ロンメルの受難   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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修学旅行の時間 1

 テストが終われば楽しい楽しい修学旅行の時間となる

 

 椚ヶ丘中学が行くのは京都の2泊3日であり、1日目はほぼ移動、2日目は1日自由時間、3日目は午前自由行動で午後東京に帰る日程である

 

 プレハブ小屋にてロンメルは殺せんせーが買ってきた旅行雑誌を借りて現代の京都について調べていた

 

「八ツ橋、抹茶、京菓子……西京焼きに湯豆腐……京都ならではの名物が沢山……」

 

 ロンメルの中での京都は応仁の乱で荒れ果てていたイメージと信長様が建て直した復興した京都の2つのイメージがあったが、現代の京都には甘味が増え、食事のバリエーションが増えながらも時代に適応した料理が多数ある

 

「ロンメルさん、浮かれるのも良いですが、我々にはとある制限があるのですよ」

 

「なに? 殺せんせー」

 

「お金」

 

「あ……」

 

 そう国から支給されるのは10万円、殺せんせーとテストで時事問題で痛い目を見た結果捨てられていたテレビを殺せんせーが直し、ついでに捨てられていた家電製品一式を修理して貰ったが、どうやりくりしても食費と畑の維持費で7万近くは飛んでしまう

 

 更に消耗品や衣服等でもお金が飛ぶので残るのは5000円が良いところである

 

 つまり修学旅行なのに5000円しか自由に使えるお金が無い! という悲しい現実を殺せんせーより突きつけられた

 

「そんなお悩みのロンメルさんに朗報です! この椚ヶ丘学園ではバイトを全面的に禁止されていますが……磯貝君みたいにバレない様にやれば問題ありません」

 

「いや、磯貝君バレてE組に落とされたんだけど」

 

「いやいや、先生の内職をちょっと手伝ってくれませんかねぇ」

 

「あ、なるほど! 内職だったらバレないよね!」

 

「そうです! しかも我々には触手という強力な武器がある! 先生先月お金が無くなって痛い目見たので副業の内職を幾つか掛け持ちしています! ポケットティッシュに広告を入れる(1つ1円)、シール貼り(1つ1円)、シャーペンの組み立て(1つ1円)……これを触手の練習がてら手伝ってくれると先生とてもとても助かるのですが……どうですできた物の半額を渡すという契約で」

 

「殺せんせーお主も悪よのぉ」

 

「いえいえ、これは困っている生徒を助けつつ触手の訓練ですので何も悪いことはありませんよヌルフフフ」

 

「まぁ監視カメラと盗聴されてるからバレるんだけどね」

 

「まぁこれくらいならお目こぼしをしてくれるでしょう。ちなみに1つのバイトで大量にやるとおかしいことに気がつかれるのでコツは20個くらい掛け持ちして1ヵ所から3~5万稼ぐのが良いでしょう」

 

 こうして悪の大魔王殺せんせーによりロンメルも悪の片棒を担がされることとなる

 

 

 

 

 

 

 

 

 修学旅行の軍資金を殺せんせーと共謀で稼いだロンメルは班決めに参加する

 

 クラスで特に仲の良い倉橋さんや中村さん、料理仲間の原さんと組むのも捨てがたいが

 

「ねぇ、ロンメルさん一緒の班にならない?」

 

「おりょ? カルマ君が誘ってくれるなんて珍しいじゃん」

 

「いやだって面白そうじゃんやたらと京都の昔の歴史にも詳しいし、なによりなーんか隠してるの暴きたいし」

 

「何も隠してないけど?」

 

「ふーん、まぁ良いや」

 

「班の件はありがたく受けさせて貰うね!」

 

「全く3年も始まったばっかりのこの時期に総決算の修学旅行とは片腹痛い……先生あまり気乗りしませんねぇ」

 

 と言った殺せんせーの後ろには殺せんせーの普段の身長(2メートルほど)より大きな荷物が置かれていた

 

「「「ウキウキじゃねぇか!!」」」

 

「……バレましたか。正直先生、君達との修学旅行が楽しみで仕方がないのです」

 

 殺せんせー生八ツ橋を買い占めると張り切っているし、皆も浮かれ気分である

 

 ただここは暗殺教室

 

 普通の修学旅行になるはずもない

 

 烏間先生がグラウンドに皆を集めると

 

「来週から2泊3日京都の修学旅行だ。君達の楽しみを極力邪魔したくないが……これも任務だ」

 

「てことはあっちでも暗殺を?」

 

「磯貝君その通りだ。君達には京都での班別自由行動の2日目と3日目、京都の広く複雑な町並み……それを奴は班ごとに付き添って回る……狙撃手を配置するには絶好な場所だ。国から腕利きの狙撃手を既に手配してある。暗殺に成功した場合貢献度に応じて報酬が支払われる。暗殺向けのコース選びを頼む」

 

 

 

 

 

 

 カルマ君とロンメルは渚君、杉野君、奥田さん、茅野さんの班と合流し、杉野君が更に神崎さんを誘って7人班が完成した

 

 カルマ君と渚君は言わずもがな、杉野君は元野球部で、現在地域の硬式クラブチームでピッチャーをしている男子、奥田さんは殺せんせーを毒殺しようとした子、茅野さんは殺せんせーの名前を付けたり、巨乳死すべしと巨乳過激派、神崎さんはクラスのマドンナであり、真面目でおしとやか、更に美人……何でE組に入るのってくらい可愛い女の子である

 

 どこ回るかルートを決めていると殺せんせーが教室に入ってきて

 

「1人1冊です」

 

 と全ページ数2500ページ、付録マップ250枚、特典として紙工作金閣寺付きのしおり……辞書を渡してきた

 

「イラスト解説全観光スポット! お土産人気トップ100、旅の護身術入門から応用! 移動範囲内にある全寺社の歴史及び見所解説等々! 昨日徹夜して作りました」

 

「どんだけテンション上がってるんだよ!!」

 

 最近ツッコミのキレが上がってきた前原君がツッコミを入れる

 

「でも殺せんせー京都まで1分でいけるじゃん」

 

「勿論です。しかし移動と旅行は違います。皆で楽しみ、皆でハプニングに遭う。先生はね! 君達と一緒に旅できるのが嬉しいのです」

 

 殺せんせーだけでなくビッチ先生もテンションが上がっておりロンメルにとってウマ娘の世界以来の旅行らしい旅行を楽しむのであった

 

 

 

 

 

 

 

 東京駅集合なのでロンメル季節外れではあるがニット帽を被って耳を隠し、しっぽを保護色にすることで一般客に溶け込んだ

 

 ロンメル殺せんせーのバイトで10万円獲得、早速東京駅名物東京バナナとミルクケーキをホールで購入、駅弁も5つも購入し準備万端

 

 皆と合流すると

 

「ろ、ロンメルさん既に荷物が凄いね」

 

「なんか旅行後感が既に出てる」

 

「失礼な! 新幹線で全て食べます!」

 

 ロンメルの荷物は上記の買った物に、殺せんせーのリュックサックを1周り小さくした(それでもロンメルの身長やや大きいくらい)の巨大な荷物であった

 

「「「それもそれでどうよ……」」」

 

 ちなみに他のクラスはグリーン車で、E組は普通車

 

 学費の用途は成績優秀者が優先される仕組みであり、泊まる場所も他のクラスは高級ホテルに2名ごとの個室、対してE組は旅館で男女大部屋1つずつのみである

 

 本校舎の生徒がE組を見て君達からは貧乏の香りがするねぇと言っていると

 

「ごめんあそばせ」

 

 ハリウッドセレブみたいな格好をしたビッチ先生が現れた

 

 これにはE組の生徒みなドン引きである

 

 ビッチ先生曰く

 

「女を駆使する暗殺者はねぇ狙っているターゲットからバカンスに誘われることが多々あるの。ダサいかっこして幻滅されるわけにはいかないわ! 良い女は旅ファッションこそ気を遣うの」

 

 烏間先生がすっ飛んで来て

 

「目立ちすぎだ着替えろ。どうみても引率の先生の格好じゃない」

 

「固いこと言うんじゃ無いわよ烏間! ガキ共に大人の旅を」

 

「脱げ、着替えろ」

 

 烏間先生ガチ怒り

 

 哀れビッチ先生は持ってきた寝巻きに着替えさせられる

 

「誰が引率かわかりゃしない」

 

「金持ちばかり狙ってきたから庶民感覚がずれてるんだろうな」

 

 と野杉君の評価であった

 

 ちなみに殺せんせーは駅弁を迷いすぎて電車に乗り遅れるトラブルもあったが概ね新幹線の中は平和であった

 

「ロンメルさん律儀にしおりもってきたんだ」

 

「いやぁ、なんだかんだ言っても便利よこれ……旅先での遊び大百科なんてのもあるし」

 

「しおり読みながらお弁当食べるの器用だね」

 

「皆も食べる? ミルクケーキ?」

 

「いや、今食べたら昼食がきつくなりそうだから良いや」

 

「そう……」

 

「しっかし、どこにそんなに食事が入るのか」

 

「クックックッ食は体を作るのには必須だからねぇ。皆とは種族が違うから食べる量も違うのよ」

 

「すげぇ弁当5つ完食したよ」

 

「腹1分目くらいかな」

 

「まぁ確かにいつも持ってきているお弁当も凄い量だったし……ロンメルさんにとってこれくらい食べるのは普通なのか?」

 

「ねぇロンメルさん、飴いる?」

 

「お! カルマ君ありがと……!? 辛!? なにこれ!!」

 

「激辛練り梅キャンディ……対殺せんせー用の飴だけど余ってたから」

 

「いやいやいや! それを私に食べさせないでよ」

 

「リアクション大きいからロンメルさんイタズラすると面白いんだよぬ」

 

「な、なにをぉ!! いや! それより水、水!!」

 

「はい、ロンメルさん」

 

「ありがとう神崎さん」

 

 神崎さんから渡された水を飲みほし、カルマ君に反撃しようと企む

 

「大富豪やろうよ! ローカルルールありね」

 

「お、良いねぇ。どこまで適応?」

 

「あ、私飲み物買ってくる」

 

 ロンメル以外の女子達は飲み物を買いに離席する

 

 その間にカルマ君とロンメルが使用できるローカルルールを決め、3人が戻ってきたところで大富豪を開始した

 

 ロンメルとカルマ君が互いに徹底マークするので大富豪、都落ちによる大貧民をロンメルとカルマ君は繰り返し、高度な頭脳戦が行われ、お菓子による他人の買収が始るまで白熱したが、渚君が花札やらないと言ったことで終了となった

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ゼヒューゼヒュー」」

 

「殺せんせーもロンメルもバスで車酔いするとは」

 

「大丈夫2人とも」

 

「あ、私はカルマ君とゲームしすぎて知恵熱出てるだけだから」

 

「「「どんだけ頭使ったんだよ」」」

 

「いやー、楽しかったよロンメルさん。盤外戦術ガンガンやってくるし」

 

「勝てれば正義なのでね」

 

「殺せんせーは寝室で休んでれば?」

 

「ご心配無く、先生一度東京に戻ります。枕忘れました」

 

「あれだけ荷物持ってきて忘れ物かよ!」

 

 神崎さんが無い無いと何かを探している

 

「どうしました神崎さん?」

 

「日程表が無くなってしまって……確かにバックに入れたんだけど……」

 

「神崎さんは真面目ですねぇ。独自に手帳に纏めてくるとは感心です。でもご安心を先生手作りしおりを持てば何の問題もありません」

 

「「「それを持ち歩くのが嫌だから纏めてきてるんだよ」」」

 

 ちょっとしたトラブルはあれど修学旅行初日はこれにて終わる

 

 グロッキーなので今日は休ませてとロンメル無念の早期就寝

 

 2日目に続く

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