黒人の男、ミカが淹れたコーヒーを啜りながら、俺は考えていた。
何を、と問われればこう答えよう。『一般人に話すスタンドの説明の仕方』だとな。
ハッキリ言ってスタンドの詳しいところは俺自身も分からねぇ。あの空条承太郎なら分かるのかもしれねぇが、生憎最後に会った時にはそんな話はしなかった。
さらに数分思考したのちに、結論を脳内でまとめてこう切り出した。
「……よし」
「考え終わったのか?」
待ちくたびれたようにミカは訪ねてくる。
普段は家に帰る面子も今日は此処で話し合って一夜を明かすらしい。
「あぁ、考えても意味無ェってことがな」
「……何?」
「なんせ、俺自身ですら分からねぇ。これは本当だ……少し、昔話をしようじゃあねぇか」
──────
俺がまだ若いころ、アメリカっつーデケェ国から出てきたんだ。
その頃は、劇に出るような、テンガロンハットを被ったイケてる色男を目指したもんだ。
俺が裏社会で仕事をするようになり始めたのはその数年後だ。
これは後に言われたことなんだが、俺には人の才能を見抜く力があるらしく、その観察眼をもって地域ごとにコンビを組み、変え続けた俺はどんどん名を挙げていった。
そうして、殺し屋としての俺が出来上がっていったわけだ。
そうして、俺に転換期が訪れた……。
それは『DIO』との邂逅だ。
後から聞いた話では、DIOは100年前に人間をやめて吸血鬼になったらしい。いいか?お前らと一緒だ、
俺はエジプトで仕事をしていた時にそいつと出会った。出会った時に、俺は跪いたんだ。何故かは分からねぇ、だが、奴が死に絶えた今でもあの時の俺の選択は英断だったと
あそこで跪かなかったら、何か死よりも恐ろしいことがこのホルホースを襲う、そう直感した。それは一種の警鐘であり、
DIOはこの俺を知っていた。そしてDIOは俺を雇い、俺はそれを承諾した。その時『矢』によって与えられた力。それが俺の『
「皇帝……かっこいいねぇ……」
「それがお前の『見えない銃』の正体なのか?」
「そうだ。そしてこの名前はあまり重要じゃあない。重要なのはもっと大元、『スタンド』の話だ。」
「スタンド、
メギャン。そう言って開いた手のひらに
「今、そのスタンドってやつを出しているのか?」
「あぁ、見えないだろ?」
「本当ですね……どういう仕組み何でしょうか」
たきなのその言葉に思わず笑っちまう。
「フッ、仕組みなんてねぇよ。ホラ、パワースポットとかそういう類だぜ、多分な」
「……そういうものでしょうか」
「言っただろ?俺も分かんねぇって。科学者大量に動員して分かんねぇ事をお前がまじめに考えてたから思わず笑っちまったのさ」
まあ、科学者の方も電子顕微鏡でも見えねぇモンを解明しろなんて無茶を承太郎に言われてんだろーがな。
少したきなが不機嫌になっちまったが仕方ねぇ。唯のジョークのつもりだったんだがな。
「話を戻すぜ。スタンドを持つにあたってルールが存在する。スタンドはスタンドでしか触れない。スタンドは一般人には見えないし、スタンドを持つのは一人につき一つ、そして1能力までだ」
「スタンドは攻撃できないってこと?」
「
「そんで、スタンドは破壊することができ、スタンドが攻撃を受けた分だけ、本体である俺たちもダメージを受ける……」
「スタンドが半分に割れたりしたらどうなるんだ?」
「そりゃあ俺も半分に割れるんだろうぜ」
パッカーン、ってな。
「……うっわぁ」
「まぁ、そんな悲観することじゃあねぇぜ。スタンドの特質については以上だぜ、なんか質問あっか」
「さっきスタンドは一人に一つの能力を持ってるって言ったわよね。アンタもなんか能力あるんでしょ?」
全員が未知の話に頭を悩ませる中で、ミズキがそう質問する。
「あるぜ。俺のは拳銃型のスタンド。そして俺の
「だからあの時は真横に向いて撃って、弾丸を曲げて当てたってこと?」
「そうだ、だが勿論デメリットもある。弾丸が俺の視界から外れると制御できなくなる。制御が出来なくなって、俺のスタンドの弾丸を俺の脳天にブチ込むなんて曲芸もしちまったしな」
「うわ、よく生きてたね?」
「あぁ、医者が言うにはあと一センチ深くめり込んでいたら死んでいたらしい。……今思い出してもゾッとするぜ、ありゃあ」
そう言って俺はボインゴと組んだ末の悲惨な末路を思い出し、思わず顔面をさする。
「他にも会ったことあるスタンドの能力とかは!?」
「ちょっと千束!」
「……まぁ、そうだな……。氷を操ったり熱を操ったり、未来を予言したり、光の反射に潜むスタンドだったり……、正に、スタンドはそいつの精神を表す。俺に拳銃型のスタンドが発現したのも、そーゆーことだろうな」
「あとはスタンドごとに破壊する純粋な威力やスピード、その他諸々、簡単に言えばスタンドの性能。それも色々あるんだが、拳銃である以上他はあんまり関係ぇねえ。パワーで言えば、厚さにもよるがまあ鉄ほど固くなけりゃあ大体の物は貫通する。そしてその貫通するまでの射程が大体30m程度だな。スタンドは精神力の具現化だからな、上振れもするし下振れもする」
まあスタンドの話はこんなもんだ、そういって話を切り上げる。
コイツ等としては気になることも有るんだろうが、そんなのに全部答えてたら朝になっちまう。
「その前に、アンタらのことも話してもらうぜ」
──────
きっとこういうことを話すのは店長だろうと、私、井ノ上たきなは思った。
他の人も同様に考えているのだろうか、千束やミズキもさりげなくチラチラと店長の方を見ている。
そんな部屋の雰囲気を感じ取ったようにホルホースさんもミカさんの方へ向きなおす。
ついには観念したようにため息一つこぼしながら、店長が口を開いた。
「いいか、この話は他言無用だ。……ホルホースだけじゃないぞ、お前たちも同じだ。例えDAに何か言われてもな」
その言葉を肯定する人も、否定する人もいなかった。
沈黙は『肯定』である、と。
──────
「つまり、アンタらは犯罪を未然に防ぐ国家治安維持組織で、ココはそれの支部……。なるほどなぁ、それが世界一の『平和な国』の真相、か。成程、そりゃあ本部にバレちまったらマズいな」
マズいっていうのは、そのDAの支部が国外でブラックリストに入る男を匿うってことだ。でもこの国で俺はブラックリストではなく、最重要監視対象者らしい。それらの違いは、見つかった時にブッ殺すかブッ殺さねェか程度の違いなんだろうぜ。
どうやって監視してるのかは、隠してるんだろうな。ま、俺も一つ隠してるし御相子だな。
「で、俺の事は捕まえなくていーんかよ」
「さっき話しただろう」
さっき話した。その言葉が差すのは、俺個人と喫茶リコリコ、DA支部としての方の顔との協力体制の話か。
ミカが話した協力体制、それは簡潔に言えば互いの安全と利を考えた物だった。
俺が日本に滞在する間はリコリコが俺に衣食住を提供し、DAから存在を隠蔽する。
そして俺は、喫茶店での仕事や有事の際に力を貸す。有り体に言えばそういう話だった。
俺にとっては願ってもない話だ。旅費の3割はホテル代で飛ぶ計算だったし、その分を含めればもっと日本に滞在できる。『キョウト』や『ホッカイドウ』は半分諦めてたが、数日位なら回れるかもしれねぇと、少し気分が
「ウハ、フフフ……、忘れちゃあいねぇさ」
「ならいい」
「よし!じゃあホルホースさんのリコリコ就職祝いってことで!ヘイ!おうどん6つ!」
「就職って、働きに来るわけじゃあないんだがな。ところでうどんってのは──」
「千束!もう夜も遅いのでこの時間の食事はリコリスとして控えるべきです。ホルホースさんも!」
「ええぇー!たきなは厳しすぎだよぉ……」
「まぁ、うどんっつーのには興味あるから明日にでも食わせてくれれば俺はいいぜ」
「たきなの言う通りうどんは明日にして、今日はもう寝よう」
「先生までぇ……。まあいいや!そんなことよりお泊り会だー!たきな、一緒に寝ようよ!」
千束はえらく感情に富んだ奴だなぁ。こんな奴が殺し屋で仕事をしているなんて思えない程にな。
そんなことを言えばコイツは怒るのだろう、一緒にするなと。
今日起きたことは間違いなく日本での俺の運命を変えた。そんなことを思案しながら、何か月か世話になるであろう空き部屋のドアを開ける。
The・日本の部屋。床には藁のようなものが編み込まれている。独特な匂いがするこの部屋は、今まで世界の宿を渡り歩いてきた俺でも初めて見るものだった。
ベッドはなく、部屋にはデカいマットのようなモノが敷かれている。
日本では平穏な日常を過ごすつもりだったが、金に釣られて仕事をしたら、治安維持の片棒を担がされることになった。
我ながら、コロコロと考えを変えてしまうものだと笑ってしまう。
「だが、このくらい軽い人生こそが、このホル・ホースの人生よ」
ただ一つ、明日も幸福であるように願いながら、ホルホースは今日を終えた。
──────
ホルホースが目を覚ましたのは、その翌日の昼前であった。
叩き起こされなかったのは、俺の扱いがあやふやだからだろうか。開き切らない目を擦りながら思案する。
このマットレスから完全に起き上がり、カーテンを開ける。実にいい昼時だ。
マットレスの横にテキトーに置いていたテンガロンハットを被り、昨日の昼間に飲み食いをしたあの場所へ向かう。
「……よう」
「おお、起きたか。すまないが会計をしてくれるか」
そういやァオレェ、今日からココのアルバイトだったな……。
「ハァァ──腹減ったァーッ!!オイッ!うどん!うどん食わせてくれッ!昨日から気になって夜も眠れねェんだ!」
「わかったよ。夜には
「……おう」
閉店時間後の別の仕事というのは、裏の仕事なんだろう。部屋に戻れば、仕事の詳細と思われる文が携帯に届く。
それに目を通しながらイスに腰を掛ける。
「反社会勢力の拠点制圧及び、建物内部の見取り図……他にも構成員の人数とかいろいろ書いてるな……」
これ全部あのちんちくりんが作ったのか。改めて思うがホンット情報ってモンは怖ェなぁ。
カメラだろうが携帯だろうがパソコンだろうが、一度情報を抜かれたらどうすることも出来ねぇ。
……まぁ、情報戦とかは俺には分からねぇがな。俺は現地でただ銃をブッ放すだけの男よ。
しかし、仕事の時間までなげぇな、やることが無ぇ。
俺の獲物はスタンドなので手入れする必要もナシ、うどん食ったら昨日千束に押し付けられた映画でも見るかな。
──────
「んじゃ行きますか!」
「俺のカッコ、本当にこれじゃなくちゃあイカンのか?」
俺の姿はいつものイケてるテンガロンハットと黄色いジャケットを着たイケメンではなく、はっきり言って唯の清掃員だった。しかもこれ、防弾プレートが入っているのか結構重い。こんなモン着て、いざって時どうやって逃んだよ。
「駄目に決まってるじゃないですか、DAに即バレますよ」
「おいおい……冗談きついぜ」
「でもDAも混乱してるんじゃないですか?最重要監視対象者が姿を消せば」
「次見つかったら有無を言わさず撃ち殺されるんじゃない?」
「……そんなに野蛮じゃないことを祈るぜまったく……」
「「……」」
「オイッ、そこで黙るな!不安になんだろーがッ!」
まぁ、確かに?野郎に撃ち殺されるよりは美少女に撃ち殺される方が幾分かはマシか?
って、そういう話じゃねぇ。もしホントにテンガロンハットを被って外出たら撃ち殺されるっていうんなら、俺は速攻トンズラさせてもらうぜ、こんなアブねー国からはよぉー。
「……そこ、右です」
「いーい?ホルホースさん、敵は」
「『殺さねェ』、後『命大事に』だろ?昨日耳にタコが出来るまで言われてっからな、分かってるぜそんなことはよォー」
「ならよし!右に曲がりまーす!」
「緊張感ねぇな、おめーはよ」
コイツの気楽さにはいっそスガスガしー所があるぜ。
まあ、そのおかげであの美味いカフェが出来たっていうんならいいところでもあるだろうぜ。
道を曲がった後に端末が光る。どうやら俺にも位置情報が送られてきたみてぇだ。
送られてきたのは、捕らえるべき対象の顔写真と屋内の構造と、ある程度のアタリだろうか、一部赤いマークがされている。
「コイツを
「そだよー。あ、けど独断専行はやめてね。私たちチームだから、ちゃんと仲間を頼ることだよ!」
「……それ、貴女が言いますか?」
「私はたきなを頼ってるよぉー!」
「おい、いいから入るぞ」
……もしかして、これリーダー居ないのか?千束は自由で、たきなはそれの対応……あ、俺しかいねぇのか。
この建物のドアは二つ。馬鹿正直に表から入る奴なんて居ない。……だが、ドアが二つしかないもんで裏から入るのも賢いとはいえない。
窓を破壊し『
室内には3人だが、武装はしていない。正直撃ち抜くまでも無さそうだが、念には念をだ。
作戦を伝えて俺は建物側面の窓際まで回り込む。
「それにしても、こんなんで今までよく生きて帰れたな?」
『千束はこれでも最強のリコリスだ。……優秀かどうかは、まあ、お前が見て決めてくれ』
「そうか……ガラスが割れた音が作戦開始の合図だ、いいな」
『りょうかぁーい』
『分かりました』
耳に付けているインカムから二人が了承していることを確認し、『
引き金に指を置き、一発発射。放たれた弾丸は窓ガラスをぶち破り、左側の男の右足を貫く。
それと同時に表から大きな音が鳴る。アイツらが中に入ってここからはスピード勝負、相手に武器を持たれる前に制圧するッ!
「俺は裏口を制圧する!おめーらは階段を上がった先を制圧しろッ!」
『分かりました』
『しくじんなよ~?』
誰に言ってやがる、そう吐いて俺は無線を切り、速足で裏口へ移動する。
既にカーテンは閉め切られており、中の情報はわからない……が、やるしかない。
ドアを開けるが、中には入らず横へ回避する。同時に中から弾けるように轟音が鳴り響く。
だが素人だ。中には4人、別に多くもないクセに馬鹿みたいに誰もいないところを撃っていやがる。そんなんじゃあリロードのタイミングが被ってしまうぜ。
急に先ほどまでの轟音が嘘のように静まり返る。この瞬間に三発、ドア裏から『
……物音がしなくなり、右と左をクリアして中に入る。
俺のスタンドはモチロン一般人には見えない。そのお陰で荷物検査や金属探知機とかにはぜってぇ引っかからねぇんだが、見えないせいで脅しが出来ない。
そのことに少し歯痒い思いをしたことも有る。今がそうだ。
「ッチ、銃向けてくんじゃあねぇ!脳天に弾丸ぶち込むぞコラァッ!」
銃が見えないのは一長一短。だから今まで脅しなんざせずに頭部に一発ぶち込むだけでよかった。
だがもし撃ってしまえばDAに目を付けられ、リコリコとも敵対となり、俺は日本に居られなくなる。
だけではない。俺が日本に居る間に、『安心』なんてものは無くなってしまう……。
そんな俺の心の叫びも虚しく銃は構えられていたので腕にも風穴を開けてやる。
「一階裏口は制圧した……アイツらの後を追うかな。……ここからだと階段はどっちだ……?こっちか」
──────
ホルホースさんが立てた作戦の元で行動することに決めた私と千束の現在は、正面玄関前で待機をしている。
千束は相変わらず緊張感が無い。あんなことがあった直後の仕事だというのに、私は千束よりも千束のことを気にかけているというのに。
『──……ガラスが割れた音が作戦開始の合図だ』
「りょうかぁーい」
「分かりました」
「千束、ちゃんと聞きましたか?」
「聞いたってー。ガラスが割れた音がしたら中に突入すればいいんでしょ?」
今回ばかりはしっかり聞いているようで安心した。
単純にホルホースさんのことが気になるということも有るんだろう、これから沢山組むことになるかもしれない。
……それにしても、本当に不思議な人だ。国外ではブラックリストなんて信じられない程に陽気で、千束に似てどこか今回の件も楽観視しているように感じた。
それは恐らくスタンドを持っているから、自分は負けないという自信があるから?それがどっちか、何かは分からないけど、自信とは違うモノも感じた。
ガシャァアアアーン
「!合図です、千束!」
「おっけぇーい行くよー!」
合図に合わせて千束がドアを蹴り破り中へ突撃する。
私もそれに少し遅れる形で突入するが、既に戦闘を満足に行えそうな構成員はおらず、少し拍子抜けする。
銃声が鳴っていないことから千束は一発も打っておらず、窓を割ったホルホースさんの初撃で片がついたのだろう。
「音が鳴らずに見えない拳銃……そして曲射もできて遮蔽間での撃ち合いもお手の物……」
「あっはは……反則だねぇ」
正直敵にも同情してしまう。それほど、スタンドの力は常軌を逸している。
今は味方なので頼もしい存在ですが、敵に回ってしまえば……
「撃ったのは足か……」
「出血が少ないですね。これなら処置は後からでも問題ありません、上に向かいましょう」
「もうバレてるだろーからちゃちゃっと制圧するよ!」
その言葉に続いて階段へ向かうが、その途中で一階の奥からライフルの斉射音が鳴り響く。
「この音は……!」
「鳴り止んだ……けど……」
「私たちの任務は対象の拘束です。……それに、ホルホースさんなら心配はいらないと思いますよ」
「えー?何、もうホルホースさんの事信じすぎじゃない?」
「いえ……しかし、ホルホースさんからもらった作戦は彼が
「そう言って、自分を犠牲にするかもしれないじゃん」
「……千束みたいにですか?」
私が言った言葉を一旦咀嚼したであろう千束はだんまりになる。
私が怒ったと思ったのだろうか。
当然、千束が思い浮かべた事は私と同じだろう。ほんの前日のことだ。
「……世の中そんな聖人ばかりじゃないので安心して下さい。ほら、行きますよ」
「ん、ん~……分かったよ」
観念したような声を上げる千束。
その声を聞いて任務に集中し始めたと認識した私は階段周辺を索敵、階段手前とその奥をクリアする。
「……もう一階には居なさそうですね、上りましょう」
──────
「……もう終わったのか?」
俺が一回裏口を制圧した直後に上から銃声が鳴り響いた。
まあまあ急いで駆け上がってきたんだが、一分も経たねぇ内に終わったようだ。大の男が5人、縄だかゴムだかよくわからないもので縛り付けられて気絶している。その中には、捕縛対象者の顔もある。仕事は完遂されたということだ。
流石に幼少期から訓練しているだけあるな、と素直に感心する。
コイツらは間違いなく殺しの『プロ』だ。少なくとも銃火器を所持した一般人5人を数十秒で片付けるような奴の所属するDAとの対立は避けて通るべき道だろう。
幾ら俺のスタンド『
「そらもうバッチリ!……あ、もしもし?今回も──」
「ありがとうございました、ホルホースさん」
目の前の少女が俺に対して感謝を述べる。何のことだか分からなくってムズ痒くなったが、
「おめーも苦労してんだな……」
「……なんのことです?」
まあ、確かに本人が目の前に居るしな、言いにくいのも無理はねぇ。
「ところでこいつらはどうするんだ」
「あ、ダイジョブですよー。取り敢えず情報源にだけちゃっちゃと喋ってもらいますから」
おーい、起きろー?
そう言って男の肩を叩く千束。これから情報を聞き出すのだろう。
拷問なんてできなさそうな奴だが、一体どうやって吐かせるんだ?
まあでも、その辺は恐らくたきながどうとでもするんだろう。俺の仕事はコイツらの仕事の
これ以上一緒に居る意味はないので早々と二階から離脱する。
そのまま建物を出て、咥えたタバコに火をつける。
「……フ―……」
イイ仕事の後にはウマい酒とウマいタバコ。常識だぜ。