転生したら600族に変身できる魔人になった件   作:W297

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21話 丘の上で

 

 次の日の朝。

 

 町を一望できる丘で俺はもの思いにふけっていた。

 

 そんな俺に誰かが声をかけてきた。

 

「ここにいたんだ、リアスさん」

 

「…起きたのか、エレン。

 

 調子はどうだ?」

 

「うん、大丈夫。久々にゆっくり眠れたから」

 

 エレンはそう答えながら、俺の横に座る。

 

「…にしても、良い景色だね」

 

「ああ。俺のお気に入りの場所だよ。

 

 いずれはここも整備していく予定だ」

 

 建設中の家屋を見ながら俺はそう話していく。

 

 そんな中、エレンは俺に話しかけてくる。

 

「あのね、私、リアスさんに聞きたいことがあるんだ」

 

「ん、どうした?」

 

 エレンはその後少し黙った後、改めて俺に聞いてくる。

 

 

 

「…あなた、もしかしてエルフの血を引いているの?」

 

 

 

 

「…どういうことだ?」

 

 俺がそう聞くと、エレンは少し黙った後に首を振る。

 

「…ううん、やっぱ何でもない」

 

 …そう言ってエレンは町の方へと顔を向ける。

 

 まあ、そっちがそうなら俺も答える必要性はないか。

 

 

 

 

 

 …そんな中、町の外れの一角で大きな火柱が噴きあがった。

 

「え…!?」

 

「な、何アレ…!?」

 

 俺とエレンはそれを見て同様に口をぽかんと開く。

 

「…と、とりあえず、行かねえと!

 

 Burning Up、カイリュー!

 

 俺はそう言いながらカイリューに変身してその場所に向かおうとする。

 

 だが、そんな俺の手をエレンは掴んできた。

 

「…待ってよ!

 

 私も連れて行って、リアスさん!」

 

「…お前らは客人だ。危険な目に遭わせるわけには行かねえよ」

 

 俺がエレンにそう答えるが、エレンは改めて話してくる。

 

「そうだけど…、なんだか嫌な予感がするのよ!お願い!」

 

 エレンの目には何か燃えるものがあった。

 

 …そこまで言うなら。

 

「分かった、超光速で行く。

 

 しっかり俺の体に掴まっといてくれよ?」

 

「うん!」

 

 エレンはそう言って俺の体に手を回す。

 

「…じゃ、行くぞ!」

 

 俺はゴウッ!という音と共にその場を去り、炎柱の元へと飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リムル!…どうしたんだ…!?」

 

「あれ…、シズ…、さん…!?」

 

 炎の前にいたリムルを見つけて俺はそう呟く。エレンも同様だ。

 

 そしてリムルが見つめる炎の中心にはシズさんがいた。

 

 だが、その眼は赤く染まり、その瞳は黄色くなっていた。

 

(な、なんて殺気だよ…)

 

 俺はその物々しいオーラに固唾を飲む。

 

 そんな中、

 

「おおい!リムルの旦那ー!リアスの旦那ー!

 

 …ってエレンなんでここにいんだよ!?」

 

「心配したでやすよ!?どこ行ってたんでやんすか!」

 

「別にどこ行ってたっていいでしょ!リアスさんの所にいたから心配いらないって!」

 

 3人が合流し、そう声を躱していく。

 

 そして3人は炎の方を見て話していく。

 

「さっきなんかすげぇ火柱が見えたけど…げ!?

 

 あれ…シズさんか?何がどうなって…」

 

「…ん?」

 

 そんな中、ギドが何かに気づいたみたいである。

 

「どうしたのギド?」

 

「シズ…シズエ?シズエ・イザワ?

 

 え、まさかあの…!?」

 

 ギドがそう呟く中、シズさんは指を上に向けて曲げると、立っている場所を中心に小規模な爆発と火柱が立つ。

 

「やっば…!守るッ!」

 

 その爆風と炎は俺がしっかりと守るを使ってガードする。

 

「お前ら、平気か?」

 

「あ、うん。ありがとう…」

 

 俺がそうしている中、ギドは確信したみたいである。

 

「ま、間違いありやせん。彼女は『爆炎の支配者』シズエ・イザワ。

 

 その身にイフリートを宿す最強の精霊使役者(エレメンタラー)でやんす…!」

 

「イフリートぉ!?上位の精霊じゃねーか!」

 

「冗談でしょ!?伝説的英雄じゃない!」

 

 3人がそうぎゃーぎゃー騒いでいる中、俺は大きくふうっと息を吐く。

 

「…上等だ、相手にとって不足はねえ

 

 3人とも、ここは俺達に任せてここから逃げ「そんな訳にはいかねぇよ」…え?」

 

 俺がそう3人に逃げるよう言おうとすると、カバルがそれを止めてきた。

 

「あの人がなんで殺意剥き出しにしてんのか知らねーが」

 

「あの人は俺達の仲間でやすよ。」

 

「ほっといて逃げるなんてできないわよ!」

 

 …いい仲間だなと思っていると、リムルが3人に向けて「気を付けろよ」と話していく。

 

 そうしながら、攻撃に備えて俺達が構えた時、シズさんから声がかかる。

 

「…ハナ…レテ…!」

 

 「「「「「!」」」」」

 

「オサエキレナイ…ワタシカラ…ハナレテ…!」

 

 そう話すシズさんの後ろには炎を纏った何かがぼんやりと浮かび上がり始めた。

 

(抑えきれない…、どういうことだ?)

 

 そう思っていると知識者から俺に声がかかる。    

 

《解。個体名シズエ・イザワと同化しているイフリートが、主導権を取り戻そうと暴走していようです》

 

 …そう言うことか。

 

 訳はまた後で聞かせてもらうとして、俺達がやるべきことは一つだ。

 

 リムルもそのつもりのようである。

 

「なるほど…、だったらやる事は一つ」 

 

「ああ…心配しないでください、シズさん」

 

「あなたの呪いは俺達が必ず解く」

 

 俺とリムルがそう話していくとシズさんは「オネ…ガイ…!」と言いながら目を瞑る。

 

「勝利条件は、イフリートの制圧」

 

「そしてシズさんの救出、準備は良いな?」

 

「はい!」 

 

「はは…。まさか、過去の英雄と戦う日が来るようとはね…」

 

「人生、何が起こるかわかりやせんね…」  

 

 そう言いながら3人も武器を構えていく。

 

 …爆炎の支配者との戦いが、幕を開ける。

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