈夫だって言っておいてくれ!」
リムルは「じゃ、お前も戻って大丈夫だぞ!」というので俺は戻ろうとした。
…のだが、俺は耳はリムルの「あぶねー、あぶねー…」という呟きを聞き逃さなかった。
「…Burning Up、カイリュー」
俺はそのままカイリューに変身する。
「…あのー、リアスさん?
なんでカイリューに…」
リムルのその言葉に、俺は続けていく。
「…リムル、何があった?」
「え、いや、だから俺の目の前に雷が落ちて来たんだって…」
リムルがそう話し終わると同時に、俺は攻撃態勢に入る。
「…冷凍、ビーム!」
「おわっとッ!?」
俺から放たれた氷の光線は、パキパキィッ!という音を立てながらリムルを包み込むようにして凍っていく。
「冷たくはねーけど…、体が全く動かねえ…!」
氷のオブジェの中に囚われたリムルに向けて俺は話していく。
「リムル、もう一度聞くぞ、『何があった?』」
「え、えと…、だから…」
「『何があった?』」
「あ、ハイ…」
俺のギロリとにらんだ目にすごんで、リムルはようやくこうなった訳を話してくれた。
「へえ…、『黒稲妻』ってスキルを使ったらこうなった…と。
…嘘はついてないよな?」
「こればっかりはホントだっての!
使ったおかげで魔素もごっそり持っていかれちまったんだって!」
氷から解放されたリムルは俺の言葉にそう話してくる。
リムルが持っている魔素も通常時より大分減っていた。
嘘はついてないみたいである。
「…ったく、リグル達が凄い心配してたんだ。
スキルの練習なら俺も付き合うからよ、これから新しいスキルを試す時は俺に監視させるか知らせておくこと。
お互いとあいつらの安全のためにもな」
「仕方ないな…。
分かったよ、リアス」
リムルは俺にそう話してきた。