スライム倒して300年×魔女の旅々×のんのんびより 作:香野ともき
同じ場所で同じタイミングで異世界にやってくるってそんな奇跡あるものなのか……。それにしてもあの神様……。ホントに適当なんだな……。っていうかこの二人、まだ現世で死んでなくない? なんで転生しちゃってるの。
ピンポンパンポーン。
頭の中にアナウンスが流れ始める。次に目を開いた瞬間私はまたあの不思議な空間にいた。そしてあの時以来の神様もいた。
「お久しぶりです、アズサさん。神様です」
「あ、どうも神様……。ってあの二人はなんで転生しちゃってるんですか! 話聞いてる感じだとまだあの二人は死んでないですよね」
「そうなんですよ。ホントに困ったものです」
やれやれですと神様は首を横にふった。いやいや、あなたが管理してるんですよね。何やっちゃってるんですか。
「アズサさんも勘付いているかもしれませんが、私があなたをここに呼び出したのには理由があります」
「あの二人を現世に帰るのを手伝えってことですよね」
「あら流石のアズサさん。よく分かっていらっしゃいますね」
「彼女たちが来た瞬間、なんとなくこうなるんだろうなという予感はしてましたよ」
「なら話は早いですよ。できるだけ彼女たちを彼女たちの世界に早く戻してあげてほしいのです」
神様は何もない空間に大きな地図を出した。フラタ村に現在地と書かれたピンが打ってあって、その両手を広げて30個くらいのところに目的地と書かれたピンがまたも打っている。カーナビみたいだな。
「この目的地と書かれた町、エンカウンターの町はこの世界で唯一、異世界に出やすい土地なんです」
エンカウンターか……。ゲーマーがたくさんいそうな町の名前だ。
神様は続ける。
「この町、地図からわかるとおりなかなか遠い場所にあるんですよ。そして交通の便が悪い。なんでこんなところに作ったかといったらですね、この世界の人に異世界に行かれたら困るからなんですが」
打倒な理由だろう。
「でもたまに頭のおかしな人が行っちゃうんですよね。それで神隠しとかの伝説になるわけですよ。ほんとにそれで何度怒られたことか……。ねぇ、聞いてくださいよ、アズサさん―――」
話が長くなりそうだなと思い、私は間髪入れずに質問を繰り入れた。
「二人を早く現世に戻してあげてほしいってことだったけど、それはやっぱり記憶とかに影響があるからとか?」
「長くこの世界にいたら、元の世界が恋しくなって寂しくなってしまうかなと思いましてイレイナさんは旅人のようですからともかく。れんげさんはまだ小学校1年生ですしね」
……拍子抜けだったけど、たしかにその通りだ。
「現世に戻ったとき、この世界の記憶とかはどうなるんですか?」
「夢だと思うんじゃないですか。浮世離れしてますし」
まぁ確証もないことを。でも多分そうなる気がする。私も突然に異世界に行って、旅したとか夢だと思うし。
瞬きをした次の瞬間、私はイレイナさんとれんげちゃんに呼びかけられていた。神様は愚痴を言うのを我慢してくれたみたいだ。とりあえずこのことを二人に話した。