元亀4年(1573年5月)
時系列が前後するが、ロンメルが鳴海に帰還後信長から主だった援軍の将が呼び出された
現在信長は浅井朝倉の北近江戦線、一向宗の伊勢長島戦線、摂津の石山本願寺戦線、三好三人衆の山城及び摂津戦線
少し前まではこれに松永久秀の大和戦線や比叡山戦線などがあったが、松永久秀は降伏、比叡山は焼き討ちにあい解体
将軍義昭と信長の関係性も悪化しており、義昭がいつ挙兵するかわからないまでになっていたし、ロンメルと共に金ヶ崎で戦った池田勝正が将軍との関係悪化から信長を見限るのだが、それを親族により追及され、お家騒動が発生
家臣の荒木村重、中川清秀は即座に信長に土下座したことで許されたが、摂津の池田家は追放及び降格処分となり、池田家の所領は荒木に預けられるというピタゴラスイッチも発生していた
そんな最中な為信長の機嫌は最悪であり、佐久間と林、ロンメルは摂津で指揮を取る信長の所に呼び出された
ロンメルだけ帯刀をなぜか許されていた
「佐久間、お主は何をやっているのだ? 信忠から聞いておるがなぜ戦場から余の嫡子いや後継者を残して逃げたのだ? 逃げ佐久間ではなくお前は臆病者の佐久間だな」
「くっ……」
「反論もできぬか……お主の事だ余の逆鱗が過ぎ去るのを待っているのだろう……許すわけ無かろう。お主は家老職をすぐさま辞し、切腹か高野山への追放どちらかを選べ。そして余の前に二度と現れるな」
「……ですが、信長様、我々のような実力を持ち信長様への忠義を持つものは早々おりませぬ! 苦楽を共にした我らとて全てが上手くいくことは有りませぬ。何卒一考を」
ロンメルはそう言いきった佐久間に失望し、林は顔を真っ青にした
「ほぉ、なるほど」
信長様は笑っていた
それに安堵した佐久間
「佐久間……死ね」
「え?」
その瞬間ロンメルが抜刀し、佐久間の首を跳ねた
「ひ、ひぃ……」
林はうろたえ、ロンメルは飛んだ佐久間の首を掴むと信長様に差し出した
「要らぬ。捨て置け」
「は!」
「林、お主は好戦的意見を言っていたらしいな。余からの要望は時間を稼げだったハズだ。なぜ戦うことを選んだ。そして信忠を唆した」
「浜松城を素通りされた場合三河との連絡路が途絶えてしまい武田に打撃を与えること無く三河侵攻に移られた場合尾張が危険になると判断致しました。よって一撃を与えるべきだと信忠様に進言致しました」
「……結果は大敗か」
「面目もございません」
「まあそなたは最後まで信忠を守ろうと平手と共に動いていたのを考慮して罰は無しにしてやる。これからは戦に出すことも無いと思うが内務に励め」
「すみませんでした……」
「ロンメル」
「は!」
「勝成は見事な最後だったと聞いておる。天晴れだ。信玄の本陣に単独で突撃し、後一歩のところまでいったらしいな」
「信玄と思わしき人物に一太刀入れたのですが違ったらしいです。申し訳ございません」
「よい、お主はやれることをしっかりやった。甥の津田をよく守り、鳴海衆と共に勇敢に戦った……これまでの武功を考慮して今しがた空いた佐久間の尾張の領地をロンメル! お主にやる。そのまま東方方面軍として信玄亡き武田領の切り取りに励め。切り取り自由(切り取った領地はお前にやる)とする」
「は!!」
「援軍として池田恒興を派遣する。余は幕府を滅ぼしてくる」
こうして筆頭家老であった佐久間は息子信忠や部下、同盟者を見捨て逃げた卑怯者として信長が死罪を言い渡し、即座に処刑が決行されたと織田家臣達広まった
皆それは仕方がないと言い、族滅でないだけ恩情であると言い合った
林は今回の件で家老職を辞して、一家臣として働くこととなる
ロンメルは佐久間の家臣及び一族は吸収し、与力達は各々必要な織田家重臣や信長が引き取っていった
旧佐久間尾張領地5万石は黄衣と同じ年の弟の死で憔悴してしまっていた利行、平野長治に怪異織田家式の領地経営方針に切り替え、関所を撤廃し、山崎城と山崎の町を中心に鳴海の町と連結する街道整備から始まる
「さてまずは木曽氏の福島城攻めになるか」
「はい、信濃は現在馬場信春が軍監をしており、中山道のどこかで決戦となりましょうぞ」
左恵が皆を代表して軍儀にて発言する
「山城だが兵糧攻めか井戸を枯らせば2ヶ月で落ちるがそこまで時間をかけてやるつもりもない」
「母上、ここは決戦の為にあえて包囲し、兵糧攻めにしましょう。中山道近くに構えておりますゆえに大軍の移動が可能。鳥居峠にて1度目の決戦といきましょう」
「鳥居峠は大軍が移動するのは不向き……釣りか」
「はい、なので鳥居峠をいかに越えさせ青木ヶ丘に誘い込むかが鍵になります」
「鉄砲は?」
「6000丁用意しました。大筒も150門ほど」
「よし! 武田騎馬隊も鉄砲には敵うまい……相手が最強なれどもこちらは火力で潰すまで」
信玄が亡くなられど武田最強騎馬軍団や武田四天王は健在なため不用意な決戦は控えるべしとの声も上がったが、ロンメルは武田主力がこちらではなく同時期に行われる東遠江の方に向かうことに賭けた
武田はどんなに頑張っても2万5000の兵しか動員できない為、2方面作戦となればどちらかを足止めにし、片方に主力を投入という形でないといけない
馬場信春もおそらくそれを承知なので決戦が起こらない可能性もあるが、そうなれば一門衆の木曽一族を見殺しにするのと同意儀なので緊急で当主となった武田勝頼の求心力が低下する
国人衆が多く、三河武士よりも難癖ある武田家臣を纏めるには常に勝つか引き分けなければならない
信玄という偉大すぎる父親の偉業の数々が武田を滅ぼすこととなるとロンメルは睨んでいた
「左恵、鳥居峠への釣り隊大将に任命する。こちらは木曽包囲完了後主力を青木ヶ丘に向かわせる」
「は!!」
「信忠様下知を」
「うむ……これより武田討伐を開始する」
翌日には岩村城を出発した武田討伐軍2万は織田領近くの砦を即日に5つ破壊し信濃侵攻を開始
2日後には木曽福島城を包囲し、兵糧攻めを開始する
「なに!? 織田も攻めてきただと!」
「はい! 徳川に長篠城を奪還されたばかりで東遠江にも攻撃を仕掛けられておりますが信濃の方は馬場がおります。我々は素早く徳川を蹴散らし織田を撃退するのが上策かと」
「うむ! それでいこう! 親父の死は既に勘づかれていたか……誰が洩らした」
「長篠城攻めで救援をせずに徳川に寝返った奥平かと」
「奥平め……織田撃退が済み次第第二次西上作戦を開始する! 良いな」
「は!!」
その頃木曽福島城では大筒150門と多数の鉄砲により砲火にさらされ忠輝の調略により内応者が出る始末
僅か3日で堅城な木曽福島城は陥落してしまった
木曽一族は当主のみ切腹し、兵達は逃がし、ロンメルは木曽福島城を信濃侵攻の拠点にすることにした
「馬場隊はどうなっている?」
「はい、現在深志城にて8000の兵を集め待機しているとの事」
「福島城が落ちるのが早すぎてこれでは武田勝頼の求心力低下にはならぬな……一政」
「は!」
「兵1万で池田殿と協力して飯田城を落としてこい。大筒は全て持っていって良い。堅城でもないのでそこまで時間もかかるまい」
「わかりました」
「よし、左恵、釣りを仕掛ける深志城下町を放火し、挑発してこい」
「わかりました」
釣り部隊が馬場を釣るため城下町に放火を始め、一政率いる別動隊が飯田城の攻撃を開始
馬場は飯田城を助けるかロンメル率いる主力を蹴散らすかの二択を迫られた
「飯田城救援に向かうぞ」
馬場はそう判断し行動を開始した
左恵は馬場がこちらに来ないと判断すると早急に青木ヶ丘にて陣をしていたロンメルに伝達
ロンメルは鈴川に木曽福島城の守りに2000名を預け飯田城に急行し、信濃の宮田村に先回りして陣を引いた
「なに!? 織田はなぜそんなにも速く移動できたのだ!?」
これはロンメルが導入を進めた馬車によるもので、軍馬を大量に飼育しているロンメルは機動力向上のため馬車を前秋に作らせ物資運搬等に導入し技術を蓄積し、兵の運送を行うまでに拡張していた
馬車連結させ、即席の障害物とすると左恵の号令で鉄砲による射撃が開始された
「く! 分が悪い……退け退け!!」
傷が浅いうちに馬場隊は撤退し、それにより飯田城も戦意喪失し落城
そのままの勢いで武田信廉が守る高遠城を1万8000の兵で攻撃し、矢倉で指揮をしていた武田信廉を鉄砲による狙撃で殺害
城門を火薬の爆発でこじ開けると力攻めで150名の死者を出しながらも落城させた