転生したら600族に変身できる魔人になった件   作:W297

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5話 古びた扉

 

 ヴェルドラの封印があった場所から離れた俺たちは洞窟の外へと足を進めていた。

 

(…あ、鉱石食わせてもらってもいいか?)

 

「あー大丈夫大丈夫。いくらでも貯めとけ貯めとけ」

 

 リムルが魔鉱石を取り込んでいく中、俺はその様子を見守っていく。

 

 …とはいえ、俺はすることがない。

 

 この辺りの魔物は全て俺が食っちまったしな。

 

 …まあ病院生活の中で待つことには慣れてるし。

 

 のんびり待たせてもらうとしよう。

 

「ふあっ…。

 

 そういやこの頃眠ってなかったな…」

 

 俺は軽く欠伸をする。

 

 この体になっても、睡眠は必要である。

 

 以前の体に比べたらその回数は減ったが、眠気には逆らえない。

 

(…ん、リアスどうした?)

 

 そんな様子の俺を見てリムルはそう話してくる。

 

「いや、少し眠くなっただけだ。

 

 心配かけてすまないな」

 

 俺はリムルに対してそう返していく。

 

(あー、お前は睡眠必要なんだったな)

 

「ああ。前の体ほどじゃねえけど、それでも…5日に一回ぐらいは眠らないといけないっぽくてな」

 

(まあしゃーねーよ。俺と違ってお前は人の要素バリバリ残してるからな)

 

 そう話しながら歩いていると、近くに湖が見えてきた。

 

 …こんなとこにも湖あったのか。

 

 そう思っているとリムルが俺に話しかけてくる。

 

(なあ、ちょっと練習したいことがあるんだけど大丈夫か?)

 

「分かった。じゃ、俺は寝させてもらうよ。

 

 満足したら言ってくれ」

 

 俺はそう言って近くの岩を枕にして横になる。

 

 まあこの辺りの魔物は狩りつくしたし、のんびりさせてもらうとしよう。

 

 そう思いつつ、俺はしばらくの間、睡眠に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(さて、どうしますかね。この扉)

 

「ああ、簡単に開きそうにないな」

 

 目を覚ました俺と、スキル『水刃』を獲得したリムルは自然の洞窟には似合わない人工で作られたであろう古くて大きな扉を見てそう呟く。

 

(「水刃」で切り刻むか、それとも「捕食者」で食ってしまおうか)

 

「そもそも食べれんのか、コレ…?」

 

(さあ?)

 

 いや、ヴェルドラのアレ食えたから大丈夫か…。

 

「でも、やめといた方がいいな。最悪こん中の魔物が外に出る可能性あるし。

 

 外で誰かが監視してる可能性もあるし」

 

(あー、確かにそうだな)

 

 俺の言葉にリムルは同意する。

 

 扉の開け方を探っていると、突然扉が開いた。

 

 扉が動き始めた瞬間に、俺は『消失者』を発動させてリムルを抱えて岩の後ろへと隠れる。

 

 

 

「ふぅ、やっと開きやしたぜ。鍵穴まで錆びついちまってんだから」

 

 男の声と共に扉がギギギ…という音を立てて開いていく。

 

 現れたのは中年男性2人と俺とほぼ同じか少し下くらいの女子。

 

「まぁ仕方ないさ。300年も手入れもされず、誰も入ったことないんだろ?」

 

 …300年封印されてたってのは本当っぽいな、しかも一人で。

 

 ヴェルドラにはなかなかキツいものがあっただろう。

 

 …装備を見ても冒険者とかその辺りか?

 

「でも、封印の洞窟を調査しろだなんて、ギルドマスターも無茶ぶりよねぇ」

 

「安心しろって。竜なんて所詮大きなトカゲだろ?」 

 

 うん、実物見たらビビると思うよ。実際ヤバかったから。

 

(あの三人、恰好からして冒険者か?)

 

「ああ、そうみたいだな。女子の方は杖みたいなもん持ってるしな」

 

(…というかお前念話使えないのか?普通にあいつらに聞こえないか?)

 

 リムルは心配そうに話してくるが、俺は首を横に振る。

 

「俺には『消失者』ってスキルがあるって言ったろ。

 

 俺に触れてるお前以外に声は聞こえねーよ」

 

 俺は「ヴェルドラにはバレちまったがな」と苦笑いする。

 

「で、アイツらに話しかけてみるか?俺の姿なら大丈夫だろ」

 

(いや、お前はともかく俺はスライムだしな。

 

 出て行った後に攻撃されても困るし…。

 

 それに300年人が入っていない場所だぞ?そんなとこから出てきた奴は怪しいだろ)

 

「あーそうだな、今はやめておこうか」

 

 そう俺とリムルで話していると3人の内の1人が話していく。

 

「それではお2人とも、あっしの近くに。隠密技術(アーツ)を発動させやすから」

 

 そう話すと、3人の姿がボヤっと消える。

 

 でも気配が消えているわけではないし、足音とかも結構聞こえる、

 …大丈夫なのかアレで。

 

 そう思いつつ、3人が奥へ行ったことを確認し、俺はリムルを抱えたまま素早く扉を通過して行った。

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