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──得体が知れぬ。看破が必要な手合いか
コムラードは兜の下で顔を
コムラードは己の不利を悟る。悟れば後はシンプルだ。
(時間を稼ぐ。然るのち、逃げるべし)
幸いにも、こういう手合いを得意とする術師が一人いる。コムラードはその顔を思い浮かべた。
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「そうですか、では俺も行きましょう。悪魔というのは面倒くさいのです。まあただ、仮に顕現されてもサブルナックであるなら問題はないでしょう。勿論多少面倒でしょうが。最良はやはり顕現前に悪魔崇拝者を始末する事ですね」
ミシルはちらりとヨハンを見て聞いてくる。
「問題はない? 根拠はあるのですか?」
根拠ならある。ただの偶然の産物にすぎないものではあるが。あの時、名も知らぬ子供の名も知らぬ姉に掛けた言葉は別に出まかせではなかった。確かにアレにはそれなりに手古摺らされている。アレと比べれば魔猿などは木っ端も同然だった。
「一度、殺しています。格付けは済んでいるという事です、術師ミシル」
顎に手を当て、ミシルはなにやら思案している。
「私は悪魔と交戦した事はありません。いざという時は頼らせて貰います」
仕事は向いている者にやらせるべきである。ヨハンは頷き、そこでようやく生徒達の事を思い出した。ルシアンやドルマはともかく、あのお転婆娘だけはどうにも不安が残る。
「それと術師ミシル。銀の月に生徒ルシアンと生徒マリー、生徒ドルマがいます。彼らに人を付けられませんか? 彼らは暴漢を仕留めて情報を持ち帰ってくれた功労者です。一応身を護る札を増やしておきたいですね。まだまだ子供ですから……」
ではアリーヤを向かわせましょう、とミシルは言った。あの骨のある術師ならば問題あるまい、とヨハンも頷く。
「敵が襲ってきたとして、情報源として生かしておく必要が無いのならばあの子で問題ないでしょう。彼女は四等術師ですが、三等でもおかしくない実力です。四等にとどまっているのは、彼女が……まあ……少し派手好きな性格だからなのです」
派手好き、という言葉にヨハンは首を捻った。
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「ええ? 帰れっていわれたとおもうけど」
ルシアンはマリーへ言った。
「ルゥシアン! いい事!? いまこそ! 弟子としての奉公を示す時じゃないの!?」
(違うよ、弟子じゃないよ。生徒ではあるけど……)
「弟子じゃねえよ。というか勝手に弟子を名乗ったりしたら教師ヨハンは怒るんじゃねえの? 形にこだわるタイプだろアレ」
ドルマの言葉にルシアンは全面的に賛同する。
「……な、なら弟子候補よ! 候補なら問題ないはずだわ!」
そうかよ、とドルマはマリーに呆れて、木窓を開けて外を眺めていた。ドルマがいてくれて良かった、とルシアンは思う。猛犬みたいなマリーは可愛いが、少し疲れる時があるのだ。