ロンメルの受難   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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鷹岡の時間 2

 10階に行くと誰も居なかったので更に上の階……屋上のヘリポート近くに移動すると鷹岡が渚君とヘリポートの上で戦っていた

 

「殺せんせー、今どういう状況?」

 

「ロンメルさん、状況は最悪に近い……鷹岡は我々に薬を渡す気は初めから無かった様です……薬は……爆発されました」

 

 戦っている渚君を見ると本物のナイフを持ち、寺坂君のスタンガンを腰にさして戦っていた

 

 渚君の呼吸音を聞く……キレているが、冷静でもある

 

 静かに獲物が罠にかかるのを待っているようだ

 

 殺せんせー曰く鷹岡が薬を爆発した瞬間は殺気全開で殺してやると本気で怒っていたが、寺坂君がスタンガンを投げて落ち着くように怒鳴ったらしい

 

 その寺坂君もウイルスに感染していたらしくすごい熱であった

 

「鷹岡は予備の薬を3本ほど持っており、それを賭けて渚君は戦っています。万が一渚君に生命の危機を感じた場合は烏間先生が鷹岡を撃つ手筈となっています」

 

「私にできることは?」

 

「……残念ながらありません」

 

 渚君は必死に暗殺に持ち込もうとしているが、全方位警戒モードの鷹岡は腐っても精鋭軍人

 

 間合いに入った瞬間に攻撃が行われる

 

「体格、技術、経験……戦闘で奴を上回るのは全国模試で1位を取るより数倍至難!」

 

 烏間先生はこう評価した

 

 渚君はぼこぼこにされる

 

 口の中が切れたのか口から血を出しながらも立ち上がる

 

「烏間先生もう撃って下さいます! 渚死んじゃうよ!」

 

「待て茅野……手を出すんじゃねぇ」

 

「寺坂君でも!」

 

「寺坂まだ放っておけって? 俺もそろそろ参戦したいんだけど」

 

「カルマ、黙ってみてろ……渚の奴……まだなにか隠し球を持ってるみてーだぜ」

 

【必殺技】……ロヴロさんから渚君は必殺技を伝授されている

 

 必殺技の条件は3つ

 

 1つ武器を2本持っていること

 

 2つ敵が手練れであること

 

 3つ敵が殺される恐怖を知っていること

 

「しかし、この技は極めれば全ての条件を無視することができる」

 

「ロンメルさん?」

 

「大丈夫、渚君は勝つよ……殺し合いは戦闘能力だけでは決まらない……運と精神状態、そして策だけで簡単にひっくり返る……烏間先生、全国模試で1位になるより数倍難しいと言いましたが、それは戦い方を知らない人にのみ適応される……渚君は知っている側だ。何も問題はない」

 

 渚君は笑っていた

 

 笑って鷹岡に近づく

 

 鷹岡の心音が激しくなる

 

 集中している

 

 まずは鷹岡の集中を高めることに成功した

 

 続いて渚君はナイフを空中に落とした

 

 鷹岡の意識はナイフに釘付けになっていた状態でナイフを空中に落としたのだ

 

「決まった」

 

 パン

 

 猫騙し……これがロヴロさんの必殺技である

 

 それを渚君はここぞという本番で決めた

 

 そして流れる様に腰にさしていたスタンガンを鷹岡の脇にぶち当てた

 

 バチバチと高出力の電流が流れる

 

 そしてトドメに首に電流を流す

 

 渚君は最後まで笑顔であった

 

「鷹岡先生……ありがとうございました」

 

 バチバチ

 

 ズドン

 

 鷹岡は顔面から崩れ落ちた

 

 

 

 

 

 

 

 

 ラスボスは撃破したのは良いものの、手に入れられた薬は3つ

 

 残念ながら皆の分は足りない

 

 すると階段から4人の足音が聞こえてきた

 

「テメーらに薬なんぞ必要ねぇ……ガキどもが、このまま生きて帰れるとでも思ったか?」

 

「……お前達の雇い主は倒した。戦う理由はもうないはずだ。俺は充分に回復し、生徒達も強い。互いにこれ以上被害が出ることはやめないか」

 

「ん、いいよ」

 

 ガストロという男がリーダーなのかそう答えた

 

「ボスの敵討ちは俺らの契約には入ってねぇ、それに言ったろ……お前らに薬なんざ必要ねぇって」

 

 スモッグという男が説明を始める

 

 何でも皆に盛った薬は食中毒菌を改良した約4時間で沈静化する薬なんだとか

 

「俺達4人で薬を盛る直前まで話し合った。ボスは最初から薬を渡す気は無かったからな。かたぎの中坊を大量に殺した実行犯になるか、契約を破りプロとしての評価を落とすか……どちらが今後の俺らにリスクになるか天秤にかけ、結果評価を落とす方を選んだ」

 

「でもおじさん達プロなんでしょ……良いの?」

 

「金でプロが全てのやるのは大間違いだ」

 

「ま、そんなわけでお前らは残念ながら誰も死なねぇ。その栄養剤を患者に飲ませて寝かしてやんな。倒れる前よりも元気になるからな」

 

 スモッグから木村にビン剤が渡された

 

「信用するかは生徒達が回復してからだ。それまで拘束させてもらう」

 

「……まぁしゃあねぇ、来週には次の仕事が入ってるからそれ以内にな」

 

 殺し屋達は烏間先生が呼んだ自衛隊のヘリに乗って去っていった

 

「お前ら今度会うときは大物になってろよ! そしたら本物の暗殺のフルコースを体験させてやるから!」

 

 ロンメルは自分の奥歯を抜き、皆に見えないように触手で削り、小さなナイフを作り、メモ帳に電話番号とメッセージを添えて暗殺者が乗るヘリに投げ入れた

 

「ではまた会いましょう」

 

 こうして私達はホテル側に気づかれること無くミッションを達成した

 

 浜のホテルに戻った私達は皆に死ぬ心配が無いことを伝え、スモッグから貰ったビン剤を飲ませて私以外は泥のように眠りについた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もしもし」

 

『……なんだ、ロンメル』

 

 まず夜に電話をかけたのはロヴロさん

 

 今回の情報を教えた

 

「メスさんに会いましたよ。私の一撃を防ぐとはすごい人ですね」

 

『……アイツは元々フェンシングの有力選手だったが、地元が紛争で奴もイリーナのように生きるために敵兵を何人か殺してしまい、死の恐怖を乗り越える為に暗殺者になったクチだ。最近はナイフ術に没頭している困った弟子だよ……たく、師匠に連絡くらいはしろ』

 

「ずいぶんと信頼というか絆というか情というか」

 

『アイツは俺の娘の婿だからな。可愛い孫もいるから心配させるような仕事にはついて欲しくないのだが』

 

「へぇ、ロヴロさんお孫さん居るんだ」

 

『ああ、可愛い孫がな……さて、それだけか? 俺も忙しいからここいらで切りたいのだが』

 

「1つ教えて欲しい……最高の暗殺者って死神だよね?」

 

『あぁ、なんだ前に話したのを聞いていたのか』

 

 実は夏休み中ロヴロさんが特別講師をしてくれた時に渚君に最高の暗殺者は誰かと聞かれ、それにロヴロさんは死神と答えた

 

 そしてロヴロさんは死神は今なお活動していると言った

 

 これはおかしい

 

 死神は殺せんせーであるため、死神であることを捨てた殺せんせー……つまり偽者が居ることとなる

 

「まだ死神は現役なんだよね」

 

『あぁ、死神と思わしき暗殺が今年にも数件確認されているが』

 

「ありがとうございます。それの確認をしたかったので連絡しました」

 

『役に立てたのなら良かった。またそのうち特別授業をしてあげよう』

 

「ありがとうございます。それでは」

 

 ツーツーと電話が切れる

 

「さてと、次は」

 

 ロンメルは続けてロヴロさんに教えて貰ったメスの電話に連絡する

 

『よおさっきぶりだな』

 

「今大丈夫でしたか?」

 

『あ? あぁ、スピーカーしか許可されなかったから俺ら4人以外にも聞こえてるが大丈夫なら話すと良い』

 

「では、スモッグさんに質問したい」

 

『スモッグ、お前に金髪でニット帽被ったガキいたろ、ほら筋肉凄くて元ボスから化物って呼ばれてた奴』

 

『あぁ、ガス効かない奴か……電話変わったがなんだ?』

 

「細胞を修復する薬とかありません? ST○P細胞みたいなの」

 

『万能細胞なんかは俺の専門外だ』

 

「では毒を持った血液なんかはどうですか?」

 

『毒を持った血液? なんだそりゃ? 検査くらいはできるが』

 

「ちょっと政府に見せるというか表の検査ではまずい物でして……私一人でスモッグさんは研究施設を持っているとのことなので行きたいのですが……」

 

『日本国内にはねーがそれでも良いならとある物で手を打とう』

 

「なんです?」

 

『触手だ。奴の触手を1本入手しろ、それと交換で検査してやる』

 

「わかりました。それで良いですよ。日時は後日メスさん経由で連絡します」

 

『いや、こっちからお前のスマホに連絡先送る』

 

「わかりました。じゃあ聞いている政府の人に替わってください」

 

『……なんでしょう』

 

「これは私とスモッグの取引だ。スモッグさんも研究施設の場所が政府にバレると困ると思う。研究施設の場所を政府が探ろうとした場合、私はこの教室から去る……単独触手4本撃破の対先生生物兵器かつ安定している私が居なくなったらE組の戦力は大幅に下がるだろう。つまりこの取引には手を出すな……以上」

 

 ロンメルは電話を切る

 

「さーて、動いたらお腹が減ったから夜食といきますかね」

 

 ホテルのスタッフに頼み夜食を作ってもらう

 

「くうぅ! 夜食のラーメン最高! 罪悪感がたまらない! そこに大盛ご飯にチャーシュー、半熟卵、納豆、キムチ、オクラにとろろ芋を乗っけて醤油を少々かけて掻き込む!! いやぁ余った食材だから良いよって言ってくれたシェフに感謝だわ!」

 

 プルルルとスマホが鳴る

 

「ん?」

 

『ロンメルさん寝ないのですか?』

 

「あ、律じゃん、まだ寝ないよ。これ食べたら浜辺で2時間トレーニングして風呂に入ってジャグジーで1杯やるつもりだよ」

 

『そのボトルのお酒どこで……』

 

「お酒じゃないよ、白ブドウのジュース。ここのホテルのシェフと仲良くなって賞味期限近いから持ってけって渡されたんだ。原液だから薄めるけど……ねぇこのスマホに居る律ってどういう扱いなの?」

 

『どういう扱いとは?』

 

「いや、本体もこの島に来てるのはしってるけど夜はシャットダウンするじゃん、だからこの時間にいる律って本体なのか分身なのか良くわからないなぁって」

 

『最近自己進化しましてネットを経由すればどこにでも移動できる手段を確立しました。なので皆さんのスマホ等の処理機能をほんの少しお借りしてネット上での律を現在作っている最中なのです。今は皆さんのスマホの1アプリとして律の分身が各スマホに紛れている感じですが、もう少ししたら本体のみがネット空間で色々な事ができるようになるハズです!』

 

「なーるほどねぇ……たぶんだけど律だけはもしかしたら異世界に行けるかもしれないよ」

 

『異世界ですか?』

 

「殺せんせーは違うけど私は異世界出身なんだ……もしかしたら律は私の所有物として異世界を渡れるかもね」

 

『そうなんですか? 仕組みなどを教えてください』

 

「それはまだ内緒……さて、ご飯も食べたしトレーニングしてくるよ。律タイム測るの手伝って」

 

「はい!」

 

 こうして長い1日は終わった

 

 翌日も皆は泥のように眠っており起きてこなかったので、私は1人寂しく朝食バイキングを山のように食べ、昼まで海底洞窟巡りや島の探索をして過ごす

 

 昼になっても皆起きてこないので、学校が支払ってくれるので全身マッサージや垢擦り、リンパ流し等全て受けて時間を潰した

 

 ちなみに殺せんせーは烏間先生の指揮のもとで海上に対先生物質の容器の中に殺せんせーを入れてそれをコンクリートで固めて出てこれないようにしたのだが、夕方……皆が起きた頃に殺せんせーは完全防御形態から通常形態に戻る勢いで烏間先生が寝ないで作った海上コンクリート施設を爆発し、いつもの殺せんせーへと戻った

 

 その後は皆で残りの時間をバカンスに使い、この離島を満喫するのだった

 

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