転生したら600族に変身できる魔人になった件   作:W297

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19話 冒険者たちとの邂逅、再び

 

 新たな町へと引っ越して数日後。

 

 俺は辺り一帯をカイリューに変身して飛び回っていた。

 

 目的は危険な魔物の排除。できる限りあいつらには安心した暮らしを送って欲しいし。

 

 そう思っていると。

 

 (ん?何か聴こえるな…)

 

 俺の耳に何かが聞こえてきた。

 

(騒ぎ声…人の声だな、大体4人ぐらいか。

 

 後はこの気配は魔物か…、大体6体ぐらいいるな)

 

 そう思っていると、その音が聞こえてきた方向から噴煙が上がった。

 

 俺はその噴煙が方向へと向かっていく。

 

「…いたいた。

 

 って、デカッ!?蟻だよな、アレ!?」

 

 『知識者』あいつらは?」

 

《解。巨大妖蟻(ジャイアントアント)です》

 

「解説ありがとなっと!」

 

 そして俺は巨大妖蟻から逃げている4人組を見つける。

 

「ってあの3人、洞窟で見た奴らじゃねえか。

 

 仮面付けてる人は初めて見るけど、新メンバーかな」

 

 俺が見た4人のうち、3人はリムルと洞窟から出る際に見かけた三人だった。

 

 そして、以前見なかったもう一人は仮面を身につけている女性だった。

 

 彼女は以前はいなかったから、新メンバーかなんらかの理由で同行しているのだろう。

 

 そう思っていると、仮面をつけた女性が剣を抜剣すると、刃は炎を纏う。

 

 そして女性は炎を纏った剣を駆使し、巨大妖蟻を次々と斬り倒していく。

 

「あの動き、明らかに手練れの動きだな」

 

 俺がやろうと思ったのだが、その女性がすべて倒してしまった。

 

 …と、思っていたのだが。

 

「…ヤバい!」

 

 まだ倒しきれなかった一匹が残っていた。

 

 女性は何故か動けない様子である。

 

「『知識者』、念のため聞いとくが俺の攻撃であいつ倒せるよな?」

 

《解。十分に可能かと》

 

「りょーかいっ!」

 

 俺は『知識者』の回答にそう返して、腕に力を溜めていく。

 

「…はあっ、ドラゴン、クロ―ッ!

 

 俺がそう言いながら腕を巨大妖蟻の首元に向けてふるうと、巨大妖蟻は動きを止める。

 

 突然の出来事に仮面を衝撃で飛ばされた女性はその場に座り込んで呆然としていた。

 

 そこに戦いを離れて見ていたメンバー達が駆け寄る。

 

「シズさん、大丈夫か?!」

 

「今の、まるで竜…みたいでやしたね…」

 

「あの人が…」

 

 俺は「ふうっ」と一息ついて顔を向ける。

 

「…Burning Off。大丈夫か?」

 

 俺がそう安否を確認する。

 

「…ひ、人?」

 

「一応魔人。倒したのも俺のユニークスキルの1つだ」

 

 そう話していると、後ろから俺に声がかかった。

 

「リアス―、大丈夫かー?」

 

 リムルである。そういやこいつも見回り行くって言ってたな。

 

 リムルは仮面を被った状態で近づいてきて、もはや定位置となった俺の頭の上に乗る。

 

 助けた4人はリムルの姿を見て、面食らったような顔をする。

 

「…スライム?」

 

「ん?スライムで悪いか?」

 

「あ、いや…」

 

「まぁいいさ。ほら、そこのお姉さんのだろ?」

 

 リムルはそう言って頭から降り、その女性に仮面を渡す。

 

「助かったよ、ありがとう」

 

 リムルはその顔を見て何か思うところがあったみたいである。

 

 …すると。

 

「はああぁぁぁ…」

 

 ため息を吐きながら、背中に剣を背負った男がその場に座り込む。

 

「どうした?あんた達はどこか怪我でもしてるのか?」

 

 リムルがそう聞くと、冒険者たちは訳を話してくれた。

 

「いや、精神的な疲労っつーか……」

 

「あっしら3日も巨大妖蟻に追われていたんでやんす……」

 

「荷物は落とすし」

 

「振り切ったと思って休めば寝込みを襲われやすし」

 

「装備は壊れるしぃ。くたくただし、お腹ぺこぺこだしぃ」

 

 話を聞いて、リムルもこいつらがあの洞窟で出会った3人と同じということに気づいたみたいである。

 

 そんな4人に俺とリムルは話していく。

 

「よければ、ウチの町来るか?簡単な食事ぐらいしか出すことできねえけどよ。

 

 またさっきの巨大妖蟻みたいな魔物が出る可能性だってあるしな」

 

「ああ。引っ越したばっかでさ、この先に町を作ってる途中なんだ」

 

 それを聞いて3人は話し合う。

 

「魔物が町!?」

 

「怪しい…」

 

「でも悪い人じゃなさそうでやんすよ」

 

 こそこそ話しているが、俺達には丸聞こえである。

 

 まあ警戒するのは当然だろう。

 

 一応安心させるとしますか。

 

「俺は町の主の片割れのリアス、でこっちのスライムが…」

 

「俺はリムル。『悪いスライムじゃないよ!』」

 

 リムルがそう言うと、仮面を付けた女性がぷっと吹き出す。

 

 …このネタ、あの人分かるのか。

 

「どうしやした、シズさん?」

 

「いえ、なんでもない。

 

 それよりお邪魔しよう。この子達はきっと信用できる」

 

 シズと呼ばれた女性はそう言ってリムルを抱きかかえる。

 

「町はこっち?」

 

「あ、ああ」

 

「案内するよ、着いて来てくれ」

 

 シズはそう言ってリムルを抱きかかえたまま歩いていく。

 

 俺がその隣を歩くと、冒険者の3人組も顔をお互いに見合わせてから俺達の後に着いてきてくれる。

 

「なぁ、自分で歩けるんだけど」

 

 リムルがそう話すと、シズは話してくる。

 

「ねえ、スライムさんとリアス君の国はどこ?」

 

「まだ国って呼べる規模じゃねえよ?」

 

「ああ、まだ町の名前も決めてないよ」

 

 俺がそう返すと、シズは続けてくる。

 

「そうじゃなくて、さっきのはゲームの台詞でしょう?

 

 私はよく知らないけど、同郷だった子から聞いたことがある」

 

「同郷…、やっぱシズさんもそっち出身でしたか」

 

 俺は改めて敬語でシズさんに話していく。

 

「うん。…ってことはやっぱり2人の出身も?」

 

「ああ。お互い共に日本だよ」

 

「やっぱり!そうだと思った。私と同じだね。

 

 会えて嬉しいよ」

 

 シズさんはそう言いながら仮面をずらして俺たちに笑顔を見せる。

 

 これがこの世界に転生しリムルにとって、ヴェルドラに次いで2番目の…運命の出会いだった。

 

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