ロンメルの受難   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

73 / 97
自律思考固定砲台の時間

 修学旅行も終わり通常授業が始まる

 

 その前に、殺せんせーからプレゼントがロンメルに贈られた

 

「蓋を開けてみてください」

 

 プレゼントの蓋を開けるとスマホが入っていた

 

「……大きくない?」

 

「ええ、6.7インチのディスプレイに画面サイズは(幅×高さ×厚さ)72mm×166mm×8.9mm! 内蔵メモリは驚異の5TB! 重さは350gで、様々な電話会社の電波をジャックして通話やインターネットをすることが可能です! 防塵、防泥、防弾、耐斬撃、耐衝撃etc……そういえばロンメルさんが携帯が無かったと思ったので作ってみました。皆との連絡も困っている様子でしたので作ってみました! 先生とお揃いですよ」

 

 カラーは黄色く、充電コードも渡されロンメル2つの世界ぶりのスマホデビュー

 

「……殺せんせーこのポケモン図鑑とかって何ですか?」

 

「あ……お遊びで入れてみました……自動更新でポケモンの情報が入ってきます」

 

「カメラでわかる食べられる物シリーズや、全世界お料理の作り方1万選、症状でわかる体調不良の時の対処法、全世界の地図、自動翻訳機なんかはありがたいアプリだと思うけど……何で経営シュミレーションゲームや野球ゲーム、音楽ゲームなんかが入ってるの? というか先生の手作りでしょこれ! 音楽ゲームなのに知ってる曲全く無いんだけど」

 

「にゅにゃ! いいでしょ! 先生が作った全1000曲! 歌詞付き5段階難易度の音ゲーですよ!」

 

「無駄にかっこ良かったり美しかったりするし……て! 5TBって言ってるけど実質容量500GBじゃん! 他初期アプリで埋まってるし……なにこの悪魔召喚プログラムって」

 

「悪魔が召喚されるかもしれません」

 

「居ないだろ!! ……でもありがとうございます殺せんせー」

 

「ヌルフフフそれでは皆さんのグループに入りましょう。URLはこれです」

 

「ありがとうございます殺せんせー」

 

 こうしてロンメルは2世界ぶりのスマホデビューをするのだった

 

 ちなみにこのスマホの名前は【殺フォン】である

 

 閑話休題

 

 新しく貰ったスマホに昨日連絡網を使って烏間先生から一斉メールがあり、転入生が1人加わるらしい

 

 多少外見で驚くだろうと書かれていた

 

 野菜の水やりで時間ギリギリになってしまったが、クラスに入ると私の席の横になんか黒い長方形の箱が置いてあった

 

『おはようございます。今日から転校してきました自律思考固定砲台と申します。よろしくお願いします』

 

(そうきたか!!)

 

「えー、皆も知っていると思うが転校生を紹介する。ノルウェーから来た自律思考固定砲台さんだ」

 

『よろしくお願いします』

 

 烏間先生が紹介するが皆

 

(((烏間先生も大変だなぁ)))

 

 と

 心が1つになった

 

 ちなみに殺せんせーは笑っていた

 

「お前が笑うな。同じ色物だろうが」

 

 と烏間先生が突っ込む

 

「言っておくが彼女は思考能力と顔を持ち、れっきとした生徒として登録してある。教室の後ろからずっとお前に銃口を向けるがお前は彼女に反撃できない」

 

「生徒に危害を加えることは許されない。この契約を逆手に取りましたか……なりふり構わなくなりましたねぇ……良いでしょう自律思考固定砲台さん! あなたをE組に歓迎します!」

 

 こうして自律思考固定砲台さんがクラスに加わった

 

 が、彼女の暗殺は私達にとって邪魔でしかなかった

 

 授業開始と同時に長方形の箱から機関銃2門とショットガン4門による対先生弾(人には無害)の攻撃が始まり、皆は机に伏せて身を守らなければならなくなる

 

 1度目の射撃は成果無しであったが、2発目は指を1本吹き飛ばし、3度目は至近弾2発と着実に殺せんせーを追い込む

 

 射撃毎に学習を繰り返し、内蔵されている高速3Dプリンターで新たな銃を作り強化されていく

 

 彼女の攻撃は殺気が伴わないため殺せんせーも難しい立ち回りを強いられている

 

 もし殺せんせーが殺られた場合……この銃口はロンメルに向く

 

 殺せんせーという後ろ楯があるからこそロンメルは生かされているのであって殺せんせーが殺されたら後ろ楯を失い私も死ぬ

 

 だから誘導する

 

 この新たな暗殺者を止めるために

 

 

 

 

 

 

 

 1日中続いた機械仕掛けの暗殺に私は皆と相談して放課後に特殊なテープで自立思考固定砲台さんをグルグルに拘束した

 

 幸い彼女はシャットダウンしていたのと皆も賛成してくれたのでスムーズに事は運んだ

 

 殺せんせーは確かに生徒に危害を加えることは契約違反であるが、ロンメルはその契約に含まれていない

 

 そもそもロンメルが殺せんせーと同じ反物質生成装置であることを知っているのは日本とアメリカの一部のみ

 

 他国の上層部は一切知らないのだ

 

 だから契約をした時もロンメルはあくまで対先生生物兵器であるとごり押しができた

 

「ごめんなさいねぇ自律思考固定砲台さん。今のあなたでは同じクラスで居ることにメリットが無いからねぇ」

 

 翌日は彼女は拘束されていた為平和な授業となった

 

 自律思考固定砲台さんは抗議したが、皆が敵の状態では抗議は虚しく流される

 

 ただこれで終わるハズがない

 

 そう覚悟していた次の日

 

 なぜか自律思考固定砲台さんの体積が2倍近く増えていた

 

『おはようございます!! ロンメルさん』

 

 なんか顔だけの液晶だったのが全身表示になってるし、ちゃんと制服着てる

 

「親近感を出すために全身表示液晶と体、制服のモデリングソフト全て自作で8万円!」

 

『今日は素晴らしい天気ですね! こんな日を皆さんと過ごせて嬉しいです!!』

 

「豊かな表情と明るい会話術等の膨大な追加ソフト及び追加メモリ……同じく12万円」

 

「先生の財布の残高残り5円!!」

 

 ロンメルは悟った

 

 殺せんせーたぶん給料日まで毎日夕飯は私の家で食べるんだろうなぁと

 

 ロンメルは家計簿を取り出して殺せんせー用の食費を追加し、自律思考固定砲台さんは皆から律と呼ばれるようになるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 律の学習意欲及び学習能力は素晴らしく、殺せんせーからのアップデートで協調性を身につけたことにより、一気にクラスの人気者になった

 

 途中寺坂君が

 

「愛想良くても所詮は機械、どーせまた空気読まずに射撃するんだろポンコツ」

 

 と罵倒し、律が泣いてしまう場面もあった

 

「あーあ、泣かせた」

 

「寺坂君が二次元の女の子泣かせた」

 

「何か誤解されるような言い方やめろ!!」

 

 と突っ込む

 

「良いじゃないか2D……Dを失う所から女は始まる」

 

 と竹林君はキメ顔でメガネクイッとしているがロンメルドン引きである

 

『でも皆さんご安心を、殺せんせーに諭されて私は協調性の大切さを学習しました。私のことを好きになって貰うように努力し、皆さんの合意が得られるようになるまで……私単独での暗殺は控えることにいたしました』

 

「そういうわけで皆さん律さんと仲良くしてあげてください! あぁ、勿論先生は彼女に様々な改造を行いましたが彼女の殺意には一切手を付けていないのでご安心を……先生を殺したいなら彼女はきっと心強い仲間になるハズです」

 

 とのこと

 

 その日も平和に暗殺教室は進み、放課後……ロンメルのプレハブ小屋に帰る

 

「二十日大根の料理ばかりですねぇ」

 

「仕方ないでしょ畑1から作ってとりあえず形になったの二十日大根くらいしか無いし」

 

「ヌルフフフそうでしたね。ただ様々な作物が成長しているようでなによりです」

 

「殺せんせーが作ってくれた地下室の巨大冷蔵庫があるから野菜は腐ることは無いけど保存方法考えないと」

 

「先生の伝手で売ることは可能だというのは言っておきましょう」

 

「でもそれ殺せんせーありきじゃん。来年以降はどうなるかわからないし」

 

「……ええ、そうですね」

 

「あと律たぶんこのままじゃいかないでしょ」

 

「恐らく作り主が分解するでしょうが、そこは律さんを信じましょう。彼女は持ち主の言いなりになるほど弱くは無いハズです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、殺せんせーが言った通り律はオーバーホールされて初日と同じ面積に戻っていた

 

『おはようございます皆さん』

 

 案の住ダウングレードして……

 

 またはた迷惑な射撃が開始されるのかと思い、覚悟すると出されたのは銃ではなく花束

 

 律は殺せんせーによって改造された985点の改造のうちほとんどをダウングレードされたり、オーバーホールされてしまったが、協調性の大切さは律が学習したことであり、メモリの隅に隠してオーバーホールを回避したとのこと

 

「つまり律さんは」

 

『はい! 私の意志でマスターに逆らいました』

 

 こうして本当の意味で律がE組の仲間となった

 

 28人による暗殺教室が今日も始まる

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。