ロンメルの受難   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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赫刀

「やはり妓夫太郎と言ったか……お前、妹と同じタイミングで首を落とさなければ死なないな」

 

「ちぃぃ!」

 

 ロンメルは妓夫太郎が首を再びくっ付けたことによりカラクリを理解した

 

 妓夫太郎と堕鬼は二人で一つ……命が連結されている

 

「なるほどなるほど……ならばどうするか……」

 

 スパン

 

「また……かよ!?」

 

 妓夫太郎の首に大きな切れ込みが入る

 

 咄嗟にロンメルの攻撃を避けたが、あと少しで再び妓夫太郎の首は落ちていた

 

「糞がぁぁぁあ!」

 

「ロンメル遅れた! 無事か!!」

 

「宇髄さん! もう一体の女の鬼の首を落としてください! コイツら命が連動している! 片方の首を落としても死なない! 同時に落とさないと」

 

「わかった! 派手にやるぜ!」

 

 宇髄さんはロンメルに妓夫太郎を任せると炭治郎が追いかけている堕鬼を殺すべく動き始めた

 

 妓夫太郎も勿論妨害しようと鎌を投げるが、ロンメルが2本の鎌を叩き斬った

 

「嘘だろ! 俺の血で強化した鎌だぞ! 何でそれを斬れるんだよ」

 

「全ての物には軸が存在する……軸に合わせて効率よく叩き込めば物は簡単に斬れるんだよ!」

 

 丸腰の妓夫太郎を再び斬り付ける

 

 妓夫太郎は飛び血鎌という血鬼術で防ごうとするが、それすらもロンメルは斬り裂いた

 

「水の呼吸……拾弐ノ型 押水濁流鉄砲水」

 

 富岡が圧倒的静と受けの拾壱ノ型 凪を扱うのに対して対極の動と攻めによる濁流のごとく怒涛の剣技で相手の血鬼術を圧殺する技であった

 

 その威力は凄まじく炎の呼吸 玖ノ型 煉獄に匹敵し、太い水の柱が滝の如く横向きに直撃する

 

「ヒュゥゥゥウ」

 

 ロンメルの一息で拾壱ノ型は完成し、妓夫太郎を切り刻んでいく

 

 一瞬で筋が斬られ、再生する前に肉を削がれ、骨が折れ、四肢か切断される

 

 そして首へと到達する

 

「畜生! 何だこいつ! 化物じゃねぇかよ! こっち()側だろ!」

 

「生憎私は人側だ」

 

 首が再び宙を舞い、妓夫太郎はなんとか首をくっ付けるとダラダラと冷や汗をかきながらロンメルの方に新たに生成した鎌を構えて対峙する

 

「円斬旋回・飛び血鎌」

 

「炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねり」

 

「なぜだなぜだなぜだ!! なぜかすり傷の1つもつかねぇんだあ!」

 

「それはね……君が正常じゃないからだね」

 

 妓夫太郎は目の前にいるロンメルの姿がまるで植物の様に思えた

 

 まるで殺気がない

 

 まるで精気がない

 

 枯れ木の様にすら思えてしまった

 

 それが更に恐怖を抱かせる

 

 鬼になってから初めて感じる死の恐怖

 

 全身の細胞が逃げろと叫ぶ

 

 スパン

 

「熱!? ……刀が真っ赤に……か、体がぁ再生しない!?」

 

 ロンメルの握る手からじんわりと出血していた

 

 握る力に手の皮が耐えきれなくなり手が割けて柄からポタポタと血液が落ちる

 

 しかし妓夫太郎が驚いていたのは刀身が3色から真っ赤に変わっていたのだ

 

 それはまるで太陽の炎の如く紅蓮であった

 

「馬鹿な……妹が無事であれば体が再生するハズ……」

 

「……刀が真っ赤になってる……何だこれ?」

 

「糞! どうなってやがる! 何をしやがったぁ!!」

 

「わからない……私にもわからない」

 

「畜生……畜生……ちく……しょう……」

 

 妓夫太郎の体が崩れ、血溜まりのみがそこにあった

 

「弱くはなかった。初めて私も本気を出した……肉体を全快にした状態で……ぐぅ!?」

 

 ロンメルの肉体が悲鳴を挙げた

 

 手だけでなく腕や足から内出血をし、慌てて呼吸を整えて止血する

 

「……元に戻った」

 

 日輪刀を再び見ると色がいつもの3色に戻っていた

 

「うーん、よくわからないけど鬼倒せたしよし!」

 

 その後堕姫の所で炭治郎と戦っている所に駆けつけた宇髄が兄こと妓夫太郎との接続がいきなり切れて動揺した堕鬼の首を斬り約100年もの間変わらなかった鬼との均衡が遂に崩れた

 

 

 

 

 

 

「宇髄さん助けて」

 

「おいおい随分とまぁ派手に戦ったらしいな……の割には建物は壊れてないが」

 

「壊れないように立ち振舞ったからね……筋肉を膨張させてたから反動が来ちゃって……」

 

「肩かしてやる。動けるか」

 

「なんとか……炭治郎、善逸、伊之助は?」

 

「3人とも無事だ。俺の嫁3人もな」

 

「人的被害0で上弦の鬼倒せるとか……私強すぎない?」

 

「自惚れるなっと言いたいところだが実際お前が男の鬼を圧倒していたから被害が無かった……感謝する」

 

「……ふぅー、さて状況が変化したことにより無惨は何をしてくると思う宇髄さん」

 

「探ってくるだろうな鬼殺隊の本拠地を」

 

「恐らくお館様もその様に考えるでしょう。はてさてどうしたものか……」

 

「ただ炭治郎は重体だ。堕鬼の攻撃を諸に何度も受けて相当無理をしたらしい……気絶して隠に蝶屋敷に運んで貰った」

 

「そうですか……とりあえずお館様に今回の事の報告に向かいますか……イテテ」

 

「本当に大丈夫かよ」

 

 ロンメルは宇髄の肩を借りながらよちよちと歩き始める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴホゴホ……よくやってくれたね! ロンメル、天元」

 

「は! お館様の容態も安定しているようで何よりです」

 

 お館様の容態は更に悪くなっており、もう立ち上がることすらできなくなっていた

 

「お館様、刀が真っ赤に染まった状態で鬼を斬ったところ再生すること無く崩れたのですが、何か知りませんか?」

 

「……すまない。刀が真っ赤に染まるのは聞いたことが無いね」

 

「そうですか」

 

「やり方はわかるかい?」

 

「握力を恐らく200kg以上の状態で激しく日輪刀を振るうことでなるかと思われます。体が治り次第再現実験を行います」

 

「頼んだよロンメル。それができれば上弦いや、無惨に対する鬼札となりうるからね」

 

「は!」

 

「体はどれぐらいで治りそうかい?」

 

「2週間で治してみせます」

 

「ゆっくり休むんだよ。無理はよくないからね」

 

「は!」

 

「天元はどうするかい?」

 

「今回の任務で大きな怪我もしませんでしたので任務を継続しようと思います。それと1つ提案が……鬼殺隊の練度低下を食い止めるために柱を中心とした大規模な訓練を提案致します」

 

「そうだね……無惨との決戦の為にも子供達を鍛える必要があるからね……ただ各地で出没する鬼を対処しないといけないから今は無理だね」

 

「出すぎた真似を致しました」

 

「いや、意見ありがとう天元。上弦の陸を倒したことで無惨は何かしらの行動に移るだろう。次の一手が鍵になるだろうね」

 

「では俺は各地を探り上弦と思わしき鬼を引き続き探します」

 

「私は休養後どうしましょう? 他の隊員の尻拭いを引き続きすればよろしいでしょうか?」

 

「じゃあ珠世という人物の護衛をお願いしたい」

 

「珠世……初めて聞く名前ですが」

 

「無惨の呪いから外れた鬼だよ。接触を試みているんだけどなかなかできなくてね。彼女の力が有れば無惨に刃が届くと思うんだ」

 

「わかりました。この話は私と宇髄さんで止めておきます」

 

「機密理解した」

 

「頼むね2人共……悲しみの連鎖は私の代で終わらせる」

 

「「は!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 2週間後、肉体を回復させたロンメルは超回復を休養中繰り返したことで妓夫太郎との戦闘時とまではいかないが1周り筋肉で大きくなっていた

 

 それから関東を中心に珠世という鬼を探した

 

 捜索から約1ヶ月……採血をしている女医の話を聞き、巧妙に隠された空間を発見した

 

 風の流れと透けて見た世界により場所を特定し、ロンメルはドアを叩く

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