「あ、さみー…」
リムルに無理矢理連れ出させられた俺は雪道を歩いている。
「お前、一応メタグロスに変身してんだろ?
メタグロスは氷タイプには相性いいんじゃなかったか?」
「確かに氷タイプには抜群取れるけどよ、限界があるんだっての…」
俺はそうリムルに返していく。
いま、俺は寒さ対策も兼ねてメタグロスに変身している。
…なのだが、その限界が訪れている。
変身前にコートやマフラーを着込んできたのだが、若干軽減される程度だ。
そして、体がゴツゴツとした鋼鉄の鎧に包まれているのと、道に雪が降り積もっているため、ものすごく動きにくい。
…ちなみにリムルはというと雪の上をまったく気にせずに歩いていた。
リムルと共に歩いていくと、雪は段々と深くなってきていた。
「…そろそろ中心着くぞー」
「ようやく…か…!」
俺はリムルの言葉にそう返していく。
雪は俺の膝ぐらいまであり、動くのにも一苦労だ。
そんな中、俺の耳に何かが飛んでくる音が聞こえてきた。
「リムル!」
「…ん、おわっと!?」
リムルは人型からスライム状態へと戻って回避する。
リムルが交わした攻撃は近くの岩に当たりパキィッ!という音を立てて砕け散る。
その正体は氷の弾丸みたいだ。
「大丈夫か、リムル!?」
「ああ。知らせてくれてサンキューな」
リムルは俺の方を見てそう返してくる。
「…にしても、今の攻撃…。
おーい、誰かいるのかー?」
リムルがそう聞くと、吹雪に乗せてある声が聞こえてくる。
『…スライムと人間が、こんなところに何の用…?』
それは美しい女性の声であった。まるでシズさんのような声である。
その声にリムルが返していく。
「…俺たちはこの寒さの原因を探しに来たんだ。
お前がその原因なのか?」
リムルがそう言うと、また声が聞こえてくる…。
『…うん。こうしておけばここには誰も来ない。
魔物とかから身を守るにはこうしておくのが一番だから。
この天候なら私の能力もフルに使うことができるし…」
…確かに理にはかなっている。ひざ元まで降り積もる雪は俺達にとってはデメリットしかない。
リムルは耐性を持っているから問題ないが、俺は寒さに凍えている。
俺が寒さに弱いというのもあるが、周りを見渡しても植物は凍り付いているし魔物は一匹もいなかった。
「そうなのか。
それでなんだけどよ、ここにいる俺の相棒が寒さで参っちまってんだ。
ちょっと軽減とかしてくれねえか?」
リムルがそう言うと、「いやだ…」という声が聞こえてくる。
『これぐらいしないと、魔物がまた来る…。
これでも最低限にはしてる」
「…だってよ。どうするリアス?」
「いや、そう言われてもな…。
リムル、お前はどっちがいいよ。
俺がこのまま冬眠状態になってるか、それともバリバリ動いているか…」
「それは確かに動いてもらわなきゃ困るけどよ…」
リムルが俺の言葉にそう返すと、声が再び聞こえてくる。
『…やっぱり、そうだよね。
もとから分かってたけど、戦うしかないか…!」
その声と共に吹雪は強さを一気に増していく。
言うなればホワイトアウトという現象だろうか。
「オイオイ!なんっつー吹雪だよ…!?」
「ああ、肉眼じゃ全く見えないな…!俺達だけで来て正解だったよ」
俺とリムルは『魔力探知』のスキルでなんとなく、その姿が近づいてきているのを確信していた。
《告。戦闘姿勢を見せている対象が近づいて来ています。警戒してください》
…知識者に言われなくても分かってる。
体力は地味に削られてきている。
リムルがいるとはいえ、長期戦になれば俺は使い物にならなくなって低位活動状態になるだろう。
それに備えて、俺はこうそくいどうやてっぺきといった積み技はフル積みしておいた。
…さて、やりますか…!
俺はそう思いながら両頬を叩いて気合を入れた。