今回の緊急柱合会議の内容としては竈門禰 豆子が日の光を克服したことにより鬼舞辻無惨が目の色を変えて竈門禰 豆子を取り込み、自らも太陽を克服しようとするのがわかっていたため、それに伴う大規模な総力戦が近づいている……それを乗り越えるために、そして鬼舞辻無惨を討伐する千載一遇のチャンスをどの様にして掴み取り、殺す事ができるか……これに尽きる
「上弦の肆、伍との戦いで時透様、甘露寺様のお二人には独特な紋様の痣が発現したという報告が上がっております……お二人には痣の発現条件のご教示お願いたく存じます」
痣……それは戦国の時代鬼舞辻無惨をあと一歩のところまで追い詰めた始まりの呼吸の
なぜ伏せられていたかというと痣を発現しないことを酷く悔やむ人が居たためと、これまで鬼殺隊が何度も壊滅的な打撃を被った際に伝承が曖昧となり、継承が途絶えてしまったので伝えなかったとのこと
「ただハッキリと残された言葉があります。痣の者が現れたら共鳴するように周りの者たちにも痣が現れる……始まりの呼吸の剣士の一人の手記にその様な文言がありました」
そしてこの時代に最初に痣者となったのは竈門炭治郎であった
彼は痣は発現したが発現方法がわからない様子とのことなので、甘露寺と時透の2人に教示をあまね様が依頼した
「は、はい! あの時は凄く体が軽かったです! えーっと、えーっと……ぐああ~ってきました! グッてしてぐぁーって! 心臓とかがばくばくして耳がキーンてして! メキメキメキって!!」
甘露寺の言葉に皆ポカーンとした
ロンメルは頭を抱えた
「申し訳ありません。穴が有ったら入りたいです」
甘露寺が駄目なので時透が頼みの綱である
時透は
「上弦の伍との戦闘を思い返してみると、思い当たること、いつもと違うことが幾つかありました。その条件を満たせば恐らくみんな痣が浮き出す……今からその方法を御伝えします」
その条件とは心拍数200を超え、体温が39度以上の状態で戦闘可能な場合痣が浮き出るとのこと
「チッ! そんな簡単なことで良いのかよ」
「それを簡単と言ってしまえる簡単な頭で羨ましい」
「あ! 何だと」
「別に」
不死川と富岡が少し言い争いをしたがいつもの事なのでスルーするロンメル
「では痣の発現が柱の急務となりますね」
「ただ一つ痣の訓練に関しては皆様に御伝えしまければならないことがあります」
「何でしょうか?」
「もう既に痣を発現してしまった方には選ぶことができません……痣が発現されてしまった方は
その後あまね様と御子様方が退室し、次の話し合いが始まろうとした時、富岡さんが退室しようとする
「おい! 待ちやがれ! これからの立ち回り等を決めないといけねぇのになんでさっさと退室しようとしてやがる」
「俺はお前達とは違う……俺には関係無い」
「あぁ!?」
「関係無いとはどういう事なんだ。貴様には柱としての自覚が足りぬ。それとも何だ? 自分だけ早々と鍛練を始めるつもりなのか? 会議にも参加せず」
不死川さんと伊黒さんが突っかかるが富岡さんは足を止めない
しのぶさんも富岡さんを止めに入るが聞く耳を持たない
パンと悲鳴嶼さんが手を叩く
「座れ、話を進める……1つ提案がある。竈門禰 豆子の太陽の克服及び上弦の肆と伍が倒されて以降、昨今鬼の出現報告が無くなった。そこで柱稽古の開催を提案する」
「柱稽古……私が提案していた大規模訓練のことですか?」
「左様……最終決戦とするためにも隊員一人一人の技術向上が鍵となる。皆1つ課題を設け、合格できるまで特訓させる……良いな」
「異存ありません」
「私もです」
「ああ、構わねぇよ」
ロンメル、甘露寺さん、宇髄さんが直ぐに賛成を表明
「……申し訳ありません。私は不参加でもよろしいでしょうか。対無惨の薬品調合がいよいよ大詰めなので」
しのぶさんは不参加
「俺には関係無い」
富岡さんも不参加
「確かに質の低下は著しい。わかった」
「わかった」
伊黒さん、不死川さんも参加を表明
「僕もやるよ」
最後に時透も了承し、柱稽古開催が決定された
柱稽古の最終課題としてロンメルが置かれた
内容としては呼吸の最適化
という内容だったが、本命は一之太刀の伝授である
透き通る世界に入る方法はあまね様に聞いたところ過去の剣士にも居たらしいため、複数方法が有るようだが、ロンメルには一之太刀でしか入る方法を知らないため一之太刀伝授ができれば合格とした
そもそも2週間が経過して誰もここに到達していないので、色々と隊員の質が予想以上に悪いことを察したが、ロンメルはとりあえず痣を出現させることにした
まず心拍数を上げる
呼吸の負荷を上げ、胸が苦しくなるくらい心拍数を上げた後、全身の筋肉を破壊して再生させるために炎症を起こす
すると体温が上がり、39度に到達する
その状態で無理やり動く
シュウウウウと呼吸音と汗が大量に流れる
壊れては回復を繰り返す細胞を透き通る世界で眺めながら微調整をすることで、ロンメルの全身に花柄の痣が浮かび上がる
それはまるで織田木瓜の様であり、顔の右頬に1つ、右肩に1つ、背と腹に大きいのが1つずつ、左足に1つと5つの痣が浮かび上がった
「……できた。ふぅ……」
気を抜くと痣は消えたが、これでロンメルの寿命は25以下で死ぬことになる
「あと数年……この世界で成すべき事は見えている。ならば長生きはしなくて良いな」
ロンメルは覚悟を決めていたし、この世界では子孫を残さないことも決めていた
柱の皆と比べると鬼への恨みが薄い私が鬼狩りをしているのは生きるため……無惨を倒せば鬼狩りも解散となるだろう
鬼狩りが無くなればロンメルは無職となる
広くは無いが住む家と数年は生活できる蓄えはある
「後はどれくらい底上げができるかか……私は常時痣が出せるようにしておかなくてはいけないかな?」
ロンメルは集中すれば痣が浮き出る様になるまで鍛練を続けた
「……見ているな」
スパンとロンメルは刀を振るい小さな目玉の様な何かを斬る
それはたまたま買い出しに里から街に降りていた時の事だった
この街は藤の家紋の者達が集まってできた街であり、ロンメルのことも把握してくれているので、ロンメルが唯一姿を隠さずに買い物ができる稀有な場所であった
そんな場所に鬼の下僕と思われる者が侵入しているということは
「お館様が言っていた最終決戦は間もなくだな……結局私の所に来る者は現れずか……悲鳴嶼さん相当難しい課題を課したな」
なんだかんだで富岡も柱稽古に参加し、更に課題が増えたこともロンメルの課題に到達できる者が居ない理由でもあった
「……いや、待てよ。鬼殺隊の本拠地が直ぐそこのこの街で鬼の下僕が居ると言うことは……お館様が危ない」
ロンメルは急ぎお館様の居る産屋敷邸に走った
ドゴーン
ロンメルが駆けつけた時に館から大きな爆発とキノコ曇が見えた
爆風でロンメルは吹き飛ばされそうになるがそれを堪えて前に進む
「お館様……」
ロンメルはあまね様から聞かされたお館様からの命令を思い出す
「ロンメル様、これまでの鬼殺隊への忠義感謝致します」
「いえ……お館様のご病気がいよいよ厳しいお話ですか?」
「いえ、最終決戦についてです」
「何か新たな進展が?」
「無惨がここ産屋敷邸を本格的に探し始めました。鎹鴉の報告で私達はあえてそれを放置しています」
「何故ですか?」
「ここ、産屋敷邸を最終決戦の地とするためです。ここであれば民への被害が少なくてすみますのでね……ロンメル様には言っておいた方が良いと旦那様からの命令が出ているので話しますが、もし無惨がここに侵入した際にこの屋敷を爆発し、無惨を傷つけ、戦闘を有利に致します。そこで娘2人、私、旦那様は死にます」
「……そこまでしなくてもとは言いません。覚悟を決められた目をしている。私からは何も言いません……」
「ご理解ありがとうございます」
「必ず無惨を斬り、この負の連鎖を断ち切ってご覧に入れましょうぞ!」
「よろしくお願いします」
あぁ、やったんだな
ロンメルはそう思った
お館様、あまね様、ご息女お二人……燃え盛る館から肉と血の焼けるような匂いがした
ロンメルは思わず叫んだ
「掛かった!!」
ロンメルは目撃する
浅草の人の血鬼術により固定された無惨の姿を
駆け付けたのは私だけでなく悲鳴嶼さんも直ぐそばに居た
「悲鳴嶼さん!」
「あい、わかった!」
ロンメルの刀と悲鳴嶼の鉄球が無惨の首に届く
「やはり効かぬか」
首を切断したが無惨は再生を始める
「「「お館様!!」」」
「こやつが鬼舞辻無惨だ!!」
悲鳴嶼の叫びに遅れて駆け付けた柱達の目の色が変わる
無惨は首を斬られ、爆破の隙をついた珠世さんが4種類の薬を混ぜた液体を無惨に吸収されて死ぬことを覚悟で突っ込み吸収させてもなお無惨は生きていた
柱達が次なる一撃を繰り出そうと踏ん張った瞬間
ベン
と琵琶の音が響いた
足元がいつの間にか扉に変わり
落下していく
「クックックッ……最終決戦の場は無惨が用意してくれた様だねぇ」
そこには鬼が溢れかえっていた
下弦と呼ばれる鬼の力を無惨により無理やり与えられた鬼……いや怪物達がそこに居た
「あぁ、可哀想に……人の面影すらないのか……今楽にしてあげよう」
ロンメルは一瞬で30もの鬼の首と思われる場所を切り裂く
「さて、運命の夜といこうじゃないか」