海兵ルウタ   作:ニドラン

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海兵と歌姫と歌う骸骨 part3:私、歌います

このssにはキャラ崩壊・設定捏造が含まれます

 

ご注意ください!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スリラーバーグ…"魔の三角地帯(フロリアントライアングル)"ある悪夢の島。

 

 

 

「うわあぁぁぁ~~~~~!!」

 

「ひいぃいぃいいいいいいい!!」

 

 

 

この島に足を踏み入れたものは血も凍りつくような恐怖に襲われる。

 

そう、世にも恐ろしい「生きる屍」…ゾンビたちに追われ…

 

 

 

「ウタを返せぇええええええええ!!!!」

 

「ぎゃあああああ、こいつ滅茶苦茶強えええええええ!!」

 

「俺たちじゃどうしようもねぇえ!!けど逃げればお仕置きされる~~~!!」

 

『どっちも腐れ恐エエエエエエエエェ!!!!!』

 

 

 

…追われているのはゾンビたちだった。

 

追っているのは人生最大級の怒りに燃える、海兵ルフィ。

 

彼は今、透明人間に連れ去らわれた恋人、ウタを取り戻すためスリラーバーグ内を爆走していた。

 

 

 

「ルフィさん、待ってくださ~い!」

 

 

 

なおブルックは出遅れた。ルフィが船ほったらかしで飛び出したので(でかい蜘蛛の巣に)停泊させてきたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちくしょう、ゾンビ共は何やってんだ!相手は一人なんだぞ!」

 

「…‥‥ルフィィ…」

 

 

 

ウタを連れ去った透明人間は、いつのまにか透明ではなくなっていた。

 

その顔は目元こそ人間だが、そこから下は肉食動物を思わせるものであった。

 

 

 

「はははは!大人しくなったな! それでいい、おいらの花嫁になるならおしとやかな女じゃなきゃな!」

 

 

 

一方ウタは、W7に続きまたしても攫われてしまった為か、抵抗する気力すら無くなっていた。

 

やはり自分はルフィにとって足手纏いにしかならない。いっそのこと、この変態の嫁になったほうが、ルフィのためではないか。

 

 

 

「ウタぁああああああああああああああああ!!!!」

 

 

 

そんなウタの思いを知らず、いや見聞色で察知したのからか、

 

ルフィは更に速度を上げ、ウタと変態を目前に捉える。その時である!

 

 

 

「婿になれやあぁぁぁ!アブサロムゥゥゥゥゥゥ!!!」

 

「うわぁ!!」

 

 

 

何かが上から落下してきた。その衝撃で変態…アブサロムはウタを放してしまい

 

 

 

「ウタ!良かったぁ…」

 

 

 

ルフィの腕に受け止められた。戻ってきた最愛の女性を強く、強く抱きしめるルフィ。

 

 

 

「お、おいらの花嫁「花嫁はこっちよぉ!」だぁ、来るな、ローラ!」

 

 

 

落下してきた物体は、巨大なイボイノシシの死体…否ゾンビであった。

 

どうやらアブサロムを好いているのか、無理やりキスしようとしたり、婚姻届に指を押し付けようとしたりと大格闘している。

 

 

 

「…あんたが泥棒猫ね。」

 

 

 

やがて埒が明かないとみたのか、ゾンビことローラは、アブサロムが花嫁と呼んだ女性…ウタ(とルフィ)に狙いを定め、近づいていく。

 

その迫力にルフィとウタは…

 

 

 

「ありがとう、ウタを助けてくれて!おかげでウタを取り戻すことができた!」

 

「ありがとう…本当に……」

 

「…え?あ、ああ、いいのよ!私はアブ様に結婚してほしいだけだったんだから…

 

っていうか、あんた達ラブラブじゃないのよ!羨ましいわぁ~、やっぱ仲睦まじいカップルっていいわね~。」

 

 

 

感謝していた。まさかの反応と、しっかりウタを抱きしめるルフィをみて

 

自身の恋敵ではないことを理解したローラは、再びアブサロムに向かい合う。

 

 

 

「アブ様!他人の恋人を横取りしようとしたの!?この悪魔!そういうところも好き!

 

花嫁なら私がいるじゃない。」

 

「ふざけるな!おいらは人間の花嫁がいいんだ!イボイノシシでゾンビな花嫁なんぞいるか!

 

そう、そこにいる女がおいらの花嫁だ!」

 

 

 

ローラの求婚を一蹴し、未だウタへの執着をみせるアブサロム。

 

…それがルフィの逆鱗に触れた。

 

 

 

「っんむぅ!?」

 

「なっ!?」

 

「まぁ!」

 

 

 

突然ウタに口づけするルフィ、その後ウタから離れ、アブサロムを睨みつける。

 

 

 

「貴様、おいらの花嫁に…」

 

「おめぇのじゃねぇ……ウタは、おれの嫁だ!!!いつか子供作って、平穏に暮らすんだ!」

 

 

 

スリラーバーグ中に響き渡るほどの大声でウタへの愛を叫ぶルフィ

 

それが二人の決闘開始の合図となった。

 

 

 

 

 

 

 

「おまえも影を取られて負け犬になるがいい!お前のゾンビは、おいらたち夫婦の召使いにしてやる!!」

 

 

 

再び姿を消すアブサロム、自分自身と自分が触れた物体を透明にする…これが彼が食べた悪魔の実、スケスケの実の能力だ。

 

アブサロムの場合は、腕に装着したバズーカを常時透明化し、正体不明の攻撃『死者の手』を演出している。

 

更に彼の体は、ある天才外科医の技術によって、ゾウの皮膚やクマ・ゴリラの筋繊維、ライオンの顎を移植されている。

 

まさに動物系悪魔の実の能力者も驚く、猛獣改造人間。

 

それがアブサロムの武器である…たったそれだけが。

 

 

 

「ゴムゴムの……」

 

 

 

あくまで透明化しただけでいなくなったわけではない。ルフィの見聞色はアブサロムの、ウタに対する執着心をとらえていた。

 

 

 

「火拳銃!!!」

 

 

 

そして自慢の改造肉体も、武装色の覇気を併用した攻撃により粉砕された。

 

 

 

「ガフッ……」

 

 

 

海軍の英雄たちに鍛えられ、逃亡生活のなかで死線を潜り抜けたルフィにとって、透明になれるだけの改造人間など敵ではなかったのだ。

 

 

 

「アブ様!!」

 

 

 

意中の相手が瞬殺されたのをみて、ローラはすぐさま駆け寄り…

 

 

 

「婿になれやあぁぁぁ!」

 

 

 

唇を奪い、どこからか取り出した婚姻届に指を押し付けさせるのであった…

 

 

 

 

 

 

 

「うっし!もう大丈夫だぞ、ウタ!」

 

「うん……ありがとう、ルフィ。」

 

 

 

今度こそ恋人を攫おうとした不届き者を成敗し、満足げなルフィ。

 

それとは対照的に、ウタの顔色は優れなかった。

 

エニエスロビーに続き、またしてもルフィに守られるだけで終わってしまった。

 

海兵時代は肩を並べて戦えていたのに、逃亡生活が続くにつれ、ルフィの背中を見つめるだけの自分が憎いとさえ思えた。

 

 

 

「にしても、あいつ変な事言ってたな。影とられるとか、俺のゾンビとか…」

 

「それは…確かに…、そもそも何で死体が動いてるんだろう?」

 

 

 

状況を整理する為か、今ある情報を声に出すルフィに、ウタも考察する。

 

自己嫌悪している場合ではない、少しでもルフィの役に立たなければ。

 

そして、この島のことを知っているである人物のことを思い出した。

 

 

 

「そういえばルフィ、ブルックはどうしたの?」

 

「ああ、あいつは「ルフィさん、ウタさん!危ない!!」っ!」

 

 

 

そこに、ようやく追いついたブルックの警告が飛ぶ。

 

すぐさまその場を飛び退くルフィに対し、ウタは反応が遅れてしまった。

 

 

 

ホロホロホロホロ…ホロホロホロホロ…

 

 

 

突如として現れた半透明の浮遊体…まるでゴーストのような物体が、ウタの体をすり抜けると、力なくウタはその場に倒れた。

 

 

 

「ウタ!!」

 

「大丈夫です、ルフィさん! ウタさんは今…"ネガティブ"になっているんです!!」

 

「ね、ねがてぃぶ…?」

 

「あ、あれは、ペローナ様!」

 

 

 

ウタを背におぶるルフィに対し、ウタに何が起こったかを端的に伝えるブルック…

 

そしてローラの目線の先には、ピンク色の髪をツインテールにした女性が…宙に浮いていた。

 

 

 

「な、なんだ?あいつ、宙に浮かんでるぞ…」

 

「彼女はペローナ、このスリラーバーグ海賊団の幹部、ゴーストプリンセスの異名をもつ女性です。」

 

「…てめぇだな?剣侠"鼻唄"とかいう骸骨は。」

 

 

 

乱入者に対し混乱するルフィと、互いを知ってる様子のブルックとペローナ。

 

ペローナの体から、先ほどのゴーストがどんどん現れだす。

 

 

 

「ネガティブ・ホロウ!」

 

「避けてください、ルフィさん!これに触れられると、立つこともままならないほど気分が落ち込んでしまうです!」

 

「そういうことか!だからウタも…」

 

「ペローナ様、あたしは、その…」

 

「イノシシ!てめぇは引っ込んでろ!!」

 

 

 

なんとかゴーストを躱し続けるルフィとブルック…ローラはどうすることもできず、ただオロオロとしているだけだ。

 

先ほどアブサロムに逆らっていたのは、むしろ彼を慕っているからこその行動であり、同じく幹部であるペローナに何もするなと言われれば、じっとしているしかなかった。

 

 

 

「おい、ウタしっかりしろよ!あんなゴーストなんかに負けるな!!」

 

「うう、ルフィ…私も、何かの役に…役立たずなんて嫌だ…」

 

「っ!!? こいつ、ネガティブ・ホロウに耐えてんのか!?」

 

 

 

今まで一撃必殺だった技を喰らって、なんとか奮起しようとするウタにペローナは驚愕する。

 

 

 

『ウタは、おれの嫁だ!!!』

 

 

 

(ルフィの方からキスしてくれた…私のせいで海軍を追われる羽目に…私をお嫁さんって言ってくれた…私の為にいつもボロボロに…ルフィと私の子供…)

 

 

 

今ウタを支えているのは、先ほどのルフィからの口づけ、そして愛の言葉だ。

 

その幸福感が、ネガティブと精神の綱引きをしていた。

 

 

 

「ウタ、頑張れ!!ほら、いつもみたいに歌とか歌ってさ!」

 

「歌…ルフィの為に…歌う…」

 

 

 

やがてルフィの背中から顔を上げるウタ…その顔は、いつものウタではなかった。

 

 

 

「!! おいブルック、ノシシ!耳ふさげ!」

 

「ノシシって私のこと?! 耳をふさげって…あ!イノシシだから手が届かない!」

 

「ノシシさん、しゃがんでください!私が貴方の耳をふさぐので、貴方は私の耳を!」

 

「いやだから、ノシシじゃなくてローラ、あ!耳がない!」

 

「そういえば私、骨だけでした!!」

 

「なにやってんだよてめぇら!ちょっと可愛いじゃねぇか!」

 

 

 

ルフィの警告に、漫才じみた助け合いをするブルックとローラ、そんな彼らにちょっと萌えたペローナ。

 

それが彼女の命運を分けた。

 

 

 

「愛を込めて…歌います…」

 

 

 

歌が歌われた…己の無力感からくる絶望と、愛する者に愛される希望の歌が。

 

 

 

数分後、無敵を誇ったゴーストプリンセスは、大地に伏していた。

 

その顔は、どこか感動したような表情であった。

 

 

 

 

 

To Be Continued

 

 

 

 

 

 

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