海兵ルウタ   作:ニドラン

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海兵と歌姫と歌う骸骨 part6:ありがとう マイフレンズ

このssにはキャラ崩壊・設定捏造が含まれます!

 

ご注意ください!

 

 

 

 

 

 

 

part6:ありがとう、マイフレンズ

 

 

 

スリラーバーグ "負け犬の森"

 

 

 

「っんめぇなあっ!この梨!」

 

「果汁が滴りますね~、私のお肌も潤いそうです。わ「ブルックに肌ないでしょ」…ヨホ。」

 

「ルフィも動かないの!かすり傷ばっかとはいえ、ばい菌がはいるといけないんだから!」

 

 

 

その辺になっていた梨を安全かどうかも確認せず食べるルフィとブルック(のちにウタが被害者の会に聞いたが安全らしい)

 

ローラ船長たちはオーズモリアに対抗するための秘密兵器を取りに行っていた。

 

その間ウタがルフィが追った傷を治療し、万全の期して準備していた。

 

 

 

しばらくしてローラ船長とイノシシローラが数名の部下と共に帰ってきた。

 

その手には数本のロープが握られており、その先には…

 

 

 

「影!?」

 

「こんなにいっぱい…どうやったの!?奪われた影はゾンビに入れられてるんでしょ?」

 

「ああ、それは塩をゾンビに飲み込ませるんですよ、口に押し込むようにするのがコツです。」

 

 

 

コツなのです、と重ねて言うブルック。

 

元々影を本体から切り離すのは悪魔の実の能力、故に海から作り出された塩をゾンビの体内にいれることで

 

影をゾンビから切り離し、本体の元にもどせるということだった。

 

 

 

「自分の影を取り戻そうと、ゾンビに塩を飲み込ませたんだけどよ。中々自分の影をもつゾンビには巡り会えねぇんだ。」

 

「それで、他人だけ影を取り戻せるのが癪で、つい捕まえようとしたら、できちまったんだよ!」

 

「…………」

 

 

 

興奮した様子で話す船員たちを、ウタは悲しげな表情で見た。

 

 

 

「…わかってるわ、ウタ。本当だったら、この影の持ち主たちは今頃太陽の下で生きられた。

 

これは船長である私の罪であり責任よ。いい訳はしないわ。」

 

「ううん、責めるつもりはないよ…。何年もこんな暗い島で、諦めないで生き続けたんだもの。ローラたちの頑張りを否定しない。悪いのは、モリアだ。」

 

「それによ、この影使えばモリアのやつぶっ飛ばせるんだろ?それでみんなの影戻ってきたら、この影の持ち主たちも許してくれるって!」

 

「あんた達…あんた達好きよ、私!」

 

 

 

自分たちのやったことに逃げない姿勢を見せるローラに、ルフィとウタは労りの言葉をかける。

 

眼に涙を浮かべたローラは、二人を抱きしめるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「それで、この影はどう使うんですか?」

 

 

 

疑問を口にするブルック、影を取り戻す方法は知っているが、影そのものをどう使うかは知らないのだ。

 

 

 

「それはね、ルフィ!あんたの体に、この影たちをいれるのよ!!」

 

「「「えええええぇぇぇぇ~~~~~!?」」」

 

 

 

影は人格だけじゃなく、戦闘能力も本体と同じで、それを他の人間に入れるとその戦闘能力を上乗せできるのだという。

 

今まで集めた影100体のうち何体かをルフィに入れることで、ルフィ自身の戦闘能力を底上げする!というのがローラ船長たちの作戦であった。

 

 

 

「それ大丈夫なの?ルフィの人格とか…」

 

「私らは2、3人入れるくらいが限界だったけど、特に性格が変わるとかは無かったわ。

 

ただあの巨大死体兵に勝とうと思ったら2、3人程度じゃ足りないわよね…」

 

「じゃあ全部入れようぜ!」

 

「「「えええ!?」」」

 

 

 

影を体に入れる危険性を考えるウタをよそに、ルフィは無造作に影を掴みとる。

 

 

 

「いやいや、待ちなよ!入れても安全かどうかわからないんだよ!」

 

「あ、あんただったら20~30人分くらい大丈夫だと思うけど、100体全部は流石に…」

 

「でもよ、ノシシが言ってたんだ。千載一遇のチャンスだってよ。この機会逃したらモリアのやつ、正面から戦わねぇんじゃねぇか?」

 

「それは、確かに…。」

 

 

 

モリアさえ倒せば全てが解決する。

 

戦力の出し惜しみはするべきではないというのがルフィの考えであった。

 

 

 

「大丈夫!おれ、自信ある!!!」

 

「うおおお~、スゲェ頼もしい!!」

 

「流石は俺たちの希望の星だぜ!!」

 

 

 

船員たちも同調し、影100体全てをルフィに入れる流れとなってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

「本当に大丈夫かな、ねぇブルックはどう思う?……ブルック?」

 

「………」

 

 

 

ウタに意見を求められるも、ブルックは応えず、ただ森の入口の方を睨んでいた。

 

それにつられ、ウタも森に漂う霧の向こうに目を凝らす。

 

やがて…

 

 

 

「ヨホホ…こんなところに隠れていましたか…。」

 

 

 

一人のゾンビ…それも侍姿のゾンビが現れた。

 

 

 

「っ! みんな!ゾンビ兵がいるよ!!」

 

「「「えっ!」」」

 

 

 

ウタの呼びかけに全員が振り返る、特にイノシシのローラは驚愕していた。

 

 

 

「あ、あいつはリューマ!"新世界"にある"ワの国"で伝説と謳われる侍のゾンビよ!」

 

 

 

"新世界"…偉大なる航路における後半の海はそう呼ばれる。

 

ワの国とはその"新世界"にある島国の一つで、"武力によって鎖国を維持"している国である。

 

 

 

「で、伝説?それっていったい…?」

 

「嘘か真実か…空を飛ぶ龍を切り落としたと呼ばれる、伝説の剣豪よ!」

 

「ヨホホ、ご紹介いただきありがとうございます。裏切り者さん。ところで、歌姫さん。一つお願いが…。」

 

「な、なによ…!」

 

 

 

イノシシのローラの警告を聞き、警戒を強めるウタ。そんな彼女に対しリューマは…

 

 

 

「パンツ見せてください」

 

「見せるかぁっ!」

 

「イチ「言わせるかぁっ!」ぷげっ!」

 

 

 

セクハラ発言ゾンビには投石を、デリカシー0の恋人にはアッパーカットを、制裁を済ませたウタは、ハッとした表情でブルックをみた。

 

 

 

「このやり取り…!ブルック、ひょっとしてあいつが!」

 

「…私の影が入れられたゾンビです。」

 

「ヨホホ、最も肉体の強さでは、私の方が格上ですがね。」

 

「くっ!」

 

 

 

ウタは咄嗟にウタウタの能力を使おうとする。

 

イノシシのローラの言葉が確かなら、自分が歌えば、リューマの洗脳も解除されるはずだ。

 

しかし…

 

 

 

「無駄ですよ、お嬢さん。ほら、海楼石の耳栓!形が悪いので、完全に歌を遮断できませんが、能力を無効化するにはこれで十分なのでしょう?」

 

「な、なんでそれをあんたが知ってるの!?」

 

 

 

見せられた耳栓は、海兵時代にみたものとそっくり同じだった。それを身に着けた仲間たちと共に戦っていたのだ。

 

なぜ海賊が海楼石の耳栓を? 疑問が渦巻くウタの横をすり抜け、ルフィが前に出る。

 

正面から戦うしかない強敵を相手しようとするルフィを…ブルックが止めた。

 

 

 

「ルフィさん、ここは私が。」

 

「…無理だよ、ブルック。悔しいだろうけど、あいつの言う通りだよ…」

 

 

 

ウタもまたリューマの強さを見抜いていた。

 

海兵時代、海を脅かす大海賊と渡り合う海兵たちに鍛えられたのは、伊達ではないのだ。

 

目の前の侍ゾンビは、肉体の強さだけならルフィにも匹敵するだろうと、彼女は見ていた。

 

 

 

「いいえ!ルフィさんは、あの巨大な死体兵との対決を控えた身。こんな奴相手に消耗するわけにはいきません。」

 

「…わかった。ブルック、お前に任せる。」

 

「ルフィ…」

 

 

 

ブルックの覚悟を見抜いたルフィは、その場を任せることにした。

 

そんな彼らをみて、リューマはいきなり地面に座り込むと

 

 

 

「うわぁ!!や、やめてくれっ!!アフロだけはっ!!アフロだけはっ!!!」

 

「「「!?」」」

 

 

 

情けない声を出しながら手をバタバタと動かすような、芝居がかった動きをし始めた。

 

 

 

「…すいません、…参りました。どうか逃がしてください…この島を出ていきますから…。」

 

 

 

やがて"お芝居"が終わったのか、何事もなかったかのように立ち上がるリューマ。

 

ブルックもまた、仕込み杖を抜き、構えた。

 

 

 

「どうです?なかなか似ていたでしょう?なんせ私は、貴方の影なのですから。

 

ヨホホ、我が本体ながら、あれは見苦しかった…。」

 

「なんとでも言いなさい、もうこれは私だけの問題ではない。

 

骸骨のバケモノとしか言いようがない私を受けいれてくれた皆さんの為にも…帰ってきてもらいますよ、私の足元へ!!!」

 

 

 

一瞬にして切り結ぶ両者、間で火花が目に見えるほどの剣戟が繰り広げられる…しかし、天秤は瞬く間に傾いていった。

 

 

 

「ヨホホ、相変わらずアフロが大事みたいですねぇ。それがないと、友達のクジラに気づいてもらえないでしょうからねぇ!

 

「黙れ!!!」

 

 

 

友…ラブーンのことを言及され、怒りを剣に乗せて突きを繰り出すも、リューマには簡単に凌がれてしまう。

 

ブルックの大きなアフロは、かばって戦うには余りにも大きすぎる弱点である。

 

しかしそれがなければ、ラブーンにとってブルックは、ただの骸骨のバケモノとしか見られないかもしれない。

 

ブルックにとって、アフロは自分の証明となる大事なものとなっていた。

 

 

 

「ブルック!」

 

「頑張れ!!ブルック!!!そんなチョンマゲゾンビ、ブッ飛ばしちまえ!」

 

「踏ん張れ、希望の白骨剣士!自分の影なんかに負けるなー--!!」

 

 

 

劣勢に陥るブルックを、ウタが、ルフィが、被害者の会たちが応援する。

 

その姿に、イノシシのローラはある決意を固めた。

 

 

 

「…ごめんなさい"私"。今だけは、私の好きにさせて頂戴!!」

 

「"私"?いったい何を!?」

 

「ブルック!今から塩飲み込んで、影を吐き出すわ……その影を使って戦って!!!!」

 

 

 

イノシシのローラ、ウタたちより前にでて、ブルックに向かい叫んだ。

 

それは、自分の人格の消滅を覚悟してのことだ。

 

 

 

「ノシシさん!?」

 

「ノシシ、お前…!」

 

「ウタ、もう少し一緒にいられると思ったけど、結局お別れみたい…。」

 

「ノシシ……」

 

 

 

ウタの眼に再び涙が浮かぶ。

 

そんな彼女を励ますように、イノシシのローラは満面の笑みで、ある願いを口にした。

 

 

 

「ウタ、歌ってくれない?最期に、貴方の歌が聞きたいの。私の心を取り戻してくれた歌を…。」

 

「私からもお願い、ウタ。"私"の最期を、貴方の歌で飾ってあげて!」

 

「ノシシ…。ローラ…。」

 

 

 

友との別れに躊躇するウタ、彼女の背中を押したのは…ルフィだった。

 

 

 

「ウタ、これ…。」

 

 

 

彼が取り出したのは、"音貝(トーンダイアル)"、ウタの曲のメロディを録音してあるものだ。

 

彼は、いつかウタが戦いの為ではなく、誰かの為に歌う時がくると信じて、この音貝を肌身離さず持っていたのである。

 

 

 

「…わかった。…ノシシ、今までありがとう!!」

 

「私の方こそ、楽しかったわよ。」

 

 

 

ありったけの感謝と友情を込めて、ウタの歌声が周囲に響き渡る

 

 

 

♪どうして あの日遊んだ海のにおいは どうして すぎる季節に消えてしまうの

 

 

 

「ねえ、"私"。影を取られたこの数年間、散々な毎日だったけど、良い事もあったのに気づいたわ。

 

自分の影と友達になれるなんて、この広い海でも、きっと私たちだけよ!」

 

「そうね、"私"。私も、こうして貴方と話せてよかったわ。…必ず貴方の足元に帰ってくる。もう少しだけ待ってて。」

 

 

 

♪またおんなじ歌を歌うたび あなたを誘うでしょう

 

 

 

「ノシシ、ありがとな!お前のおかげで、ウタが歌う元気を取り戻せた!!」

 

「ルフィ…。ウタを守ってあげてね、どんなときも……。」

 

「当たり前だ!!!」

 

 

 

♪信じられる? 信じられる? あの星あかりを 海の広さを

 

 

 

「ノシシさん!私、絶対に勝ちます!!貴方のような素敵なお嬢さんが力を貸してくれるのですから!!!」

 

「ブルック…貴方なら絶対勝てるわ!きっと、友達との約束も果たせる!!」

 

 

 

♪信じてみる 信じられる 夢のつづきで 共に生きよう

 

 

 

イノシシのローラが塩を飲み込むと、物言わぬ屍となった花嫁は静かに横たわり、その身体から影が抜き出てくる。

 

 

 

♪暁の輝く 今日に

 

 

 

影は歌声にのって踊るように宙を舞うと、勝利を約束した骸骨剣士の身体へと入り込んでいった。

 

 

 

「…さよなら、ノシシ……。」

 

 

 

歌を終えたウタの頬を、一筋の涙が流れるのだった。

 

 

 

「…ヨホホ、歌劇は終わりましたか?まったく、呆れたものですね。あんなつまらない女の影一つ入った程度で勝てると思っているとは。」

 

「…つまらない?今、つまらないと言いましたか?ヨホホ、どうやら貴方の眼は、見た目通り節穴のようだ。」

 

 

 

歌が始まってから、沈黙を保っていたリューマが嘲る。

 

それが、目の前の剣士の逆鱗に触れた。

 

 

 

「私と違って、女性を見る目がないにも程がある!!!!!」

 

「!!!?」

 

 

 

目にも映らぬ速さで繰り出された突きが、辛うじて防御したリューマの身体を吹き飛ばす。

 

その白骨の身体に宿るは、友情を結んだ花嫁の魂の力。

 

 

 

今度こそ、負けられぬ戦いが始まるのだった…。

 

 

 

 

 

To Be Continued

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