翌日私は普通に通学し、普通に席に着く
皆私にどう接して良いのかわからないようだ
当たり前だ
確かにイトナによるヒントと鷹岡の怪物発言、日々強くなる肉体の変化により薄々は皆気がついていたが、改めてロンメルが殺せんせーと同じと言われたら対応が変わるだろう
彼らは殺せんせーという難問の他に私という新たな標的が加わってしまったのだから
授業中も休み時間も皆ぎこちない……そして放課後となり私と殺せんせーはグラウンドに出る
「決闘は5月以来だったかな殺せんせー」
「ええ、あの頃から約5ヶ月……見違えるほど鍛えられましたね」
「殺せんせー……もし私がここであなたを殺っても後悔は無い」
「ええ、生徒に殺られるなら本望です。何よりあなたは特別だ。先生として生徒は平等であるべきですが、あなたは私との付き合いが1年長い……その間に教えた技術がどれぐらい昇華させられているか総決算といきましょう!!」
「始まった!」
危ないからと僕達は教室からロンメルさんと殺せんせーの決闘を見る
最初は触手による攻防だ
「触手は太い方がパワーが出る。ロンメルは基本的に細い触手を多用する。アイツが今殺せんせーと互角に戦えているのは触手の扱いの上手さだ」
バチンバチンと叩き合う音が聞こえてくる
音速を優に超えている超ハイスピードバトル……改めて僕らは思う次元が違うと
「おい! ロンメルの奴刀を抜いたぞ」
『あの刀には対先生物質と特殊な金属が練り込まれており、触手を纏わせることで形が変化します』
「じゃあ普通の刀ということはまだ本気を出していないってことか」
「お、おい! 見ろよ! 地面に斬撃の跡が」
「俺の時もやられたがロンメルの斬撃は原理はわからないが伸びる……律」
『ハイスピードカメラ等でもロンメルさんの伸びる斬撃のカラクリは不明です。ただ言えるのはロンメルさんの現在650キロの強靭な握力や筋力が関係している可能性が高いと予想します』
「それもあるけど前にロンメルさんに聞いたんだどうやってそんなに力を付けられるのかって……今だから納得言ったんだけど超回復を無理矢理起こしているらしいんだ」
「杉野超回復って?」
「筋肉が壊れるとそれを再生する時により大きくて太い筋肉になるんだ。それが超回復なんだけど、四六時中特殊な呼吸を操ることでそれを可能にしているらしい。そしてロンメルさんはその回復プラス触手細胞を筋肉に組み込むことで超人的なパワーを出しているんじゃないかって」
「なるほど……後の謎はその特殊な呼吸と異世界を渡る能力か」
「不破それだけじゃねぇ、殺せんせーはロンメルさんの事を俺らの前から知っていた……シロによる実験体なんじゃないか? 2人とも。殺せんせーは生まれも育ちも地球だと初めの方に言ってたし、人工的に作られた生物って言ってたよな」
「菅谷の言う通りだ! あのタコの事を詳しく知ってるのはロンメルしか居ねぇが、過去はあまりは話そうとしなかった……そこに俺らが知りたいなにかがある!」
「寺坂にしては考えてるじゃん」
「うっせぇ! カルマ!」
「いよいよロンメルさんが見えない斬撃だけじゃなくて空気を爆発し始めたぞ! 何でもありかよ」
『空気中の水分を分解して水素にし、それを高温の熱で着火しているようです! ロンメルさんの周囲の熱量は凄まじいことになっています』
「……ロンメルさんが押してる! 殺せんせーの触手が1本千切れた」
『いえ、その間にロンメルさんも皆さんには認識できない細い触手を失っています! 現在は互角でしょう』
「いや律、ロンメルが押されてるよ……殺せんせーは触手オンリーで攻撃しているけど、ロンメルさんは剣術も使って攻撃しているから2つの事を同時に処理しなきゃならない分どんなにロンメルさんの脳が優れていても処理速度は殺せんせーの方が早い。その差が少しずつそろそろ出てくる」
「スーハースーハー」
「ヌルフフフ、やはり凄まじい速度で成長していますねぇ。触手をあえて細くすることでパワーを捨てて精密性を上げて先生の触手を受け流すことに特化させ、攻撃は自慢の剣術でカバー……先生でなければ防ぐことは不可能でしょう」
「ええ、だからこそ倒しがいがある……」
バゴンと殺せんせーの足場が崩れる
「にゅにゃ!?」
「殺せんせーの弱点は環境の変化に弱いところ……攻防の際使っていたのは髪の毛の触手のみ、尻尾の触手は穴を掘っていた!」
「お見事です! ロンメルさん、しかし先生も慣れるものです。あなたとの前の決闘で尻尾の触手を使っていたのは知っていた! 故に対応可能!」
殺せんせーは触手を集めてエネルギー砲を発射する
「かかった」
殺せんせーが脱出するためにエネルギー砲を使うことは予測できていた
ロンメルはその瞬間に自身の最大の札を切る
「零之太刀」
高速突きにより対象を固定してから自慢の脚力によるすり潰し
エネルギー砲を使うために触手を集めた瞬間が最大のチャンス
ブニョン
「ブニョン?」
「ヌルフフフ甘いですよロンメルさん、突き技を見せていなかったので警戒していましたよ。そして最高の瞬間に心臓に一突き……いや、急所を微妙に外れていますので別の目的があったのかもしれませんがねえ」
殺せんせーが隠していた触手で止められた
「そもそもエネルギー砲は触手4本有ればできるんですよ。ロンメルさんが成長するように先生も成長する」
「でしょうね」
ロンメルは刀を離し、押さえられていた触手を右手で握るとそのまま殺せんせーを投げて地面に叩きつけた
「シィィィィィ」
刀を蹴り上げて再び手で掴むとそのまま技に入る
「水の呼吸 陸ノ型 ねじれ渦」
スパンと殺せんせーの足の触手を一気に5本切断する
体温が上昇する
ロンメルの動きが明らかに良くなり、殺せんせーの動きが悪くなる
殺せんせーは一気に触手を失ったことによる体力の消費
ロンメルの動きが良くなったのは
「ロンメルさん、まさかそれが……痣ですか」
全身に織田木瓜の痣が浮かび上がる
それが全身を埋め尽くすとロンメルの皮膚は真っ黒に変わり、更に上から赤く織田木瓜が咲く
「どうせ死ぬのは確定しているんだ。遅かれ早かれの違いのみ……長く平和なこの世界に居たい気持ちもあるが、恩師に本気を出さないのはそれこそ失礼だろう」
ロンメルの刀が変形する
巨大に何本も枝分かれした大太刀へと変化する
「触手は集めることでエネルギー砲を放つことができる」
極細のレーザーが殺せんせーの触手に直撃して吹き飛ばす
「太くなくて良い、ただ消耗させれば私の勝ちだ」
そこからはロンメルが圧倒したかに思えた
刀による斬撃の数も段違いであり、時折飛んでくるレーザーにも殺せんせーは対応しなければならない
厄介な太刀を何とかしようにも触手が絡み付いて吹き飛ばすこともできない
「チェックメイトだ殺せんせー」
その瞬間殺せんせーのネクタイにロンメルの刃が届いた瞬間背中に大きな穴が空いた
「生徒を本来であれば傷付けたくはないのですが、それを気にして勝負に負けた方がロンメルさんにとって侮辱なので先生も本気で対応しました」
地面から触手!?
「ロンメルさん悪い癖ですよ。1つのことに集中すると周りが見えなくなる……余裕がある時のロンメルさんなら全体が見えていたハズです。決定打に固執するあまり……勝負を焦ったが故に先生が隠した触手に気がつかない」
ロンメルの心臓を殺せんせーの触手が撫でる
「良く頑張りました」
心臓は潰されなかった……がこれは負けだ
血液を瞬時に止血して再生を始める
「これでもまだ殺せんせーには及ばないのか……」
「ヌルフフフ、ロンメルさんの更なる成長が楽しみですねぇ」
こうして殺せんせーとロンメルの決闘はロンメルの負けで終わった
皆は両者が死ななかったことに少し安堵したが、改めて殺せんせーの凄さを認識した
1人で殺るのは無理だと
個人戦力なら偽死神より強かったロンメルですら殺れない殺せんせー
それを殺すには集団暗殺しかないと皆はロンメルという核を利用した暗殺に切り替える
ただ1人を除いて
ロンメルの独断と偏見で選ぶ強さランキング
最高 殺せんせー
~殺れない壁~
無惨
~相討ちの壁~
黒死牟
~人外の壁~
偽死神
烏間先生
他上弦
柱のメンバーの上位
義輝様
~超人の壁~
柱の他のメンバー
ロンメルのウマ娘の子供達
かまぼこ隊の3名+カナヲ
~上位者の壁~
下弦の鬼
甲の鬼殺隊員
戦国時代の猛者達
今のロヴロ(老化による衰え)
鷹岡