ロンメルの受難   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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最終選別

「炭治郎はこの岩を斬れたら最終選別に行くことを許可する」

 

 目の前には人よりも大きな岩が炭治郎の前に鎮座していた

 

「ロンメル……話がある。着いてこい」

 

 炭治郎は鱗滝さんに待って貰うように叫ぶが鱗滝さんは振り返ること無く歩いて行ってしまった

 

 ロンメルはすぐに鱗滝さんの後を追った

 

 

 

 

 

 鱗滝さんは炭治郎よりも2倍程大きな岩に腰をかけた

 

「座れ」

 

 鱗滝さんは私を座らせた

 

「儂は正直お主を鬼殺隊に推薦したいと思っておる」

 

「それはそれは……」

 

「鬼殺隊は多かれ少なかれ鬼に恨みを持った集団だ。純粋な剣術のみを求めて入るような組織ではない」

 

「……」

 

「ただロンメルお前さん人が好きだろ……仲の良かった者、家族、血縁者……民が好きだろ」

 

「……わかりますか」

 

「1年半近く共にすればわかる……お前さんなら木刀でもこの岩を斬ることはできるだろう」

 

「まぁやろうと思えばできますが」

 

「……儂が教えた十の型は覚えたな」

 

「はい」

 

「正直に話そう。今の世は表向き争いの無い平和な世の中だ。それ故にお前さんの耳としっぽは目立つ……警察や憲兵に捕まれば人体実験の材料にされるだろう……歯向かえば国賊だ。だから儂はお主が生きるために鬼殺隊に入ることを強く薦めることにした」

 

「おお、あれだけ悩んで居たのによくその結論に至りましたね」

 

「あぁ、儂もこの考えに至るとは思っていなかった。ただ、鬼殺隊に入れば更なる剣術を学べるのもしかりだ。更なる剣術は確実に学べる……が、お前さんの好奇心が鬼にならないか不安でならない」

 

「鬼に……ですか?」

 

「あぁ、鬼となれば更なる妖術……血鬼術という技を身に付けることができてしまう。人の肉体を超越しているため力も上がる。傷も瞬時に治る……その魅力に取り憑かれてしまわないか心配でならない」

 

「過去に居たのですか? 鬼殺隊を裏切った者が」

 

「居たという記録は無いが居ないとも言いきれん。それだけの行為だ記録が消されている可能性が高い。鬼殺隊は平安から続く組織故に長い歴史の中で裏切り者がいた可能性は捨てきれん」

 

「なるほどなるほど。ちなみに鬼はどうやって倒すのですか?」

 

「日光に当てるか特殊な鉄で作った武器で首を切断することで倒すことができる」

 

「竈門禰豆子は鬼ですよね? なぜ殺さないのですか?」

 

「あれは特殊と判断した。奴が他の鬼と同じ人を食らう鬼であったのならばこの鱗滝左近次責任を持って腹を斬る」

 

「なるほどなるほど……ならば」

 

 スパンと木刀で大岩を真っ二つにする

 

「私は人を守るために鬼を倒そう。強くなるために鬼を倒そう。生きるために鬼を倒そう……3つも理由が有れば十分だ」

 

「よし、お主にこのお面と儂のお古だが日輪刀をやる……最終選別を必ず生きて戻ってこい」

 

「わかりました……ありがとうございます」

 

 ロンメルは青く光る刀……日輪刀と狐の厄除の面を貰い最終選別の行われる藤襲山へ旅に出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロンメルは翌日には藤襲山に到着する

 

 そこは藤の花が季節外れにも関わらず咲き誇っていた

 

「天ぷら……ジャム……蜂蜜漬け……」

 

 なんて呑気な事を口ずさみながら階段を登りきると白髪と黒髪のおかっぱの男か女かわからない子供が待っていた

 

「ロンメル様お待ちしておりました。鱗滝左近次様より話は聞いております。少々季節が違いますが他の隊員候補の皆さんと同じ場で最終選別を行うと混乱が生じると思い特例処置とさせていただきます」

 

「本来であれば他の隊員と協力も行わせるために約20から50名程で最終選別を行うのですが、今回はお一人で最終選別を受けて貰います」

 

「鬼が嫌がる藤の花はここより先には咲いておりませんから鬼どもがおります。この中で7日間生き延びてください」

 

「それが最終選別の合格条件でございます……では行ってらっしゃいませ」

 

 ロンメルはおかっぱ2人に一礼すると山の奥に歩いて進んでいった

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒッヒッヒッ久方ぶりの人肉……は? お前鬼か? いや、鬼ではないよな! 異形か! こりゃ旨そうだ」

 

「失礼あなたは鬼でしょうか」

 

「見ればわかるだろ! さっさと食われて死ねぇ!!」

 

 ロンメルは鬼の首を掴み握力と腕力にものを言わせてネジ斬る

 

 空中に頭を投げ、鬼の体を踏みつけると瞬時に四肢を日輪刀で斬りさく

 

「は?」

 

「本当に首だけになっても生きているのですね! いやぁ鬼らしい鬼にであったのが今回が初めてなので色々実験してみたくてね……藤の花が嫌いと聞きましたがどれくらい嫌いなのでしょう」

 

 ロンメルは懐に忍ばせていた藤の花を取り出して鬼の鼻に押し付ける

 

「ぎやぁぁぁ!! やめろ痛い痛い痛い!」

 

「痛いのですか! なるほど! 次はっともう腕が生え始めてますね! 頭からも体からも腕や足が生えてくるとは面白い……ですが何回斬り裂いても生えるのでしょうかね!」

 

「ひ、ひぃ! き、気違いかよ! やめろ! 悪かったやめてくれ……一思いに殺してくれぇ!! ギャァァァ!!」

 

 ロンメルはこの場で思い付く限りの拷問もとい実験を繰り返した

 

 悲鳴に釣られて鬼がやって来るが最初の鬼以外はすぐに首を落として殺害する

 

「なるほどなるほど! 首を斬ると砂や塵のように崩れるのですね……着ていた服は暖を取る時に使いましょう!」

 

「ごろ……しで……ご……ろしで」

 

「駄目ですよあなたは最後に日光に当たるとどうなるかの実験をしなければならないのでそれまで生きてくださいね」

 

 戦国時代を生き抜き、一向宗や敵兵を殲滅してきたロンメルに敵に対しての慈悲は一切無かった

 

 山の一角の木を切り払い、朝日に当てると鬼は

 

「ギャァァァ! 焼ける熱い熱い熱……」

 

 燃えて消えていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 7日間で30は鬼を斬り殺したがあることが解った

 

 それはそれは女の鬼の人体を分解していた時に女の鬼が

 

「ひ、人を食らった数が多い鬼ほど力が強い! そして鬼は群れない! あのお方が群れるのを禁じているからだ」

 

「あのお方とは? 鬼にも大将がいるのですか?」

 

「いる! あのお方から血を分け与えられると人から鬼に変わる! ……だからもう切り刻まないで……」

 

「さすがに食べたりはしないけど私は知識が足りないんだ。鬼の大将の名前は……確か……鬼舞辻無惨だったかな? ……ん? 何か鬼は鬼舞辻無惨の名前を言ってはいけないんだっけ?」

 

「そ、それは……」

 

「丸太と岩で擂り潰されるか鬼舞辻無惨の名前を言うかどっちが良い?」

 

 ロンメルの底知れない威圧感に鬼は顔面蒼白となり、涙を流しながらそれだけはおやめくださいと懇願する

 

「そうか、言わないか……なら挽き肉の刑だね」

 

 ロンメルは達磨にした鬼を丸太と岩で刷りおらしていく

 

「ギィヤァァァァ!!」

 

 結局その鬼は鬼舞辻無惨の名前を言わずに5時間にも及ぶ拷問の末に日の光を浴びて亡くなった

 

「ふむ……まぁボチボチか。しっかし私も残虐になった物だ。平和ボケしていた頃と比べるとずいぶん酷くなったな」

 

 もうかれこれ35年、ウマ娘の世界も合わせると50年

 

 現在肉体は13歳くらいではあるが、過酷な環境にドップリ浸かったロンメルは自身の持つ武力の才を精神力で押し止めていたが、一度理性のタガが外れると利の為にどこまでも残虐的になれる素質を持っていた

 

 持っていたからこそ戦国の世を渡りきったのであるが……

 

「鱗滝さんは私のこの残虐性にも気がついていたからギリギリまで木刀を渡していたのかな? まぁこれで試験は合格かな?」

 

 7日目の朝日を体一杯に浴びながらロンメルはそう呟いた

 

 

 

 

 

 

 

「お帰りなさいませ」

 

「そしておめでとうございます。ご無事で何よりでございます」

 

 白黒のおかっぱ2人が藤の花が咲く山の出入り口で待っていてくれた

 

「まずは隊服を支給させていただきます。体の寸法を測り、その後階級を刻ませて貰います」

 

「階級は甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸となっており、現在の皆様の階級は一番下の癸でございます」

 

「階級が上がると何か違うの?」

 

「まず賃金が違います。階級に見合った賃金をお出し致します。乙の階級ともなれば家族をなに不自由なく暮らせる程にはお金を出しましょう」

 

「鱗滝さんから聞いたんだけど更に上の柱って階級はどうなの?」

 

「柱は各隊員を纏める者で階級を甲まで上げた者が十二鬼月の誰かを倒す。又は50体もの鬼を倒すとなることを許されます」

 

「柱になると良識の範囲で賃金は望んだ分が貰え、屋敷も望めば与えられます」

 

「ただし定員が9名と決まっているので現在柱になるには欠員が出るのを待つしかありません」

 

「なるほどなるほど……ありがとうございます」

 

「では玉鋼を選んでいただき、刀が出きるまで十日から十五日はお休みとなります」

 

「更に今からは鎹鴉をつけさせていただきます」

 

 カーカーと鴉が1羽飛んできてロンメルの肩に止まる

 

 首もとを指で撫でると気持ち良さそうにしている

 

「鎹鴉は連絡用の鴉でございます」

 

「喋れるように躾されており、時にはロンメル様の目として活躍されることでしょう」

 

「なるほどなるほど……」

 

「ではまずあちらから刀を作る鋼を選んでくださいませ」

 

 そこにはテーブルの上に無造作に置かれた30個ほどの玉鋼が転がっていた

 

「鬼を滅殺し、己の身を守る刀の鋼は御自身で選ぶのです」

 

 ロンメルは前に出て玉鋼を1つ選んだ

 

 それは鋼なのに熱く部分によっては冷たい不思議な金属であった

 

 

 

 

 

 

 

 隊服の寸法を測り終えると

 

「ロンメル様は1度鬼殺隊本部の産屋敷邸に来ていただきお館様にお目通りをお願いします」

 

「刀と隊服が出来上がってから鎹鴉を通じて案内致しますのでご安心ください」

 

 と言われた

 

 まぁこの容姿であるので興味が有るのかそれとも他に理由が有るのか……

 

 ロンメルは了承すると藤襲山を下山し鱗滝さんや炭治郎の居る狭霧山に戻るのだった

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