「お? お?」
稲生の戦いの前後でロンメルの身長と胸が一気に大きくなった
「22で本格化……いやこれは一部で噂の二次成長ですか……帰ったとしてももうレースには出れないか……」
食欲が最近増してるなぁと思ったらウマ娘特有の二次成長に入ったらしく元々160ちょっとだった身長は180を易々と超え、正確にはわからないが190と少しの気がする(192cm)
体重も大幅に増えたが全身ほぼ筋肉で割れた腹筋にガチガチの太もも、唯一柔らかい胸は西瓜の如くたわわに実った
前よりも更にパワーが増したが、脚の速さは若干落ちてしまい、元の世界に戻ってももうレースには出れないのではないかと思うようになった
「戻り方もわからないし、もう子供達も居るからこの世界で生きていくって決めたし……よし、まずは鎧を新調しよう」
ロンメルの成長っぷりに信長だけでなく他の家臣達も驚き
「妖怪なだけあって背の高さも大きくなったな! 大女だな!」
「信長様、暗に醜女って言ってませんか?」
「そう聞こえたか? まあ余は物好き故にそれでも抱くがな」
「酒豪の大女とか妖怪の国でもあんまり居ないですけどね」
「まあ余は魔王だし! 妖怪を3度も孕ませた男じゃ! また膨らんできたな」
「ほぼ毎年孕まされて居る気がするのですが」
「家族は多い方が良いぞ……仲が良ければ更によいがな」
「信長様……」
兄弟に連続謀叛されている信長は家族愛に飢えており私だけでなく正室の濃姫や生駒吉乃と子作りを勤しんでおり、濃姫には子供ができなかったが生駒吉乃は懐妊し来年の夏には生まれる予定だ
ちなみにロンメルは来年の春くらいに生まれる予定である
学校の卒業生が各所で活躍し始める
それは織田家であったり商家であったり鍛冶屋だったり、農民でもそうだ
これら全員が読み書き算盤を習得しており、農民なら正条植えのやり方や塩水選のやり方、肥料の作り方から救荒食物の育て方等を覚え、卒業記念品として薩摩芋や里芋、大和芋等の救荒食物の種芋を分け与えた
商家は帳簿の付け方、商売のいろは、更には現金掛け値なしといった未来でも通じるやり方を教え、鍛冶屋は日用品を作る者、武器を作る者、火縄銃を作る者と別れてはいたが、基礎は教えているので職種転向は可能にしてある
最後に武士のグループは行軍訓練だったり、槍、刀、火縄銃の扱い方や初歩的な作戦を学び、巣だって行った
巣だって行ったのだが
「論目流殿の下で働きとうございまする」
学校での勉強を通じて妖怪である私の下につきたいという物好きも毎年何名か現れ、彼らを雇いいれてロンメルは初歩的な家臣団を形成していったが、200石と300貫の給金で賄える人数も限りがあるので、新事業を開発することにした
養蜂を始めたり、養蚕を始めたり、パンを作ってみたり、平野様経由で手に入れた木綿の栽培を始めたり……色々やりくりして小作人家族も含めて30名、孤児未亡人20人、ロンメルに仕えたいと言った20名(鍛冶屋や商人含む)、町田半乃助率いる忍衆10名の80名と子供達6人をロンメルは養っている
「人員過多だなぁ……どうしたものか」
「手っ取り早くは武功をあげることで領土を更に貰うことですが」
「半乃助確かにそうなんだけどたぶん適正の所領は400石くらいなんだよね。飢餓になったら破綻するんだよね……」
「でもやることはやっていますよね。食堂を作り、論目流様の領内に住む者はそこで集団で3食取っていますが……2食にしても良いのでは?」
「健康的な肉体を作るには3食食べた方がよいのですよ半乃助、事実去年から見違えるほど逞しくなりましたからねあなた達」
「論目流様が一番大きくなりましたがね」
「これは種族ゆえに仕方がないのです」
「新事業に貯蓄の金を使いましたが蓄えていた方がよかったのではないですか?」
「金を生む為に初期投資をけちれば還ってくる金も少なくなりますからね……幸い商人部門を専攻した者達や鍛冶屋部門を専攻した者によってここで作り出される物は直ぐに売れていくので……しかし、パンはやはりあまり食べられませんか」
「いや、しかし芋あんパンは飛ぶように売れていますが……よく思い付きましたね」
「パンはふっくらさせるためにパン酵母という物を酒の麹で代用することで作った苦肉の作だし、砂糖を使った甘い餡子の代わりに比較的甘い薩摩芋を潰して餡にして詰めた者だけど……」
「どうかしましたか?」
「米には敵わなくても麦を使った料理が広まれば救荒食物としての麦の需要も大きくなる……けど二毛作にすると土地が痩せるしなぁ……肥料が大量に生産できないから下手に土地に無理させると痩せちゃうし……」
「地道にいきましょう。幸い手伝ってくれる者は沢山居ます」
「半乃助ありがとね……」
ロンメルはなんとかやりくりをしながら領地経営をし、その情報を他の困っている織田家の家臣団にも共有した
収穫物の計算や売買関係に学校出身者が大活躍し、更に学校に入学希望者が殺到することとなる
弘治3年(1557年2月)
白髪と茶髪の混じった双子の女の子が産まれた
「葦毛だ……ただウマ娘ではないね」
大雪と小雪と信長から命名される
ロンメルは金髪だが、ロンメルの母親は葦毛、祖母は栗毛、更に信長の黒髪の4種類の色がロンメルから生まれる可能性がある
ロンメルは4年間で8人産んだことになり、すっかり畜生腹という渾名が定着し、双子だろうが四つ子だろうが寺に入れずに等しく育てる姿に信長以外には呆れられた
そして5月信長の嫡男となる奇妙丸が産まれる
ロンメルの身分が不確かなため奇妙丸は直ぐに濃姫に養子と言う形となり、信長の正式な跡継ぎとなる
「すまぬなロンメル……」
「いえ、信長様それが普通です。お気になさらず」
とある日の夜信長がロンメルの家に小姓を引き連れてやって来て嫡男の件をロンメルに謝った
「お主は余に仕え、奇妙にはお主の息子達を側に置かせる」
「……いえ、距離を置かせましょう。あまり近すぎても一門衆がこの度の織田家が割れている間に少なくなってしまった事から近くに置けば権力闘争の駒にされかねません。私の息子達は別の家を立てさせるくらいにしませんと」
「それで良いのか?」
「武士じゃなくても食いっぱぐれる事の無いように育てますよ。一農民としても生活できるようにね」
「ふふ、わかった。だが余の息子は息子、娘は娘だ。髪色で政略婚には仕えぬが、嫁ぎ先は吟味しようぞ」
「それは勿論」
「……それはなんだ、蕎麦切りか?」
「これですか? 蕎麦切りか?」
「はい。まだ寒いので暖かい蕎麦で体を暖めようかと」
「余にもくれぬか」
「少々お待ちを」
ロンメルは台所に立つと慣れた手付きで料理を始め、醤油ベースのスープに温泉卵と里芋、コンニャク、ごぼうを入れて信長様に出す
「拙者が毒味を」
「入らぬ」
小姓の1人が毒味をしようとしたが、信長は拒否し、温かい蕎麦を食べていく
「うむ旨かった……流石ロンメルだ」
「ありがとうございます」
「ではまた時間ができたら来る。子供達を頼んだぞ」
「は!!」
小姓の方々にも蕎麦を振る舞い、食べた後信長は家から清洲城に戻っていった
「ロンメルこんな物が南蛮より手に入ったのだが使えそうか?」
平野様から学校で働いていた私に弩を渡してきた
威力は火縄銃に劣り、射速性は和弓に劣り、コストパフォーマンスでは印地(石を振り回して投げる道具)に劣るなんとも中途半端な武器であるが、ロンメルは自身がウマ娘であることから大昔に一時代を作ったウマ娘の帝国で弩が使われていたなぁと思いだし
「これ騎兵に持たせれば強いかもしれませんよ?」
「騎兵にか?」
「事前に準備しておけば騎馬の上でも射撃することが可能ですし、火縄銃を騎馬上で射つにはまず騎馬をならす必要がありますし、和弓は熟練した者しか騎馬上では放つ事ができないのに対して訓練過程を短くできるという利点があります。ただ騎馬だけの100騎近くの兵を運用しないと効果は薄いかと」
「確かに100騎もの騎馬から射撃された上で直ぐに逃げるを繰り返せば戦力にもなるか……」
「しかしこれも日本の気候や使いやすく改良する必要がありますね……学生達に改良案を募集させてみますか」
「よろしく頼む」
弩又の名をクロスボウは火縄銃と同時期に入ってきたのだが上記の通りそれぞれ取って変わる存在が居たことにより流行らなかった
しかしロンメルは短期間に足軽を弓兵に変換できる、敵は矢を使う事ができないといったメリットに後から気がつき、細々と改良を続けていくこととなる