麦わらの一味の記録係   作:禍Gャ緋ィM

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お待たせしました。
言い訳するとね、1話書くのに毎回2日くらいかけてるので(この短さで!!)そもそもいつかは更新が追いつく予定でした。エレジア編が思ったより難しかった…。すぐ脱線したがる…。ローグタウンや双子岬で書きたいシーンが待ってるのに話が進まない罠。次章からはエピローグまで書いてから毎日投稿とかにしたいのでさらに遅れます…。



21話 今はちょっとこっち見ないで

 

 

 ──エレジア

 

 

 うぅ…頭が痛い…。ここは…? まだ日が昇ってないのか薄暗いけど、辺りを見渡すとここが城の食堂だとわかった。他にも何人かテーブルに突っ伏したり床に横たわったりしている。この人たち誰だっけ…。ふらふらする…。痛む頭を押さえて昨日のことを思い出す。たしか昨日はルフィが島に来て…そうだルフィは!? いた…床で寝てる、けど。なんだこいつ。なにルフィのお腹を枕にして寝てるんだよ。

 ……ルフィまだ起きそうにないし、ちょっとくらいならいいかな。広げた腕を枕にして、と。わ、わ。顔が思ってたより近い。…ちょっとだけイビキがうるさいけど、シャンクスたちのよりマシかな。ゴードンはイビキかかないから、懐かしい気持ち。……気持ち良さそうに寝てる顔見てたら、なんだか…わたしも…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……て、起…て。もう朝だよ、ウタ」

 

 そんな声で目が覚めた。刺激を感じて目をうっすらと開ける。ほっぺたをツンツンとつつかれてる。んにゅ、と口から漏れてしまった声を聞いてか、犯人──レコーは笑顔になった。

 

 

「ふふ、そろそろ朝ごはんが出来上がるから頭をどけてあげて」

 

 

 頭を? 彼女が指差す先に視線を向けると……わたしをじっと見つめるルフィの顔があった。近い。……急なことにびっくりしちゃった。謝りながら頭をどける。

 

 

「気にすんな! オレ、ゴムだから!」

 

 そう言って立ち上がったルフィは腕をグルグル回す。…ホントに痺れてないんだ。そのままキッチンの方へ走って行っちゃった。……早朝に目が覚めてルフィの傍で二度寝しちゃったのか、わたし。あふ、と欠伸をすると、同じタイミングでレコーも欠伸をしていた。お互いに笑みがこぼれる。……レコーの顔を眺めていたからか、早朝には気付かなかったけど、彼女の顔が腫れてるのに気付いた。…泣いてたの? もしかして昨日から? 

 

 

「……昨日はたくさん食べたから胃もたれして、それで少し夢見が悪くてね。途中でルフィくんのお腹を借りたんだ。ゴムだから枕にはちょうど良くて、そこからはもうぐっすり。ウタも今度試してみなよ」

 

 

…寝れたなら良かったね。たしかに昨日いっぱい食べてた気がする。…どんな夢だったの? 

 

 

「…ん、んー……まぁいいか。最初は自分のだけだった荷物(感情)が、他の人からどんどん追加されて抱えきれなくなって…もとの自分の荷物がわからなくなってしまう、そんな話さ」

 

 

 ……よくわかんない夢だね。だけど…どこかで聞いたこと、あるような…? ……気のせいかな。

 

 

 

「……夢だからね、基となる話を耳にしたことがあるのかもしれない。そんな話より、キッチンに行こうか。ルフィくんが戻ってこないということは、他のメンバーを呼びに行ったか配膳を手伝わされてるかつまみ食いしてるかで…。どれにしろもうすぐ朝ごはんだ。サンジくんはすごいんだよー。つまみ食いとかで食料を浪費しなければ、昨日のクオリティの料理が船の上でも毎食出てくるんだ」

 

 

 毎回!? それはすごいね…。ゴードンも……ルウも、あそこまでのレベルの料理は作れなかったよ。

 

 

「…サンジくんは元々プロの料理人だからね。本職の人と比べたらそりゃあゴードンさんたちも敵わないよ。っと……誰もいないね」

 

 

 雑談をしながら向かったキッチンには誰もいなかった。火は止められているし、他のみんなを呼びに行ったのかな。……それにしてもいいにおい。スープからだ。わ、具がいっぱい。

 

 

「どれ、一口。……うん、二日酔いによく聞く感じの優しい味だ。ウタもどうだい? 一口」

 

 

 えっ……でも。…………じゃあ、一口だけ。……おいしい。

 

 

んふふ、これで私たちは共犯者だ。仲良くしようね」

 

 

……!? 騙されたー!? 

 

 

「仲いいわねあんたら…」

 

 

 急に会話に混ざってきた声のもとへ視線を向けると、そこにはちょっと呆れた表情のナミがいた。髪が少し湿ってる。つまみ食いしたことバレてないよねと思いながら挨拶を返す。

 

 

「おはよう。あ、そうだ。シャワー借りたわ」

 

 

 うん、それは構わないよ。…今のうちに聞いちゃおうかな。昨日の宴、後半あたりの記憶がないんだけど、わたし変なこととか言ってなかった? 

 

 

「…いや、別に。楽しそうではあったよ。ね、ナミくん」

 

「…ふぅん。そうね、ルフィと仲良さそうってことくらいかしら」

 

 

 そう。それなら良かった。お酒なんてあまり飲んだことないからちょっと不安だったんだ。……? 二人とも、窓の外を見てどうしたの? 

 

 

「ルフィくんたちまだかなーって」

 

「料理見てたらお腹すいちゃうから」

 

 

 そ、そうなんだ…。

 

 

 

 

 

 キッチンでそのまま雑談を続けていると、サンジ、ゴードン、シャワーを浴びて汗を流したルフィ、ゾロ、ウソップの三人の順に集まってきた。三人が来たころには配膳も済んでたけど。

 

 

 

 

「それで、ルフィくん。いつここを出発する予定だい?」

 

 

 朝食を食べ始めてすぐに、レコーがそう聞いた。考えないようにしてたことを突き付けられて、思わず食べる手が止まる。

 

 

「ん? ……っくん。食ったら出るぞ。オレ早く偉大なる航路(グランドライン)行きてぇんだ」

 

 

 ルフィはそんな風にあっさり答えて、また料理を口に詰めた。……ちょうどスープを飲んでたときだからすぐに口の中が空になってはっきり聞こえてしまったとか、朝食でもルフィはいっぱい食べるのかとか、そんな無意味な思考がわたしを落ち着かせようとしてくる。でも、ダメだ。ようやく、ようやく迎えに来てくれたのに…。気付けばルフィの右腕を握りしめながら、思いが口から溢れていた。

 

 

「ダメ、だよ。ルフィもわたしを置いていくの…? 

やだよ……。いっしょに、いてよ……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え。ウタ、一緒に行かねーのか?」

 

 

えっ。

 

 

「おっさんも行こう! 二人だけじゃ寂しいだろ」

 

 

「…ウタがそう望むなら」

 

 

えっえっ。…………で、でも。

 

 

「んだよー、ウタ、やなのか? 海賊やろう!」

 

 

……やじゃないです。

 

 

 気付けばそんな返事をしちゃってて、顔が熱くて机に突っ伏したわたしの耳に、小さくハイタッチの音が響いた。

 




真っ赤になってるウタかわいいね
作戦とは違うけど上手くいってよかった!  違ったのか
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