あの後、改めて新しい個体を見つけてちょうどいい具合に焼いた。
…まあ味はそれなりにはうまいか…ぐらい。
それ以外にも蝙蝠や蜥蜴などいろんなものは食わせてもらった。
まあどんなもんも焼けば食えるもんである。
後で『知識者』に聞けば、以前の体に比べると腹持ちとかの効率は格段に良くなってるらしい。
食事は最低限でいいらしいが、数少ない娯楽だ。
体型もあまり変わらなくなってるみたいだし取れるときは取らせてもらおう。
◇ ◇ ◇
それとガブリアスとメタグロスの力で湖近くを過ごしやすくするために整地させてもらった。
今までゴロゴロとした岩が所狭しとあったものの、少しくつろげる程度には平地になった。
さすがに枕のようなものはないので岩を削って丁度良い大きさにしたものを使っている。
俺はその岩枕に頭を置いて横になる。
こっちに来てから1カ月(時間の経過は『知識者』が教えてくれた)、洞窟の中から全く出ずに生活している。
そして、『知識者』に聞かせてもらうと俺にはまだいくつかのユニークスキル?があるらしい。
俺の成長によっていろいろと解放されていくみたいだが。
…今の俺が使えるスキルは今までに使った戦闘スキルの『六式』、ユニークスキルの『知識者』と『変身者』、そしてもう一つのユニークスキルとして使えるのが『消失者』というスキル。
この『消失者』のスキルは単純に言えば俺の気配を消すことが出来るというステルススキル。
隠密行動には持ってこいのスキルであり、俺の体に触れているとそいつまで対象になるのだとか。
そして今の俺の体のデメリットについても教えてもらった。
俺の弱点は寒さ。
600族にドラゴンタイプ多いことからそうなったみたいだ。
…マフラーないと寒いと思ったのはそういうことか。
ちなみにこのマフラーは寒さを大幅に軽減することができるという優れものらしい。
後は600族の中で氷弱点じゃないバンギラスとメタグロスに変身してても寒さは和らげられるそうだ。
まあそいつらに変身してたり、このマフラーがあったとしても対応限界はあるらしいが。
◇ ◇ ◇
…それから、およそ数年。
大体この洞窟にいる魔物は狩りつくしたみたいで襲われることは無くなった。
回復に関してもこの洞窟には回復薬の原料となる草がところどころに生えているため、心配はいらなかった。
そしてこの数年の間、俺は剣…いや刀を作った。
ここには武器の原材料となる魔鉱石がゴロゴロ転がっている。
そいつをサザンドラの火力とメタグロスの重さで熱処理することで完成させた。
作り方はメタグロスの頭脳と『知識者』のMIXである。
実戦にも使っており、嵐脚と同じレベルの切れ味は手に入れることが出来た。
…だが。
「…暇だ」
…することがない。
この洞窟でやれることは終わった気がするし。
折角の異世界転生ライフ、楽しまないことには意味がない。
「…ここ、出るか」
俺はそう言いながら立ち上がる。
数年間世話になった場所を後にして、俺はその場を離れていった。