ロンメルの受難   作:ゆっくり霊沙

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1学期中間テストの時間

 テスト当日

 

 ロンメルは本校舎の特別室にて1人で授業を受ける

 

 担当する教員は浅野理事長である

 

「では始めようか」

 

 ロンメルの初日のテストが始まった

 

 まずは国語である

 

 漢字の読み書きから始まり、古文、漢文を少々、お題の語句を使った俳句の作成、そして読解問題が続く

 

 一夜漬けにて覚えた漢字を使いこなし、古文、漢文もロンメルのもともと備えていた知識で普通に解ける

 

 古文と漢文は戦国時代において教養の1つとされており、雇っていた貴族の方に散々教わったので余裕で解けるが、ロンメルは気がつく

 

(範囲外の内容だぞ)

 

 明らかに使ってくる文法や漢文の難易度が高い

 

 殺せんせーとの予習で100としたら難易度的には150くらい違っている

 

 俳句もほどほどに読解問題に取りかかる

 

 ロンメル絶句

 

 一夜漬けした内容と明らかに違う範囲であり、教科書だと今解いているお話の次の話の内容が普通にあったり、殺せんせーが試しに昔見せてくれた高校入試問題の最後のチャレンジ問題……いや、それ以上の難易度である

 

 ロンメルは速読術を身に付けているため問題文はすぐに読み終わったが問題文の量も尋常ではない

 

 それが3つもあるのである

 

 こうなってくると作者の気持ちを読み解けば良いのか問題を作成した者の引っ掛けを考えれば良いのかわからない

 

「そこまで」

 

 なんとか全問解いたロンメルではあるが、確信した

 

 一夜漬けでは他の教科は無理であると

 

 国語と社会は進んでいるというか過去の経験が生かせる為なんとでもなるが他は無理である

 

「では数学を始めてください」

 

 問8まではなんとかクリアーしたが、もう問9からわからない

 

 たぶん皆はここも普通にクリアーしているのだろうが覚えきれていない

 

 触手により活性化した頭脳でもいきなりIQが上がる訳じゃない

 

 どちらかと言えば脳に関しては触手による影響が少ない器官である

 

 それは触手に脳の大部分が侵食された場合面積が頭蓋骨では収まりきらないのだ

 

 それこそ殺せんせーみたいな大きな頭が無いと収まらないくらないに

 

 だから頭脳に関してはほぼ地頭であり、呼吸と触手の補佐を受けてようやくここ椚ヶ丘中学の土俵に立てるくらいの実力でしかない

 

 殺せんせーという最高の教師の補佐を受けてこの実力なのに涙が出てくる

 

「やめ。ペンを置きなさい」

 

 英語が始まる

 

 スラスラと解けたのは英単語の読み書きとリスニング、日本語を英語に直す問題と長文1のみ

 

 長文2~5と最近起こった出来事の時事問題はもうお手上げ

 

 時事に関しては研究所に居て更にテレビなんて高価な物は無いためニュースも見れない

 

 一応殺せんせーからある程度の時事問題対策はしていたが全く当たっておらず、これだけで10点は引かれる計算である

 

「今日はこれまで」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜家に来た殺せんせーに問題が大幅に変わっていることを告げると殺せんせーの表情は困惑に変化した

 

「え? 事前の資料ではここまでの範囲と」

 

「明らかに範囲外の問題が多数出てますよ! 昨日の一夜漬けの範囲は殆ど出ませんでした」

 

「にゅにゃ!? ということは皆さんも」

 

「恐らくそうでしょう」

 

「不味い不味い不味い……ひじょーにまずいことになりました」

 

「たぶん皆も落ち込んでると思うけど」

 

「と、とりあえずロンメルさんをなんとか明日までに化学をおさらいしておきましょう! 勿論社会もです! 2年の復習だといって過去の問題が出る可能性も高いですし、この様子ですと90点以上にするには問題製作者の裏をつく必要がありそうです! ロンメルさんはとにかく社会は今の能力でもある程度戦えるでしょうからとにかく理科です理科!!」

 

 ロンメルは再び地獄をみることとなる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結果発表の時が来た

 

 皆の顔は暗い

 

 50位以上でないといけない試験で50位以上を取れたのはカルマ君だけであった

 

 ちなみにロンメルの成績は

 

 国語89点

 数学45点

 英語36点

 社会92点

 理科55点

 合計317点

 学年順位187人中102位

 

 社会は殺せんせーが修正した時事問題がドンピシャにはまり、雪村先生が1年前から、殺せんせーがその後をしっかり教えてもらった結果普通に解けた

 

 烏間先生が本校の先生に苦情の電話を入れる

 

「テスト2日前に出題範囲を全教科で大幅に変更するのは公平性を欠くと思うが」

 

 それに対する本校の先生の回答は進学校なので直前の詰め込みにも対応できるかを試すのも方針の1つであり、今回の変更も理事長自ら教壇に立ち、変更部分を教えあげたとのこと

 

 公平性を欠くと言うが本校ではちゃんと通達済みの事であり、本校舎に来られなかった貴方が悪いとされた

 

「……先生の責任です。この学校の仕組みを甘く見すぎていたようです……君らに顔向けできません」

 

 この場面を空気を読まずにカルマ君がナイフを投げて殺せんせーに近づく

 

「カルマ君! 今先生は落ち込んで!!」

 

 カルマ君はテストを教壇に広げる

 

 そのテストは全てが98点以上、数学に至っては100点であった

 

「で、どうすんのそっちは? 全員50位に入れなかったって言い訳つけてここからしっぽ巻いて逃げちゃうの? それって結局さぁ殺されるのが怖いだけなんじゃないの?」

 

 すると皆も

 

「な~んだ殺せんせー怖かったのか!!」

 

「それなら正直に言えば良かったのにね」

 

「ねー! 怖いから逃げたいって」

 

「にゅにゃー!! 逃げるわけではありません!! 期末テストであいつらに倍返ししてリベンジです!!」

 

 こうして暗殺教室3-Eはリベンジを誓う

 




暗殺教室の設定だとテスト1日で消化してるんですけど5教科を1日で消化するのはなかなかキツイですし、期末になると副科目の保健体育、音楽、技術家庭科、美術の4科目も追加されるので3日間やることに致します

少々差異が出ますがご了承ください

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