…どうやら俺は異世界に転生したみたいだ。
基本的に容姿は今までの自分と大差ないが、耳が長くなりエルフ耳になってる。
…というか何したらいいんだ。
できることも限られてるだろうし…。
乾いたコートを再び羽織り、俺は洞窟の中を歩いていく。
水に関しては最初にいたあそこを使えばいいだろうからなんとかなる。
基本的な住処も少しずつ整地すれば何とかなるだろう。
服も、紫のバンダナと黒のトップスとコート、それに白いズボン、後はマフラー。
寒くもなければ熱くもない…いや、マフラーないと多少は寒いか。
…となると今の最重要課題は飯…だよな。
そう思いつつ、情報収集を兼ねてその辺りを散策していた。
…そんな中。
「…なんだ?」
何者かからの視線を感じた。
俺が周りを見渡すと暗闇の中から二つの光が見えた。
そして。
キシャ―ッ!!
「っぶな!?」
襲い掛かってきた牙を躱すように俺は地面を転がる。
二つの光の正体はドでかい蛇の瞳だった。
「…いや、でかすぎんだろ…!?」
蛇は俺の身長の二回りは軽く超えてる大きさ、俺など一飲みで食われてしまいそうである。
俺が思わず後ずさりする中、大蛇は禍々しい液体を吐き出してくる。
俺の本能が告げている、アレはヤバいッ!
「よっと!」
俺が再びその場を回転しながら躱すと、大蛇から放たれた液体がかかった岩はドロドロに溶けていた。
「…うっわ、あんなの喰らったら即死だろ…」
そう思っている中、俺の頭の中にある声が聞こえてきた。
《戦闘スキル『六式』、並びにユニークスキル『変身者』が使用できます。使用しますか?》
…は?っつーか誰だこの声。
《解、ユニークスキル『知識者』の効果です。能力が定着した為、反応が速やかに行う事が可能となりました》
へえそんなのあるのか。
まあ使えるものは使わせてもらうとしよう。
「…分かった。
『六式』、使わせてもらうぜ」
《解、戦闘スキル『六式』を使用します》
『知識者』の声を聞いて俺は戦闘態勢に入る。
「…フッ!…『
俺は跳びあがり、更に空気を蹴る。
空中での姿勢制御、コイツが出来るのが月歩の特徴だ。
そんな俺に向けて大蛇は改めて牙を広げて襲い掛かってくる。
「…『
俺がそう言いながら放たれた衝撃波は斬撃となって大蛇へと襲い掛かる。
斬撃はザンッ!っという音を立てて大蛇を斬り割き、後ろの岩にも斬れ込みが入る。
「…ほおー、やっぱ威力はなかなかだなっ!と」
地面に着地した俺は二つに割れた大蛇を眺める。
「なあ『知識者』。コイツを食ったりすることは可能か?」
《解。直接体内に取り込むと毒が体内に行き渡り死に至りますが、一度加熱処理をすれば無害となります》
…ってことは火を通せば大丈夫ってことだな。
にしても火…か。
よく見る火起こし器でも作って火作るか?
そう思っていると、若干『知識者』から声が聞こえてきた。
《…ユニークスキル『変身者』が使用可能です。使用しますか?》
「え、使った所で何かあるのか?」
《解、『変身者』で変身できるポケモンには火を使う技を覚えているもの存在します》
あ、さっきの声のトーンはそう言うことね。
…ってかポケモン…か。どんな奴になれるんだろ。
「変身できるポケモンに制限はあったりするのか?」
《解、幻・伝説・準伝説を除いた、種族値が600になるポケモンに変身が可能です》
600族…か。ってことは炎技を使えるのは…、いやほとんど全員使えるか。
…よし、折角ならカッコよく言ってみよう。
「…Burning Up、サザンドラ!」
そういうと、俺の体は黒い光に包まれ、光が開けると俺はきょうぼうポケモン、サザンドラになっていた。
「かえん、ほうしゃ!」
俺から放たれたかえんほうしゃは二つに割れた大蛇を焼き尽くしていく。
…そして大蛇は消し炭と化し、とても食える状態…とは言えなかった。
「…あ」
やりすぎた…な。
俺はこっちの世界に来て初の食事を食べ損ねた。