他の作品との兼ね合いもあり、このままでいいのか悩んでいたので…。
リムルが腕を吸収して再生し、痛みもなさそうにピンピンとしている表情を見せるリムルに対して体を震わせる。
「ば、化け物共め!
貴様達は全力で始末してやる…!」
赤髪のオーガは、そう話しながら何かを準備していく。
「…焼き尽くせ。
…
俺とリムルには大きな大火球が迫ってくる。
少なくとも俺に炎は今一つだし、炎攻撃を無効化するリムルもいる。
別になにもしなくてもいいだろう。
でも強さの違いを見せれば、アイツら引いてくれるかな。
「…俺達が攻撃を受けるまでもねえ。
…来い、一颯っ!」
「りょーかいっ!」
一颯は俺とリムルの前に飛び込んでくる。
「行くよ、リージョンチェンジ!」
一颯はそう言ってアローラの姿から原種へと姿を変える。
「それじゃ、頂きますっ!」
一颯がそう言って思いきり吸い込むと、火球は一颯の口の中へと消えて行く。
「は…!?」
オーガたちはその状況を見て体を固まらせる。
一颯は驚愕の表情を見せるオーガたちに顔を見せる。
「なかなか良かったよ。
ごちそうさまっ!」
一颯がそう話すとリムルがこそっと伝えてくる。
「…相変わらず、お前らやべえな」
「お前に比べたら大したことねーよ」
俺がそう話すと、リムルは俺と一颯の前に足を進める。
「…今から本当の炎を見せてやる。
…『黒炎』!」
リムルはそう言ってエクストラスキル、『黒炎』を発動させる。
…いやー、改めて見るとやっぱすげえわ。
その凄さを思い知ったのか、オーガたちは一気に顔を青ざめさせていく。
…っていうかここまでデカいスキル発動させる必要はあったのだろうか。
俺がそう思っていると、赤髪のオーガは気合を入れ直したみたいである。
…見事に逆方向にメーターが振り切ったみたいだな…。
「…航、どうするの…?」
「…どうするも何も…、向こうが来るならやるしかねーだろ…。
俺もやり合いたくはないけどよ…」
「ねえ、リムルはどう思う?」
「…リアスに同意だ。
やり方が悪かったのかもしれないが、こうなった以上は仕方ねえ…」
リムルの方も戦う準備は万全みたいである。
向こうが剣を抜いて攻撃しようとしてきたときに、意外なところからその攻撃を止めようとする姿があった。
「お待ちください。お兄様!
この方達は敵ではないかもしれません!」
オーガの姫と呼ばれた桃髪のオーガである。
「何故だ?里を襲った奴と同じく、仮面を着けた魔人ではないか。
お前もそう言っただろう!?」
赤髪のオーガはそう返すが、桃髪のオーガはそれに続けていく。
「はい。ですが…、昏睡の魔法に抵抗してみせたあの2人のボブゴブリンは、この者達をとても信頼し、慕っているようでした。
わたくしを牽制していた狼達も…、それはオーク共を率いていた魔人の有り様とは、あまりに違うように思うのです」
…流れが変わったっぽいな。
これは戦わずして解決できるかもしれない。
「確かに、言われてみればそうだが…」
「お兄様、冷静になって考えてみて下さい。
これだけの力ある魔人達が、姑息な手段を用いてオーク共に我等が里を襲撃させるなど不自然です。それこそ、この3人どころか、どなたかお一人で我等全てを皆殺しに出来ましょうから。
この方達が異質なのは間違いありませんが、おそらく里を襲った者共とは無関係なのではないかと…」
…ここまで行ってくれたら後は軽く背中を押すだけでも大丈夫かな。
「なあ、少し考えてくれないか?
今お姫さまがどちらを守ろうとしているのかをよ」
「…む」
そう言ってオーガは剣を鞘に納めた。
ようやく気持ちの整理が終わったかな。
俺は心の中で、大きく胸を撫でおろした。