海兵ルウタ   作:ニドラン

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海兵と歌姫と歌う骸骨 part4:巨重 出現

このssにはキャラ崩壊・設定捏造が多分に含まれます

 

ご注意ください!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや~、お見事ですウタさん!あのゴーストプリンセスを倒してしまうなんて!」

 

「ああ、俺もブルックもゴースト避けるので精一杯でよ、ウタがいて助かったぜ!」

 

「う、うん…お役に立てたようでなにより…。」

 

 

 

スリラーバーグ海賊団幹部 ペローナを撃破したウタだが、その歯切れは悪い。

 

というのも、ネガティブになってた影響で、どうやってペローナを倒したのかよくわからないのだ。

 

 

 

「いや~ほんと良い歌だったわ~!ねぇ、ウタ いつか私とアブ様が結婚式あげるときは招待するから、一曲歌ってくれない? お願い!!」

 

 

 

どうやら歌を歌ったのは確からしい。

 

 

 

「あれ、ノシシお前歌聞いたのか?耳、ブルックに塞いでもらってなかったか?」

 

「ええ、この手でしっかりと…あ!私の手、骨だからスカスカでした!」

 

「いいのよ、おかげであんなに素敵な歌声を聞けたんだから!」

 

「まあお前がいいならいいや。 ウタ大丈夫か?眠くなったらおんぶしてやるからな。」

 

「うん、今はだいじょう、ぶ……。」

 

 

 

そこでウタは今の自分が、いつもと違っていたことに気づいた。

 

ウタウタの実の能力は、聞いた相手を"ウタワールド"という仮想現実に引き込む能力だ。

 

耳栓などの対策をされない限り、まず相手を無力化できる強力な力。

 

その分、体力の消耗が激しく、歌った後は眠ってしまうのが弱点だったが…今の自分に眠気もなかった。

 

 

 

「ねえノシシ、私の歌聞いた時、その…変なこと起きなかった?」

 

「変な事?…いえ、ただただ素敵な歌声だったわよ?」

 

 

 

いつの間にかノシシ呼びも受け入れたローラ、どうやらウタワールドには引き込まれなかったらしい。

 

 

 

(…ウタワールド自体発動されなかった?でもゴーストの女は気絶しているし……まさか!?)

 

 

 

自分の歌をまともに聞いたペローナは気絶しており、ブルックに中途半端に耳を塞がれたローラは

 

中途半端にしかウタウタが効かなかったのか、ただ感動しているだけだ。

 

それはつまり…

 

 

 

(ウタウタの能力は、ウタワールドだけじゃない!もっと体力の消耗を抑える使い方ができたんだ!)

 

 

 

今までの逃亡生活では、ウタウタの能力を使えば追手を無力化しても、すぐ眠ってしまい

 

ルフィに背負ってもらうなど、かえってルフィに負担が増えるような場面が多かった。

 

しかし、体力の消耗を抑えられる方法が本当にあるとしたら…

 

 

 

(これからは、ルフィの邪魔にならなくて済む!ノシシが平気そうなあたり、効果は下がってそうだけど

 

それでも眠らなくて済むなら、総合的には強くなれるはず!)

 

 

 

これからはよりルフィの、最愛の人の力になれる。その希望が、ウタの瞳に光を取り戻していく。

 

 

 

 

 

 

 

「…ノシシさん、その、貴方は我々に味方してくれるのですか?」

 

「ん?まあ、そうね素敵な歌聞かせてもらったし、未来の旦那様が迷惑かけちゃったし、力になれる範囲なら、手を貸すわよ。」

 

「……そうですか。」

 

 

 

一方ブルックはローラに質問していた。本来ゾンビは支配者に対して絶対服従のはずである。

 

しかし彼女はこちら危害を加える気はないようだ。それどころか好意的まである。

 

 

 

「じゃあ、ノシシさん。ルフィさんたちの船を閉じ込める囲いの門を開ける方法を知っていませんか?」

 

「ええ、知っているわよ。こっちの方に門を開ける装置があるの。案内してあげわ!」

 

「お願いします…ルフィさん、ウタさん。ここでお別れです、無事脱出できるように祈ってます。」

 

「え、ブルック。お前はここに残るのか?」

 

「はい、私ここに残って…自分の影を取り戻さないといけないんです。」

 

『えっ!?』

 

 

 

ブルックの告白に、ルフィとウタはブルックの足元を見る。そこにあるはずの影は無かった。

 

見た目のインパクト(特にアフロ)に気を取られ、足元に注意がいかなかったのだ。

 

 

 

「骸骨…あんたも影を取られたのね。ということはあんたのゾンビが…」

 

「ちょっと待って、ノシシ。さっきの変態も言ってたけど、影が取られるとかゾンビがどうとかどういうことなの?」

 

 

 

ペローナの乱入で中断していたが、ルフィもウタもそのことを気にしていた。

 

そもそも死体が動いている時点で異常事態、ここに極まれりという話である。

 

 

 

「お二人とも、私のことは構わず脱出のことを考えてください。」

 

「そうはいかねぇよ!ブルックにはウタ助けるの手伝ってもらったし、今も色々助けてくれてるじゃねぇか!」

 

「私もルフィに同意見。ここまで助けてくれて、自分を見捨てろなんて無しだよ!!」

 

「ルフィさん…、ウタさん…」

 

 

 

二人の訴えに、感極まるブルック。動く白骨死体という、どう見ても化け物としか言いようがない自分を

 

ここまで気にかけてくれたのが嬉しかったのだ。

 

 

 

「そこまで言うなら、わかりました。私に何が起こったのかご説明します。」

 

 

 

 

 

 

 

そしてブルックは語り始めた。

 

今より五年前、壊れた船の修理のための部品を探して、スリラーバーグに上陸するも

 

ゾンビに追い立てられ、やがて捕まってしまった。

 

そして見るも巨大な大男に、影を切り取られてしまった…その男こそ

 

 

 

「王下七武海の一人、ゲッコー・モリア。"カゲカゲ"の実の能力者です!」

 

 

 

影を死体に入れることで、モリアの意のままに動く死体兵士が誕生する。それがゾンビの正体。

 

そして気を失い、船に乗せられ海に流されるも、運よく目を覚まし引き返すことに成功。

 

そのまま自分の影を入れられたゾンビと交戦するも……

 

 

 

「結果は、大敗…。惨めな命乞いの果てに、なんとか逃げ出すのが精いっぱいでした。

 

どうしても、死にたくなかった…。どうしても果たさなければならない約束があったのです。」

 

 

 

自分たちルンバー海賊団には、偉大なる航路に入る直前に分かれた仲間がおり

 

偉大なる航路を一周したら迎えに来るという約束を交わし、双子岬の灯台守に託すも海賊団は全滅。

 

生き残った自分には、その仲間に"自分たちの最期"を伝えるべき使命がある…と。

 

 

 

 

 

 

 

ブルックの語りを聞き、ルフィとウタの脳裏にある"友達"の姿が思い浮かぶ。

 

かつて海兵見習いの時、航海術訓練の最終テストとして、二人でリヴァースマウンテンから初めて偉大なる航路に進出した際にであった友…

 

その名は…

 

 

 

「「ラブーン……!」」

 

「……え?」

 

 

 

二人が思わず口にした名前に、ブルックは呆然とした。

 

その顔には、髑髏にも関わらず、驚愕の表情がハッキリと表れていた。

 

 

 

「お、お二人とも、今なんと…!?」

 

「ラブーンってクジラだろ! 軍艦よりもデッケェ、山みたいなクジラ!!」

 

「その灯台守ってクロッカスさんでしょ、元々はお医者さんだったっていう!」

 

 

 

今度は二人がブルックに語り始める…

 

偉大なる航路の入り口"リヴァースマウンテン"の出口にある双子岬

 

そこに世界一大きなクジラ"アイランドクジラ"が一体住んでいる。

 

その名はラブーン。

 

一度、灯台守にして医師のクロッカスが、ある海賊団に同行し、ルンバー海賊団は逃げ出した

 

と情報を持ち帰るもそれを信じず、友の帰還を50年以上も待ち続けているのだと。

 

 

 

 

 

 

 

「お、おお…おおおぉぉぉぉぉ……!!!」

 

 

 

ブルックは両手で顔を覆い、天を見上げる。

 

 

 

「ラブーン…ラブーン……!!」

 

 

 

何も無い、空洞であるはずの眼から、枯れ果てたはずの涙が溢れ出す。

 

それは、50年以上も友を待たせた罪悪感と、この霧の海で足踏みし続けた無力感、そして今でも自分たちのことを信じ続けてくれたという歓喜の涙だった。

 

それをみてルフィとウタは、何かを決意するかのように互いを向いて、頷きあう。

 

ローラもまた悲しげな、しかし何かを決意するかのような表情をしていた。

 

そんな彼らを…一匹のコウモリが監視していた。

 

 

 

 

 

 

 

「…俺のゾンビ兵が一体、洗脳を解除されたようだ…。」

 

「ええっ!! モ、モリア様の"カゲカゲの実"の洗脳が!?」

 

 

 

スリラーバーグ中心にある城、そこで巨大な大男が部下に対し、コウモリが入手した情報を語っていた…。

 

部下の名前は"ドクトル・ホグバック"、天才的な外科医であり

 

モリアの部下として、死体を修復・強化し、ゾンビ兵の素材を確保している外道である。

 

そして大男こそ、超人系悪魔の実"カゲカゲの実"の能力者にして王下七武海の一人…

 

スリラーバーグ海賊団の船長、"ゲッコー・モリア"である。

 

 

 

「そう驚くほどじゃねぇだろ、"ウタウタの実"の能力は精神操作。

 

俺の"カゲカゲの実"の洗脳能力を上回ってもおかしくねぇ。」

 

「し、しかしそれだと、我々のゾンビ兵は…!!」

 

 

 

カゲカゲの実で造られてたゾンビ兵は、最初からモリアに服従するわけではない。

 

当初は、影の持ち主と同じような人格を宿しており、それによってはモリアに反抗的なゾンビもいる。

 

しかし、時間が経つにつれ、元の人格は失われ、モリアに忠実なゾンビ兵となるのだ。

 

だが、ウタウタの実でその洗脳能力が解除されるということは、すなわち、今まで苦労して集めてきた影…すなわちゾンビ兵全てが敵に回るということになるのだ。

 

 

 

(ちっ、面倒くせぇ…少し甘く見過ぎていたか。)

 

 

 

モリアの脳裏に、先日来た『同僚』との会話を思い出される。

 

 

 

 

 

数日前

 

 

 

「なに?天竜人を殴った海兵共が、この"魔の三角地帯"に侵入しただと。」

 

「そうだ。世界政府は二人を確保してこちらに引き渡すように…もしくは手出しするなと言っている。」

 

「けっ!あいつらの言うことなんて聞く道理はねぇな!!…もっとも、そんな奴らは知らねぇ。

 

なんせ、この霧の海は視界ゼロだからなぁ…。」

 

「…世界政府からの指令は確かに伝えた…。」

 

 

 

モリアの元に訪れた、彼に人を取らない巨漢の名前は"バーソロミュー・くま"

 

"暴君"の異名をもつ、王下七武海の一人である。

 

彼は、ルフィとウタが"魔の三角地帯"に入ったと知った世界政府上層部"五老星"からの指令を伝えに来たのだった。

 

モリアはそれに対し、上記の通りの返答をし、追い返したのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

「キシシシシ、面白れぇじゃねぇか。それくらいやってもらわなきゃ苦労して見つけた甲斐が無いってもんだ!」

 

 

 

返答は嘘だった。彼はルフィとウタが、自身のナワバリに侵入したのを察知していたのだ。

 

いつもは、侵入者の位置を特定するために、発光弾入りの樽を流し、それを相手に開けさせて位置を特定していた。

 

しかし今回は他の誰かに二人を見つけられないように、カゲカゲの実の能力で生み出したコウモリで地道に探すという

 

"他力本願"がモットーの彼からは信じられない手段をとっていた。

 

その理由は……

 

 

 

(ウタウタの能力を使えば、今までよりもずっと簡単に影を奪える!それどころか、アブサロムと組ませれば俺たちは無敵だ!)

 

 

 

スケスケの実で触れた物体も透明にできるアブサロム、そこに歌声を聞かせさえすれば相手を無力化できるウタ。

 

見聞色の覇気は意識して使わなければ、効果を発揮されない。

 

普段の生活のなかに潜入し、敵陣地のど真ん中でウタウタの能力を使えば…

 

まさしく味方からすれば夢のような…敵からしたら悪夢のような、最凶の組み合わせである。

 

 

 

(さらに、あのクロコダイルを倒したというモンキー・D・ルフィという海兵!あいつの影を使えば、俺の切り札は完成する!!)

 

 

 

中には普段から見聞色を使っている強者もいるが、それに対する切り札もちゃんと持っている。

 

後はウタが言うことを聞くかどうかだが、影を取られたルフィを人質にするなり、手段はいくらでもある。

 

二人を確保できれば、自身の野望は達成したも同然。流石のモリアも、興奮を隠せなかった。

 

 

 

「ホグバック、ゾンビたちに地中深く潜って待機するように命令を出せ。

 

そしてお前はペローナとアブサロムを回収して、連絡船として使ってる船へ避難しておけ!」

 

「モ、モリア様一人で戦うおつもりですか!?」

 

「ああ、ちょっと…派手に暴れてやるぜ……!」

 

 

 

部下に退避するように命令し、不敵に笑うモリア。

 

その目線の先には、彼のいう"切り札"が存在していた。

 

 

 

 

 

 

 

「ブルック、私たちにも、貴方の影を取り戻すのを手伝わせて!」

 

「ああ、お前のゾンビも俺がブッ飛ばして、影を取り返してやるよ!!」

 

「ルフィさんさん、ウタさん…」

 

 

 

一方そのころ、涙を流し続けるブルックに、ルフィとウタは助力を申し出ていた。

 

元々海兵として、この海に住む人々の生活と幸福を守るために戦っていた二人にとって

 

ブルックを放っておくなどという選択肢は、最初から存在しなかった。

 

 

 

「ねえ、ブルック。貴方の影をもつゾンビ、私知ってるかも。ある場所を守る用心棒してるわ。」

 

 

 

更にローラも情報提供して、助力する旨を伝えてきた。

 

 

 

「本当ですか、ノシシさん。そのゾンビ、ヨホヨホ言ってます!?」

 

「ええ、言ってるわ。」

 

「侍みたいな恰好をしている!?」

 

「ええ、してるわ。」

 

「パンツ見せてください、が口癖の!?」

 

「いや、それは知らない!あんた、それが口癖なの!?」

 

「むう、それだと私のゾンビである確率は半々といったところですね。」

 

「「あんたの半分はセクハラ発言でできてんのかい!!」」

 

「まあ、いいから其処にいこうぜ。怪しいやつら片っ端からブッ飛ばせばいいじゃねぇか。」

 

 

 

ブルックに突っ込む女性陣をよそに、単純で、しかし確実な手段を口にするルフィ。

 

その時であった。

 

 

 

「っ!?なんだぁっ!!?」

 

 

 

四人の上から巨大な何かが降ってきたのだ。

 

いち早く気付いたルフィが、間一髪ほかの三人を掴んで落下物から回避する。

 

 

 

「な、なにこれ…壁?なんで壁が降ってきたの…?」

 

「石じゃねぇな、硬いような…柔らかいような…」

 

「ヨホホ、びっくりして冷や汗ビッショリです。私、汗かかないんですけど!」

 

「こ、これはまさか…まだ影が入ってないはずじゃ…!?」

 

 

 

落下物を調べるルフィとウタ、調子を取り戻したのかスカルジョークを口にするブルック。

 

それに対しローラは驚愕し、三人に警告を叫んだ。

 

 

 

「みんな、そいつから離れて!そいつはオーズ!モリアが極寒の国から見つけてきた古代巨人族の死体よ!」

 

「「「ええええええっ!!??」」」

 

 

 

慌ててその場を離れながら、落下物を見る一同。

 

それは、長い角や牙を有する…さながら赤鬼ともいうべき死体だった。

 

驚愕すべきは、普通の巨人族の4倍以上はあろう巨体である。そして…

 

 

 

「海兵~~~~!!!歌姫~~~~!!この島からは逃げられねぇぞ!!お前らは俺の奴隷になるんだ~~!!」

 

 

 

物言わぬ死体であるはずの死体…オーズは天地を揺るがすほどの雄たけびを上げ、ルフィとウタを睨みつけるのだった。

 

 

 

巨重…出現!!

 

 

 

 

 

 

 

To Be Continued

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