ロンメルの受難   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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暗殺教室の時間

「私が月を爆発した犯人です。来年には地球も爆発するつもりです。私の求める要求は2つ、私を椚ヶ丘中3年E組の担任ならやっても良いでしょう。そしてもう一つは私自身が私に対してのカウンター生物となるロンメルを椚ヶ丘中学3年E組にて育てることをご了承ください」

 

「ロンメルです。この生物に抵抗することができる唯一の存在です以後よろしく」

 

 死神とロンメルは各国首脳達がモニター越しに見ている会議室の中で堂々と嘘をついた

 

 そもそも死神とロンメルの実験のことを知っているのは合衆国と日本しか無く、実験により月が消滅したという事実が露見するのはなんとしても隠したいということと、超生物を誕生させてしまった手前、地球滅亡を回避するためにも死神とロンメルを殺さなくてはいけなかった

 

 そこで死神はロンメルを死神を現状殺すことができる確立が一番高い人物と各国に紹介することで下手に手出しできないようにした

 

 死神の言葉は真実として捉えられ、日本政府は各国から死神の暗殺の調整をするように言われ、秘密裏に合衆国に伺っても

 

「元は君の国の人間が起こした事だ。地球滅亡回避のために手の限りは尽くすが自国に3度目の核は撃ち込まれたくなければ全力を尽くすことだ」

 

 と言われてしまう

 

 日本政府は悩んだ末に死神の2つの条件を了承

 

 更にロンメルにはターゲットであるにも関わらず死神が生きている間は生活を保障しないといけないという屈辱的な条件で受け入れた

 

 ロンメルはプレハブ小屋と最低限必要な衣類と家具……生活スペースと毎月10万円の支援金、椚ヶ丘中学に通うために必要な道具一式が支給された

 

 プレハブ小屋は椚ヶ丘中学の裏山の更に奥の国有地に建てられ、ロンメルは走って40分(ウマ娘の速度 時速60~70キロ)くらいで校舎に着く様にできていた

 

 そのプレハブ小屋には多数の監視カメラと隠しマイクが設置されていたが、死神さんがジャミング装置を直ぐに作り、音声を遮断する効果の機械をロンメルに渡した

 

 死神とロンメルが施設から脱出して僅か数日のことである

 

 明日からいよいよ学校生活が始まるという日の夜

 

 ロンメルと死神はプレハブ小屋に集まって雑談をしていた

 

「いよいよですね」

 

「ええ、尻に火が着いた日本政府は有能ですね。手続きを殆ど政府の権限で無視すればこの様な工事もものの数時間で完了させる。ロンメルさん、通帳は大丈夫ですか?」

 

「ええ大丈夫です。カードも作りましたし、これで餓えることはありませんし、ここの広い土地は使っても良いとのことなので畑にして野菜でも育てますよ」

 

「ヌルフフフ何かを育てるという行為は脳の活性化にも繋がるので良いと思いますよ。何かご経験でも?」

 

「過去育てたことがあるのは薩摩芋、馬鈴薯、米、粟、稗、小麦、大麦、野菜……」

 

「米はこの山の様な土地では厳しいでしょう。麦や野菜なら問題ないと思いますよ」

 

「触手の練習にもなるし、色々やってみるよ」

 

「ヌルフフフそれが良い。何事も挑戦です……一番の問題は」

 

「学力だよねぇ……中学1年生レベルは雪村先生と死神さんのお陰で何とかなったけどこれから行く椚ヶ丘中学3年は進学校……私まだそのレベルに到達していないんだけど」

 

「仕方ありません。授業を受けながら先生が前日に問題集を作っておきますのでまずは授業よりもその問題集を解いておいてください。先生も授業中に無理に質問したりはしないので」

 

「助かります」

 

「日本政府と協議しましたが、これから行うのは暗殺教室……先生がターゲット、アサシンは生徒の皆さんです。暗殺を通した友情を育みましょう」

 

「……これから死神さんは先生って呼んだ方が良い?」

 

「はい。死神の名前は捨てました。これからは先生と呼んでください」

 

「わかったトレーナー」

 

「トレーナー?」

 

「ウマ娘はトレーナーの下でレースに出るための教育を受けるんだ! だから死神さんは私にとってトレーナーになって欲しいんだ」

 

「ヌルフフフまぁ良いでしょう……ただし、他の名前が決まったらその名前で呼ぶこと……ロンメルさんは暗殺以外に目標でもありますか?」

 

「そうですね……ウマ娘としても鍛えたいです。もし元の世界に戻っても弱くて遅いままじゃやなのでね……それと強くなりたい」

 

「勉強も、暗殺も、格闘術も、呼吸も、剣術も、話術も、ウマ娘としても……あらゆる面で成長したい」

 

「なるほど……貪欲ですね。教えがいがありそうだ」

 

「よろしくねトレーナー」

 

「ええ、改めてよろしくロンメルさん」

 

「……しっかし、姿すっかり変わったね。タコみたい」

 

「ええ、触手の力に全身が適応するとこうなるのですね」

 

「嘘、触手に願ったでしょ……そうだなぁ……弱くなりたいとか」

 

「ニャニャァ!? なぜわかったのですか!」

 

「当てずっぽうだったんだけどなぁ……マスコットキャラクターみたいで可愛くて私は好きだよトレーナー」

 

「ヌルフフフ……これから生徒達と対応する時もタコをトレードマークにしましょうかね」

 

「互いに頑張ろうね……先生」

 

「はい、ロンメルさん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 通学初日

 

 ロンメルと死神ことトレーナー……いや、先生は黒服の政府役人に連れられて椚ヶ丘中学3-Eのクラスに入る

 

「初めまして私が月を爆発した犯人です。来年には地球も爆発する予定です。君達の担任になったので、どうぞよろしく」

 

「この生物のカウンター生体兵器のロンメルです。ウマ娘という種族です皆さんよろしく」

 

 まず5、6ヶ所突っ込ませろ

 

 クラス全員がそう思った

 

 って顔してる

 

 戸惑い、動揺、困惑そんな感じだ

 

「防衛省の烏間という者だ。まずこここらの話は国家機密だと理解頂きたい。単刀直入に言う……この怪物を君達に殺して欲しい!!」

 

 皆唖然としている

 

「……何すか? そいつ……攻めてきた宇宙人か何かすか?」

 

「失礼な! 生まれも育ちも地球ですよ!」

 

 そりゃまぁ目の前に2メートル近くの黄色いタコみたいな生物が居たらそう思うよ

 

 ロンメルは腕を組んでウンウンと頷く

 

「ロンメルさん! 納得したかのように頷かないでください!」

 

「……詳しい事は話せないのは申し訳ないがコイツの言った事は真実だ。月を壊したこの生物は来年の3月に地球をも破壊する。この事を知っているのは各国の首脳だけ……世界がパニックになる前に秘密裏にコイツを殺す努力をしている」

 

「つまり! 暗殺だ!」

 

 烏間さんがナイフを振るうが死神さんは素早く避ける

 

「だが、コイツはとにかく速い!! 殺すどころか眉毛の手入れをされる始末だ! 丁寧にな!」

 

「満月を三日月に変えるほどのパワーを持つ超生物だ! 最高時速は実にマッハ20!!」

 

「つまり、コイツが本気で逃げれば……我々は破滅の時まで手も足も出ない」

 

 死神さんは不適な笑みを浮かべて

 

「それでは面白くないので私から国に提案しました。殺されるのはゴメンですが、椚ヶ丘中学校3年E組の担任ならやっても良いと」

 

「……コイツの狙いはわからん。だが、政府はやむなく承諾した。君達生徒に絶対危害を加えないことを条件にだ。理由は2つ、教師として毎日教室に来るなら監視もできるし、なにより約25名もの人間が至近距離からコイツを殺すチャンスを得る!!」

 

「成功報酬は100億円! 当然の額だ。暗殺の成功は冗談抜きで地球を救うことなのだからな。幸いな事にコイツは君達のことをナメ切っている。見ろ緑と黄色のシマシマになった時はナメている証拠だ」

 

「当然でしょ。国が殺れない私を君達が殺れるわけがない。最新鋭の戦闘機に襲われた時も逆に空中でワックスをかけてやりましたよ」

 

「その隙を君達には突いて欲しい。君達には無害でコイツには効くナイフと弾を支給する。無論君達の家族や友人には絶対に秘密だ。とにかく時間がない! 地球が消えれば逃げる場所などどこにもない」

 

「そういうことです。さぁ皆さん残された1年を有意義に過ごしましょう」

 

 暗殺教室がこの日始まった

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